2016年1月号
長い道のりの先にある感動へ 小笠原諸島
長い道のりの先にある感動へ
小笠原諸島
小笠原諸島とは?
数百万年前に火山が隆起して生まれたという小笠原諸島。未だかつて一度も陸とつながったことがない絶海の諸島。本州から約1000kmという隔絶された環境にあり、陸上の生き物は独自の進化を遂げた。そのため固有種の動植物が多く、「東洋のガラパゴス」と呼ばれている。2011年には世界自然遺産に登録された。30余りの島から成っている小笠原諸島だが、人が住んでいるのは父島と母島の2島のみ。ダイビングもこの2島が拠点となる。
旅行の計画はお早めに
小笠原へ行く定期的な手段は「おがさわら丸」の船のみ。竹芝桟橋より父島の二見港まで約25時間半の船旅となる。ちなみに来年(2016年)の7月には《小笠原海運》の新造船が就航するので、東京⇔父島間は約24時間に短縮されるそう。到着すると次の帰りの便が最短で3日後。現地3泊+船中2泊の6日間の旅行となるので、まずはスケジュールが船便と合うかをチェックしよう。
母島へは父島からの定期便「ははじま丸」が運航しているのでそれを利用しよう。所要時間は約2時間10分。
スケジュールが決まったら予約へ。世界遺産認定以来、観光客が増えているが、船のキャパシティは変わらないためチケットはすぐに完売してしまう。スケジュールが決まったら早めに電話をしよう。チケット予約は出港の2カ月前から。
1日目 | 10:00東京発 |
2日目 | 11:30父島着 |
3日目 | 小笠原滞在 |
4日目 | ↓ |
5日目 | 14:00父島発 |
6日目 | 15:30東京着 |
小笠原諸島のどこを潜る?
小笠原といってもダイビングスポットはケータ列島、父島列島、母島列島に広がっている。父島列島だけでも60カ所近くのスポットがあり、二見港からボートで10〜30分くらい。初心者から上級者まで、レベルに応じて、バリエーション豊富なダイビングスポットがダイバーを飽きさせない。
ケータ列島は父島から50kmほど北にある無人の島々。ボートで約2~3時間かかる。父島とは違った野性味あふれる自然が魅力で、大物、地形、魚群と、とにかくスケールがデカい! ここを潜らずして小笠原を後にできないほど、ダイバーが憧れるエリアだ。20カ所近くのスポットがあり、有名なイソマグロの大群が現れる「マグロ穴」はケータ列島の「嫁島」にある。シーズンはGWから9月頃まで。
母島は父島より南へおよそ50km離れた島。ダイビングエリアとしてオープンしてまだ16年。手つかずの自然があふれ、海は魚影が濃く、イルカ、クジラが元気に泳ぐ。母島の周辺には「向島」、「平島」、「姉島」、「妹島」があり、60カ所近くのスポットが点在する。
小笠原に来たらこのスポットで潜りたい!
ケータ列島
嫁島・マグロ穴
二見港からボートで約1時間30分。ケータ列島の入り口となる嫁島。特に人気なのが「マグロ穴」。実は「マグロ穴」という名前のスポットは各島にあるのだが、「マグロ穴」といったら嫁島のマグロ穴のことを指すことが多い。それだけ人気のスポットだ。巨大な穴の奥にはイソマグロが何十尾と群れており、カスミアジやシロワニなどもバンバン登場。ケータ列島を代表するスーパースポットだ!
北之島・サメ穴
北之島は父島から3時間ほどかかるので、日帰りで行くにはちょっぴり大変。サービスによってはお泊りケータ(1泊ないし2泊で、船内で宿泊しながらケータを潜りまくるスタイル)を実施しているので、それで行けばチャンスがある。ここで有名なのは「サメ穴」。その名のとおり「シロワニ」というサメが目の前で見られる。鋭い歯むき出しで、暗いトンネルの奥からぬっと出てくるその姿は、迫力満点。
父島周辺
閂ロック(かんぬきろっく)
父島と南島の間の水路を潜る。夏はギンガメアジなど南方系の魚の群れ、秋にはウシバナトビエイの群れがやってくる。多い時で100匹以上の群れに囲まれることも! 冬はカンパチなどの光りモノが魅力。
製氷海岸(せいひょうかいがん)
二見港近くにある海岸。港の近くにありながら、見事なエダサンゴの群生が広がる。水深3~5mと浅いので、スノーケリングでも行くことができ、潜るとすぐ魚が寄ってくる。
バラ沈
父島の代表的な沈船スポット。船体はバラバラになっているが、それがいい魚礁となっている。中層にはヨスジフエダイ、船体を探せばマクロ生物とフォト派にピッタリ。
西島北
二見港からボートで10分。父島から近く、流れのない穏やかなスポットのため、チェックダイブにもよく使われる。しかしながら、サンゴが美しく群生し、クマササハナムロの群れが目の前を通り過ぎたり、穴の中でキンメモドキがぐっちゃり群れていたりと、魚影の濃さもハンパではない。
母島
四本岩
港から10分と近いのにダイナミックで、大物に会える人気スポット。3~7月は狭い水路の中に体長2㍍を超えるイソマグロが集結。しかもかなり近くで見られるので迫力満点! 11月くらいまでは透明度が高く、水路に光が射し込み、美しい景観が見られる。
万吉場(まんきちば)
母島列島の向島にあるスポット。ハマシコロサンゴが広がり、そこにヨスジフエダイやアカヒメジ、ノコギリダイがのんびりと群れている。中層にはウメイロモドキやクマザサハナムロの大群、ウミガメもよく見られる。1~5月はザトウクジラと水中での遭遇の可能性あり!
ブルーリボン
海底は一面のサンゴ、その上にホウセキキントキ、アカヒメジ、ノコギリダイがぎっしりと群れている。母島でも3本の指に入る人気スポット。