パラオ (Marine Diving plus)
パラオ-海編-
パラオってどんなところ?
日本の真南約3000㌔に位置するパラオ共和国。大小586もの島から成り、全部をあわせても屋久島と同じくらいの大きさしかないが、自然が豊富でダイバーはもちろん、観光客にも人気の世界自然遺産認定エリアだ。
周囲は美しいリーフに囲まれており、サンゴが隆起してできたマッシュルームのような島「ロックアイランド」が特徴的。デルタ航空から成田―パラオの直行便を運航することで、たったの4時間で行けるように! アクセスの良さも人気の原因のひとつだ。
月刊『マリンダイビング』主催の「ダイブ&トラベル大賞」ベストダイブエリア海外で見事1位の座に輝いた"世界一"人気のパラオ。その人気の秘密は何だろう?
- ハズレのない大物遭遇率
- ダイナミックな地形&神秘の地形
- 透明度の良さ
- ダイビングのしやすさ、楽しさ
- ダイビングの行き帰りに見る自然の美しさ
などが挙げられる。
青く透き通った外洋の海、水深1000㍍を超える海底までドスンと落ちたダイナミックなドロップオフ、その先には体長2㍍近いサメがうようよいて、青い海中にはバラクーダのトルネードにギンガメアジの壁……。
パラオの海はいつ訪れてもダイバーをドキドキワクワクさせるアドレナリン出まくりの超エキサイティングな海としてつとに有名だ。
台風が日本に来る時期になると、台風は来ないけれどその発生地となるパラオでは、「ブルーコーナー」などのビッグスポットが並ぶゲメリス方面へ行けなくなる日もままある。でもそれも年によりけりで、ゲメリス方面で潜れない日はほとんどなかった年もあるほど。
しかも、万が一そちらに行けなくても、東側の海岸にも「ブルーコーナー」に匹敵する大物スポットがあるから大丈夫。よほど運が悪くない限り、パラオのダイナミズムを味わえる。
この夏、ぜひアナタもパラオのエキサイティングな海を味わってみてはいかがだろう?
実際、これだけ魚の大群・大物にコンスタントに会える海は世界広しといえども、そうそうあるものではない。
マクロ生物にも注目!
冬場に比べて水温が高いこの時期のパラオは、魚やエビ・カニなどの生物の生態行動がとても活発。フィッシュウオッチングをじっくりしたい方にはお勧めだ。
パラオは大物で有名だが、大物スポットでも小さな魚はたくさんいるし、インナーリーフのいわゆる内湾スポットはサンゴのゆりかごで育つ幼魚をはじめとする トロピカルフィッシュの宝庫。各ダイビングサービスの目の前で、ニシキテグリの産卵が見られるなど、非常に贅沢な海なのだ。
日本近海には生息していないカニハゼやダスキーアネモネフィッシュなど、珍しい魚を探すのも楽しいし、婚姻色になっているハナダイの仲間などを見るのも楽しい。
これまでフィッシュウオッチングやマクロ生物に興味を持っていなかった人も、観察をしているうちにすっかり虜になるに違いない。
ゆる~くまった~り潜ることもできる!
パラオを代表する大物スポット「ブルーコーナー」をはじめ、外洋に面したダイビングスポットの中には、大物遭遇率が高い代わりに潮の流れもガンガンで、エ キサイティングなんだけど、エアの消費も速くなる・・・といったハードな思いをさせられる場合がある。でも、パラオはそんなスポットだけではない。潮の流 れがほとんどなくて、水深も浅くてのんび~りゆった~り、それでいてたくさんのお魚に会える、贅沢なところもあるのだ。
水温も高いし、ダイビングスポットのバリエーションが豊富なパラオの海。まだダイビングの経験本数が少ない初心者の方には、スキルアップやステップアップをしていくのにも超オススメだ。
シーズナリティ&人気スポット大公開
人気No.1
ブルーコーナー
最大水深/35メートル
流れ/ときに強い
夢にまで見たバラクーダの群れ、ギンガメアジの群れ、人懐こいナポレオン、うようよいるホワイトチップリーフシャークなどすべてが見られるという、超人気スポット。棚の上でも群れが見られるので、初心者でも楽しめる。
マンタが見られる
ジャーマンチャネル
最大水深/27メートル
流れ/ときに強い
ラグーンと外洋を結ぶ水路(チャネル)にある、人気のマンタスポット。マンタはクリーニングステーション(マンタの体に付着している寄生虫を小魚に食べてもらう場所)となる根にやってくるので、根の周りでじっと待とう。
大穴に感動
ブルーホール
最大水深/30メートル
流れ/ときに強い
水深1~3メートルのリーフに穴が4つぽっかり開いている。下から穴を見上げると、すべての穴から青い光が降り注ぎ、非常に美しい。穴にはウコンハネガイやオオテンハナゴイ、フチドリハナダイなどが見られ、生き物ウオッチングも楽しい。
珍しい鍾乳洞
シャンデリアケーブ
最大水深/27メートル
流れ/ときに強い
世界でも希な海中鍾乳洞を潜る。水深9メートルの壁にあいた穴を奥に進んでいくと暗い闇の中にシャンデリアのような鍾乳石がいくつも垂れ下がっているのが見える。顔を出せるエアドームがいくつかあるので、とてもおもしろい。
癒し
ウーロンチャネル
最大水深/30メートル
流れ/ときに強い
パラオ諸島を囲むバリアリーフの水路を潜る。水路の入り口付近はドロップオフになっており、ギンガメアジやオオメカマス、ナンヨウツバメウオなどが群れている。海底は白い砂地が広がり、いるだけで気分が最高っ!
マクロ天国
マリンレイク
最大水深/30メートル
流れ/ときに強い
天然の塩水湖で、静けさが漂う緑に囲まれて潜る。ニシキテグリやテンジクダイ、マンジュウイシモチなどマクロの生き物がたくさん。ギンガハゼのコロニーもあり、自分で見つけるのがおもしろい。
ニュードロップオフ
断崖絶壁の豪快なドロップオフを潜る。ウメイロモドキ、カスミチョウチョウウオがカーテンのように群れており、とてもきれい。カラフルな魚が多い。
ビッグドロップオフ
水深5~6メートルのリーフにはオヤビッチャやウメイロモドキが群れ、スノーケリングスポットとしても人気。壁沿いにはスミレナガハナダイ、オオテンハナゴイなどのハナゴイが豊富だ。
シアストンネル
ボルケーノ・シュリンプゴビーやバージェス・バタフライフィッシュ、コリンズ・エンジェルフィッシュといった、パラオでも超珍しい魚たちが見られるトンネル。
シアスコーナー
当たれば「ブルーコーナー」以上の大物遭遇率を誇る。グレイリーフシャークやインドオキアジの大群はもちろん、1~3月にはツノダシの大群も期待できる。
シャークシティ
バラクーダやロウニンアジ、グレイリーフシャークなどの大物が続々と登場珍しいイレズミフエダイの大群が春や秋に出ることも。
ゲロンインサイド
比較的穏やかなスポットで、のんびりと潜るのに最適。ユビエダハマサンゴなどが群生するなだらかなスロープの先は砂地で、ガーデンイールやカニハゼなどのユニークな魚たちが生息する。
ゲロンアウトサイド
大物遭遇率は東側でNo.1。ドロップオフではヨコシマサワラやギンガメアジ、イソマグロといった大型回遊魚が見られるほか、過去にはジンベエザメやハンマーヘッド、ニタリ、マッコウクジラが出たことも。