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夏! 都心から約1時間の海で沈船&大冒険
熱海

熱海

都心から1時間で行ける熱海は、手軽にボートダイビングができる人気どころですが、沈船スポットのあるダイビング地として多くのスキューバダイバーが注目する海。夏は水温も透明度も上がり、潜るには最高! 初心者にやさしいスポットもあります。さらにお子さま連れの方にはスノーケリング教室も開催。名物の花火を見ながら、熱海に潜りに行っちゃおう!

※2025年6月現在の情報です

熱海はダイビングにもオススメ

熱海のホテル街を眺めながらボートでスポットに向かいます

熱海のホテル街を眺めながらボートでスポットに向かいます
写真/マリンフォトライブラリー

熱海は都心から車でも電車でも1時間ちょっとで行ける伊豆半島の玄関、温泉リゾート。「熱海でダイビング」と言ってもピンと来ない方も少なくないかもしれませんが、海に面しているので、潜ることができるのです。基本はボートダイビング。海中にはたくさんの魚や海中生物がいて、本格的なダイビングが楽しめます。しかも、都心から最も近い、日本最大級の沈船スポットがあります。港から5分ほどで沈船に潜れるのですから、わくわくドキドキな冒険ダイビングを期待している方にはピッタリです。周囲には海底からそり立つ根のスポットもいくつかありますので、初心者でもブランクダイバーでも大丈夫ですよ♪

一番の目的は「沈船」

冒険ゴコロをくすぐるレック

潜降ロープを下りていくと、ソフトコーラルがびっしり付着した沈船の舳先に到着

潜降ロープを下りていくと、ソフトコーラルがびっしり付着した沈船の舳先に到着
写真/マリンフォトライブラリー

熱海のダイビングを特別なものにしているダイビングスポット「沈船」。その名のとおり、水深30m以深に沈んでいる船です。
熱海の海で28年間ダイビングガイドをしている《ダイビングサービス熱海》の豊嶋康志(とよしま やすし)さんによると「この沈船は『旭16号』という砂利運搬タンカー船で、1986年に沈んだのですが、その後ダイビングスポットとして利用するために現在の位置に移動させたといわれています」とのこと。
全長81m、幅18mとレックスポットの沈船としては国内最大級。カリブ海の海賊が狙うような宝船ではありませんが、甲板にウインチなどが搭載されたままになっていて、なんとなくわくわくドキドキ。冒険をしているような気分にさせてくれるのです。

沈船の中には入れませんが、中をのぞくのはOK。魚たちのオアシスとなっていて、イシモチの仲間たちがびっしり

沈船の中には入れませんが、中をのぞくのはOK。魚たちのオアシスとなっていて、イシモチの仲間たちがびっしり
写真/マリンフォトライブラリー

1ダイブで上面をぐるりと回るならいいけれど、船倉をのぞいたりしながら泳ぐとあっという間に上がらなくてはならなくなります。というのも、ブイ用のロープが繋がっている船首部分が水深18m。船底やその周りの砂地は水深30m以深、途中、船倉をのぞいたり、長い年月をかけて船のボディに付着したソフトコーラルや生きものを観察していくと、すぐにNDLの限界が来てしまうからです。

沈船は海のオアシス

「沈船」では日本近海にしか生息していないサクラダイが多数群れているのも見どころです

「沈船」では日本近海にしか生息していないサクラダイが多数群れているのも見どころです
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

船内を埋めつくようなイシモチの仲間(クロホシイシモチが多い)のほか、この群れに隠れて守ってもらいながらも捕食している大型のハタの仲間、クエもいたりします。船の周りの魚影も濃く、近年はアカオビハナダイがめちゃくちゃ増えてきています。もしかしたらキンギョハナダイよりも多く生息しているかもしれません。でも、熱海の沈船といえば、サクラダイ! ハナダイの仲間ですが、体高が高いのが特徴で、鮮やかな赤橙色に白い斑点が付いているのがオス、メスは地味めなピンクオレンジ色の体と背ビレの中央辺りに黒い点があるのが目印です。水温が高くなってくるこれからの時期は、子孫繁栄のため、オスが婚姻色になってたくさんのメスの間で泳ぎ回ってアピールをしているシーンにも会えるかもしれません。

撮影/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

頭上からシャワーのように降り注ぐイナダの群れ! こんな体験も夢じゃない

頭上からシャワーのように降り注ぐイナダの群れ! こんな体験も夢じゃない
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

船体の周りを覆うかのように集まっているハナダイの仲間やスズメダイの仲間など。それを狙ってタカベやイサキの群れ、さらにもっと大きなカンパチやイナダ(ブリの若魚)などが川の流れのようにどっと押し寄せてきて、迫力たっぷり!「これからの時期は魚影が濃くなっていくので、見ごたえありますよ」と豊嶋さん。期待しちゃいますね♪

「沈船」は初心者でも潜れる?

流れがない場合はフリー潜降をするのもOK。不安な方はブイのロープを使って潜降しましょう

流れがない場合はフリー潜降をするのもOK。不安な方はブイのロープを使って潜降しましょう
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

《ダイビングサービス熱海》では特に条件を設けてはいませんが、沈船はトップが水深18mで、徐々に深くなっていくため、アドバンスダイバー以上の認定を持つ方にお勧めします。沈船が横たわる砂地は水深30m以深に達していますので、ダイビング中はダイブコンピュータでNDL(無減圧潜水時間)を常にチェックし、余裕を持って浮上するようにしましょう。
周辺は流れていることもありますので、「ロープを使って潜降してください」と指示があったら、潜降時も浮上時もロープから手を離さないようにしましょう。自分は大丈夫とフリー潜降をして流されてしまう人もいるので、確実にブイのロープをつかんで潜降すること(浮上も)。なお、水深3~5m台での安全停止はロープにつかまりながら確実に行いましょう。

ほかにも楽しいスポットあり!

ネコザメ出現にびっくり!
ソーダイ根

今年はネコザメも登場!

今年はネコザメも登場!
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

根の周りには色とりどりのソフトコーラルが密生し、海中はとてもキレイ。その上にはハナダイの仲間たちが

根の周りには色とりどりのソフトコーラルが密生し、海中はとてもキレイ。その上にはハナダイの仲間たちが
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

サクラダイはここでもよく見られます

サクラダイはここでもよく見られます
写真/後藤ゆかり

熱海の一般的なスポットの中では最も人気のあるスポットで、巨大なすり鉢状の海底に根が点在。ドロップオフ状になった場所もあり、地形に応じて魚や生きものが分布しているのもおもしろいところです。サクラダイ、アカオビハナダイ、キンギョハナダイやスズメダイの仲間たちが乱舞し、海中は華やかです。2025年5月には根の陰に小さなネコザメが潜んでいて話題になっていました。またクマノミやミツボシクロスズメダイが生息していて、越冬しているものもいそうです。

柱状節理であることがわかる岩の群落が見られるところもあります

柱状節理であることがわかる岩の群落が見られるところもあります
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

伊豆半島は火山島が本州にくっついたといわれるユニークな歴史があり、ジオ・ダイビングも人気です。熱海の海中にもその時のなごりの柱状節理が見られます。人知を超えた、熱海、伊豆半島の知られざる歴史を想像するのも、楽しい体験ですね。

ウミガメが常連になる日も近い!?
ビタガ根

根の周りはアカオビハナダイやキンギョハナダイでいっぱい!

根の周りはアカオビハナダイやキンギョハナダイでいっぱい!
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

根のそばでお休み中のアオウミガメを発見!

根のそばでお休み中のアオウミガメを発見!
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

「沈船」スポットのすぐ隣にある根のスポットで、一気に潜ってしまうこともあります。複雑に入り組んだ根にはソフトコーラルやカイメンなどがびっしり付着、その上をネンブツダイやスズメダイたちが大乱舞しています。これからの季節はネンブツダイのオスが口に卵をくわえて“口内保育”しているシーンを見かけることも。時に流れますので注意しましょう・
なお、2025年5月頃から潜るたびに体長40cmぐらいの小さなアオウミガメに会えています。居着いてくれるといいですね♪

期間限定スポットもお見逃しなく!

熱海では夏の間は、潜れる限り「沈船」で1ダイブして、いったん店に戻り、2本目は「沈船」またはほかのスポットを潜るパターンになります。3本希望の方は、ランチ(自身で用意)の後、再び海へ。水深の関係で午後「沈船」を潜ることはまずなく、ほかのスポットに行きます。
例年11月1日から期間限定スポット「小曾我洞窟」という地形スポットがオープンします。こちらも潜りそこなうことなく、ぜひ潜ってくださいね。

それぞれのダイビングスポット情報については「熱海ダイビング基本情報」をご覧ください。

ボートダイビングのプチポイント

熱海では、船には行きも帰りも船上でもタンクを背負った状態で乗るのが普通です。行きはすぐにエントリーできるよう、乗船したらフィンを履いておきます。進行方向と逆を向いて座るのですが、船が進むにつれ目の前に熱海のホテルが並ぶ風景が見えて、なんだか不思議な気分。
スポットに到着してブイに係留したら、エントリーです。流れがかかっていて、しかも速い場合もあるので、係留したブイのロープを手でつかみながら潜降していくことがポイント。自分は大丈夫と手を離したベテランが流されていくのを見たことがありますが、そうならないようにしましょう。

夏だ! スノーケリング教室開催♪

海遊びが初めての人も大きな笑顔に!

海遊びが初めての人も大きな笑顔に!
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

ボートからジャ~ンプ! お子さまにとって最高の夏休みとなるに違いないですね

ボートからジャ~ンプ! お子さまにとって最高の夏休みとなるに違いないですね
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

見て見て!カニが脱皮してる!! スノーケリング、おもしろ~い♡

見て見て!カニが脱皮してる!! スノーケリング、おもしろ~い♡
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

《ダイビングサービス熱海》では、夏の期間、お子さま連れのお客さま向けに大人がダイビングをしている間、子どもも遊べるスノーケリング教室を開催しています。半日でダイビングを終わらせて、午後一緒にスノーケリングを楽しむというプランもOKです。 スノーケリングスポットとなっているのは錦ヶ浦という景勝地。波がほとんどなくて水深も浅いのにとても透明度が高くてきれい。お魚もたくさん見られます。小学生以上で運動が可能な健康状態であればどなたでも参加できます。通常は一日2回開催ですが、8月7~17日は一日3回開催だから、いろいろ計画できますね♪

◎期間 2025年7月18日(金)~9月7日(日)
◎集合場所 熱海港《ダイビングサービス熱海》
◎対象 小学生以上で健康上水中運動が可能な方
◎時間 10:00~、13:00~の一日2回(所要時間約100分)
※8月7~17日のお盆時期のみ10:00~、12:00~14:00の一日3回
◎最少催行 各時間3名
◎料金 おひとり様4,950円(税込) ※現金のみ
※準備するものなど詳細は下記の《ダイビングサービス熱海》のホームページをご覧ください

スノーケリング教室のお申し込みは≫ダイビングサービス熱海
※ダイビングとともにご予約も可能です!

ダイビングと一緒に花火を見ていきませんか?

《ダイビングサービス熱海》では花火開催日に船を出してくれるので海上で頭上に打ち上がる花火を見ることができます

《ダイビングサービス熱海》では花火開催日に船を出してくれるので海上で頭上に打ち上がる花火を見ることができます
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

夏といえば花火! 熱海では全国的に有名な海上花火大会が開催されています。しかも年間を通して!!《ダイビングサービス熱海》では、7~12月の花火大会開催日にボートを出してくれます。すぐ間近に花火が見られる特別プラン、ぜひ日程を合わせて参加してみませんか?

沈船ダイビングから花火、スノーケリングまでとことん楽しもう!

ダイビングサービス熱海

ベテランガイドの豊嶋さん。大和魂のかたまりで熱海の地域活動でも大活躍

ベテランガイドの豊嶋さん。大和魂のかたまりで熱海の地域活動でも大活躍
写真/後藤ゆかり

あたみ漁協の漁船を利用してダイビングへ。ダイバーが利用しやすい仕様になっていますのでご安心を

あたみ漁協の漁船を利用してダイビングへ。ダイバーが利用しやすい仕様になっていますのでご安心を
写真/マリンフォトライブラリー

熱海の海を案内してくれるのは、ダイビングガイド歴35年以上、熱海でのガイド歴28年の大ベテラン、豊嶋康志さん。ほぼ毎日、熱海の海(特に「沈船」)を潜り、その日の海況や天候を見ながらベストな海を案内をしてくれます。大和魂あふれる熱血漢で地元の行事や熱海の海のクリーンアップ活動などに参加していて、いつ休んでいるのかと心配になりますが、愛する家族に支えられ、いつも元気に海に繰り出しています。
漁港前のお店の屋外スペースにダイビング施設があって、テーブルが多くあるのでグループごとに利用でき、休憩時間もゆったり。器材の洗い場&干し場も広々。大勢のグループでの利用も可能です。夏休みはお子さま連れでスノーケリング教室に参加してもいいですね♪

〒413-0022 静岡県熱海市和田浜南9-24
TEL:0557-82-7285
E-mail: diving@atami.biz

※問い合わせの際、「マリンダイビングWebを見た」というとスムーズです。

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文/後藤ゆかり(マリンダイビングWebデスク)