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東京から2〜3時間でウミガメに会える海 川奈 かわな

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東京から2〜3時間でウミガメに会える海 川奈 かわな

東伊豆の入り口にあり、東京から2〜3時間と近い川奈。2012年の7月から住み着いているウミガメが大人気! 川奈の基本情報とウミガメ情報をご紹介します!

川奈ってどこにあるの?

 川奈は熱海、伊東を通り過ぎてすぐのところにある。観光地でにぎやかなイメージが強い東伊豆だが、川奈は県道から一本外れて民家が建ち並ぶ道を下った場所にあるので、とても静か。タンクの貸し出しやダイビングを管理している《いとう漁業協同組合 川奈ダイビングサービス》を拠点にダイビング関連の施設が密集しており、行き交う人は皆ご近所さん。笑顔で立ち話をする和やかな雰囲気だ。


より大きな地図で 川奈 を表示

アクセス

車/東名高速、小田原厚木道路を経て国道135号を南下し、伊東を通過した後Y字の分岐を左へ。県道109号を道なりに進むとダイビングの舞台である川奈港に到着。東京から2時間〜2時間30分。

電車/東海道線、新幹線などを利用して熱海駅へ。そこから伊豆急行線に乗り換え、約30分の川奈駅へ。サービスによっては送迎あり。

川奈でダイビングをするには?

 川奈には現地ダイビングサービスがたくさん。港を中心に周囲に建ち並ぶ。港が目の前という便利なお店から、少し高台にあり川奈の海を一望できるロケーションのいいお店までさまざま。ダイビング料金に差はあまりないので、「ビギナー歓迎」、「水中写真が得意」など、お店のカラーを見て自分に合いそうなところを決めよう。

ウミガメが見られるのは「ビーチ」

 川奈のダイビングスポットはビーチが1カ所、ボートが10カ所以上。どちらも盛んで、ゲストの希望する潜り方に合わせたスタイルとなる。
川奈のビーチは港を背にして縦に長く、遠浅。ビギナーが泳ぐ範囲だと平均水深は10㍍にも満たないくらいなので、のんびり、じっくりフィッシュウオッチングができる。なお、ウミガメが住んでいるのはこの「ビーチ」。なんと水深3〜4㍍の浅場にスージーと呼ばれる個体が1匹、そして沖合にはナオミと呼ばれる個体が1匹の計2匹のアオウミガメが住み着いており、ダイバーの人気者となっている。
それぞれ好きなテリトリーがあり、そこの場所を狙えばほぼ確実に見られている。運が良ければ動画のように2匹同時に見ることができるかも! より確実に会いたいなら、朝一(8時30分〜)のエントリーがおすすめ。

画面に大きく写るナオミと、奥でゲストが観察しているスージーの夢の共演!

ダイバーを敵だと思っていないようで、こんなに近くで一緒に泳ぐこともできる。

ずっと見ているとまるでペット!?のような感覚に
(全動画提供:川奈ガイドサービス ジェスター)

いろいろな生態が見られる マナーを守って観察しよう

 実際に見るとわかるが、ここのアオウミガメを観察しているといろいろな表情があることがわかる。例えば、お気に入りのすみかにいて海藻を体の上にかけて隠れていたり(ダイバーからは見えるのだが……かわいい)、甲羅をゴシゴシ岩にこすりつけていたり、散歩をしたり息継ぎをしたり……と、1ダイブずっと観察しているとさまざまな表情が見える。
 川奈のダイビングサービスの間では、ウミガメが快適にここに住んでいられるよう独自のマナーを決めている。それは
①触らない
②必要以上に追わない。特に真後ろから追いかけないようにする。
③息つぎで水面に行くときは追わず、下から観察する
の3つ。もちろん、ほかのダイバーのことを考えて写真を撮るのに独占しないなど基本的なことも守るようにしよう。

いくらダイバーを恐れないといっても相手は野生の生物。ガイドの指示に従って潜ろう

いくらダイバーを恐れないといっても相手は野生の生物。ガイドの指示に従って潜ろう

一定の場所に住みつくのは珍しい!

 ウミガメがある一定の場所に住みつくのは非常に珍しいことだと、《日本ウミガメ協議会》の研究員・石原さんは言う。
「まだ研究段階なのではっきりとは言えないのですが、沖縄などの温かい地方でも、時期になると戻ってくるウミガメの話はよく聞きますが、住み着くという話は聞いたことがありません。ましてや冬場の水温が低い本州では聞かない話です。まだ成熟しきっていない時期に来たこと、餌が豊富だったことなどが理由ではないでしょうか」とのこと。もちろん自然の生物なのでいなくなることもあるかもしれない。だが、越冬して一年以上住み着き、それを見られる私たちは非常にラッキーなのだ。

ウミガメ以外も非常に魚影が濃い

 川奈の「ビーチ」は砂地や岩場、ドロップオフなどさまざまな水中環境があるため、そこにすむ生物も豊富。『マリンダイビング』11月号(10月10日発売)の川奈特集では、あまりに生物が豊富なので人気どころを紹介する「KWN48総選挙」を開催中! 誌面で紹介しきれなかったメンバーたちをここで紹介しよう。これらはすべて「ビーチ」1カ所、取材で1日3本潜って見られた生物だ。こんなに見られるビーチはそうそうない。

川奈生物図鑑

非常に使いやすい施設も自慢

 川奈の施設は港を中心にコンパクトにまとまっており、とっても使いやすい。駐車場は港にあり、温水シャワー、スーツのまま入れるお風呂、器材洗い場なども駐車場内にある。さらにボートはもちろんここの港から出港。そこから歩いてすぐの高台にタンクのセッティング場所と、ビーチのエントリー口がある。つまり、ボートとビーチのエントリー口が近いので1日1ボート&1ビーチ、そして先述した1ハーフボートという選択肢も可能だ。
 施設も使いやすく、海も魚影が濃い川奈。ぜひ一度潜りに行ってみよう!

ビーチのエントリー。スロープがあるのでフィンが履きやすい&エントリーしやすい。手すりは向かって左がエントリー、右がエグジット専用

ビーチのエントリー。スロープがあるのでフィンが履きやすい&エントリーしやすい。手すりは向かって左がエントリー、右がエグジット専用

港に設置されたお風呂と、その奥には温水シャワー

港に設置されたお風呂と、その奥には温水シャワー

上のお風呂のすぐ隣にある器材洗い場と奥にある干し場

上のお風呂のすぐ隣にある器材洗い場と奥にある干し場

ボート出港場所。奥に見えるガードレール沿いがビーチのタンクセッティング場所で、そのすぐ下がビーチのエントリー口となる

ボート出港場所。奥に見えるガードレール沿いがビーチのタンクセッティング場所で、そのすぐ下がビーチのエントリー口となる

ビーチの水中にはガイドロープが張り巡らされている。ビギナーはこれを伝って進めるので安心

ビーチの水中にはガイドロープが張り巡らされている。ビギナーはこれを伝って進めるので安心

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