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水中写真家・清水淳のビギナーズ水中撮影テクニック 第2回
TG-6で自然光ワイド撮影を始めよう!

水中写真家・清水淳のビギナーズ水中撮影テクニック

お待たせしました、連載「ビギナーズ水中撮影テクニック」がリスタート!
今回はTG-6とその水中ハウジングを使った自然光ワイド撮影について水中写真家・清水淳さんに解説していただきます。

自然光撮影時は水中スナップモードで

自然光撮影時は水中スナップモードで
水中スナップモードに合わせます

水中スナップモードに合わせます

TG-6には5種類の水中撮影モードが搭載されています。いろいろな環境で、撮影シーンに最適なカメラの設定を悩まずに一発で呼び出してセットできる、頼りになる機能なので正しく理解して使いたい。
自然光撮影をする場合に使う撮影モードはズバリ「水中スナップモード」です。
名前からするとスノーケリングでお友達を撮るモード的なニュアンスが強いですが、実はそうではなく、フラッシュが届かない遠景的な水中景観に使用します。特殊なところでは、ハンマーヘッドシャークやホエールスイム撮影にも使います。水中ワイドモードでフラッシュOFFにすれば同じになるような感じなのですが、微妙に色々なセッティングが異なります。
主な相違点では、基本的な明るさの設定と鮮やかさの仕上がり具合。水中スナップモードは、より見た目に近い自然な仕上がりを狙ってチューニングされていて、水中ワイドよりも露出は+1EV程度明るめにセットされます。フラッシュ光に頼らない制御なので、ムービー撮影にも最適と言えます。

準備したいアクセサリー

「ワイドコンバージョンレンズ」

「ワイドコンバージョンレンズ」

T G−6はカメラ単体でも広い撮影画角を持っていますが、水中撮影ではより広い範囲を写せるワイドコンバージョンレンズを準備したいです。ワイドコンバージョンレンズは防水ハウジングの前にねじ込んで使うのですが、最近ではワンタッチで脱着が可能な対応があるのでそれを選びたいものです。

AOI UWL-400A

水中画角120°と広すぎずビギナーに扱いやすい高画質なレンズ。
QRS SYSTEMを採用ワンタッチで脱着が可能。

自然光ワイド撮影に必要なアクセサリー

撮影のコツ

●水中に入ったら一度レンズを外してハウジングのレンズ部分とワイコンの間に付着しているエアの泡を外す。再度装着するテクニックを必ず行う。
●ズームはワイド側最大にセット。被写体の大きさが思ったより小さく写る場合は、ズームを使って大きく拡大するのではなく、一歩前に出て被写体が十分な大きさになるまで近づく。
●太陽の位置を確認して、順光で撮影する。

この3つに気をつければクリアーな自然光ワイド撮影が期待できます。

作品1「テーブルサンゴと白い砂」

作品1「テーブルサンゴと白い砂」
撮影モード:水中スナップモード
焦点距離:25mm(35mm換算)
露出補正:±0.0EV
フラッシュ:OFF
ホワイトバランス:水中ディープダイビング
仕上がり:水中
シャッター速度:1/500
絞り値:F2.8
ISO:100
撮影地:慶良間/コーラルヘブン
ワイドコンバージョンレンズ:UWL400A&クイックリリースシステム
ブラケット:MPBK-03
レンズホルダー:MPLH52

サンゴの撮影

画像a

サンゴの撮影

画像b

サンゴの撮影。浅場の撮影では慶良間で一番お気に入りの「コーラルヘブン」での撮影。水中スナップモードを選択して、フラッシュをOFF(画像a)、撮影確認を5秒にセット(画像b)。1枚撮ったら、RECビューでしっかり確認して主要な被写体であるサンゴと背景のバランス、アプローチの角度を変えて撮影します。
標準的なワイドコンバージョンレンズを使用してダイナミックに仕上げます。

サンゴの撮影

画像c

撮影している水深は約5m。本来この水深であれば、水中ホワイトバランス浅瀬を使い赤みを抑える効果を狙うのですが、ここはあえて深い水深用のディープダイビングをチョイスしました(画像c)。ディープダイビングを選ぶと赤みが強くなりサンゴの色も赤みが増していく。色が地味なサンゴもディープダイビングで赤みを増加させることにより、鮮やかさを強調させる効果を狙いました。

いかがですか? ぜひ実践してプロ並みの写真が撮れるようになりたいですね♪

今回使用したカメラとハウジングはこちら
Olympus Tough TG-6とハウジングPT-

Olympus Tough TG-6とハウジングPT-

次回もお楽しみに!

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「感動の一瞬はこうして生まれた……水中写真家 作品探訪」連載
清水 淳さんインタビュー記事も併せてご覧ください。

水中写真家 作品探訪 清水淳さん

清水淳

清水 淳(しみず じゅん)
PROFILE

1964年生まれ。
水中写真や海辺の風景を撮り続けている。執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。
また、カメラメーカーの研究開発にも携わり、水中撮影モードや水中ホワイトバランスの開発アドバイザーも務める。1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングテストを行なっている。
カメラ機材に精通し、機材の特性を生かす能力が評価され、水中撮影アクセサリーメーカーのアドバイザーやテスト撮影の要望も多い。
執筆活動では、水中撮影機材の解説や撮影の仕方、楽しみ方の記事をPADI Japan/デジカメ上達クリニック、OMDS/水中デジタルカメラ・インプレッション、マリンダイビングWeb/水中デジカメ撮影教室、オーシャナ/カメラレビューを現在連載中。最近では、「清水淳のマンツーマン水中写真教室」が好評いただき熱意あふれるフォトグラファーたちと一緒に撮影をしている。
公益社団法人日本写真家協会会員。
▶清水淳オフィシャルサイト