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マンタの楽園 石垣島川平へようこそ
by ダイビングスクール海講座

マンタの楽園 石垣島川平へようこそ

石垣島の川平は、ダイビングで会いたい大物のTOP3に必ずランキングされる「マンタ」に会えることで有名です。1980年代に「川平石崎マンタスクランブル」が開拓され一躍有名に。現在はその周辺にもマンタスポットが開拓され、島中のダイビングサービスがこぞって潜りに来る人気どころです。しかも北風が収まりこれからがオンシーズン!! 市街からだとボートで1時間近くかかる川平の海ですが、川平からなら5~10分ととっても便利なのもオススメポイント。今回は「マンタスクランブル」を開拓した《ダイビングスクール海講座》に案内してもらいます♪

※2023年4月の情報です。

川平石崎マンタスクランブルを開拓した園田真さん

座布団の何倍もある大きなマンタが海中を舞う夢の世界

座布団の何倍もある大きなマンタが海中を舞う夢の世界
Photo by Diving School Umicoza

今でこそ石垣島の海の魅力も多様化していますが、ちょっと前までは石垣島といえばマンタ!といわれるぐらいダイバーというダイバーがこぞってマンタに会いに出かけていたものでした。行き先は石垣島の北西に位置する川平。「川平石崎マンタスクランブル」というダイビングスポットを目指していたのです。

川平のマンタスポット「川平石崎マンタスクランブル」の開拓者、園田真さん

川平のマンタスポット「川平石崎マンタスクランブル」の開拓者、園田真さん
Photo by Sachi Murai

このスポットを1985年ぐらいから開拓し始めたのが《ダイビングスクール海講座(以下、海講座)》を当時立ち上げたばかりの園田真(そのだ まこと)さんです。その当時のことは園田さんにインタビューした記事がありますので、ご覧いただくことにして……。
「川平石崎マンタスクランブル」は水深15~25mの海底からいくつものサンゴの根が立ち上がっていて、サンゴの根のトップは水深8~13mぐらい。初心者でも安心して潜れる深度です。根の上にはベラやチョウチョウウオの仲間など“クリーナー”と呼ばれる魚たちがたくさんいて、マンタがやってくると、お腹だけでなくヒレや背中などに付いた寄生虫などを食べまくってくれるのです。クリーニングされている間のマンタは、まるで人間がボディマッサージなどで気持ち良くて眠ってしまうかのように、うっとりとした感じで、ダイバーが近くにいても気にすることなくのんびりとしています。あまり近づきすぎると逃げてしまうので、程よい距離が必要でした。
園田さんはほかの川平のダイビングサービスのオーナーたちと協力して、マンタを見るためのルール(下記)をつくり、市街や離島から来たダイビングサービスにもルールを徹底してもらうようにして、このマンタの楽園を守り続けてきたのでした。

マンタウオッチングのルール

根の周りで待っていれば、マンタのほうから近づいてきてくれることが多いのです

根の周りで待っていれば、マンタのほうから近づいてきてくれることが多いのです
Photo by Diving School Umicoza

「川平石崎マンタスクランブル」を存続させるために作られたルールですが、石垣島のほかのマンタスポットでも適用されています。
●根のトップにのぼらない。根の周りで待つ
●マンタに近づかない(向こうから近づいてくるのを待つ)
●近づいてきても触らない
●マンタが頭上に来たら息を止めて泡をかけないようにする(泡の感触を楽しむマンタも稀にいますが基本的にはマンタが頭上に来たら息を吸いましょう。十分注意してガイドの指示に従ってください)。
●マンタを追いかけない
といった行動のルールです。ぜひ守ってね。

新スポット「マンタロード」も登場!

マンタが近い! 近づいてきてくれる確率は世界でもかなり高い(と、世界中のマンタスポットを潜ってきた筆者は思っています)

マンタが近い! 近づいてきてくれる確率は世界でもかなり高い(と、世界中のマンタスポットを潜ってきた筆者は思っています)
Photo by Diving School Umicoza

「川平石崎マンタスクランブル」を潜る大勢のダイバーの協力のおかげで、かなり高い確率でダイバーたちはマンタに会えていました。川平は北側に面しているので北風の強くなる12~2月頃はアクセスしにくくなるのですが、例年3月中旬頃から行き始めるとマンタに会え、6~7月頃には恋の季節なのか、餌が豊富になるからか、1ダイブで何尾ものマンタに会えることができるようになりました。特に9~10月頃は繁殖期で、メスの奪い合いをするオス同士の追いかけっこでマンタトレインや求愛ダンスなどが頻繁に見られることも《海講座》の園田さんらの報告でわかってきました。

2010年頃には「マンタシティ」というスポットが開拓され、人気が集まり出します。ほかにも「マンタスクランブル」「マンタシティ」にはマンタたちがホバリングする根がたくさんあり、川平のマンタ人気は衰えることはありませんでした。
そして、近年は「マンタシティ」の南西に「マンタロード」が開拓されています。水深が最大でも15mと浅く、根がたくさんあってマンタがあちこちでホバリングしている夢のようなスポットです。深度が浅いので、体験ダイビングでも行けるぐらい。もちろん初心者もOKです。
春先から既に1ダイブで何尾ものマンタが出現することもあって、今年も狙えそう。9~10月頃はやはり繁殖シーズンで、1ダイブでたくさんのマンタに会えるそうです。

いずれのマンタスポットも5~10分ほど。ボートは川平発なのでとてもラクチンです!

すぐ頭の上にマンタが来ていることも! なんどいう幸運!!

すぐ頭の上にマンタが来ていることも! なんどいう幸運!!
Photo by Diving School Umicoza

ダイビングスクール海講座が本格始動!

川平の穏やかな湾内からダイビングに出発します

川平の穏やかな湾内からダイビングに出発します
Photo by Sachi Murai

石垣島に19歳の時にやってきた園田さん(宮崎県出身)が川平の海や土地の魅力に惹きつけられ、移住を決意。独立して《ダイビングスクール海講座》は今から38年前の1985年に川平エリアにオープンした老舗ダイビングサービスです。昨年、園田さんは会長として新体制をつくり、現場は20代の若手スタッフが中心となり、川平はもちろん、石垣島の海域で経験を積んできました。そんな「新・海講座」が4月から本格始動! ファンダイブはもちろん、ダイビングライセンス(Cカード)取得講習や体験ダイビング、スノーケルツアーなど、石垣島の海を楽しんでみたいという初めての方の受け入れにも力を入れています。
もちろんマンタのリクエストには全力で応えてくれますよ♪

左から会長の園田さん、船長兼インストラクターのしゅんさんこと龍村駿さん、店長でインストラクターの「りっきー」こと吉田力さん、船長兼グランピング担当のいぶきさんこと太田伊吹さん

左から会長の園田さん、船長兼インストラクターのしゅんさんこと龍村駿さん、店長でインストラクターの「りっきー」こと吉田力さん、船長兼グランピング担当のいぶきさんこと太田伊吹さん
Photo by Sachi Murai

マンタだけじゃない! 川平の海がおもしろい

「オープンハート」と呼ばれる地形スポットもオススメ

「オープンハート」と呼ばれる地形スポットもオススメ
Photo by Diving School Umicoza

《海講座》を利用するゲストのリクエストはやはりマンタが一番だそうですが、店長でガイドやインストラクションも担当しているちからさんこと吉田さんは、「川平周辺の海は、ワイドでもマクロでも楽しいんです!」と声を大にしています。
ワイド系でオススメなのは、サンゴな元気なスポットや神秘的な地形が楽しめるスポット。
「特に『オープンハート』は、お連れすると皆さん喜ばれます」とか。その名のとおりハート形に見える穴から青く澄んだ海がのぞく景観は必見です!

コブシメの求愛・産卵行動も今が旬です

コブシメの求愛・産卵行動も今が旬です
Photo by Diving School Umicoza

また、既に始まったそうですが、この時期はコブシメの産卵行動も見ものです。大崎エリアの棚の上では全長1mはあるんじゃないかという(海の中は大きく見えるので)コブシメが、メスのコブシメに求愛するために脚を振り上げて体を大きく見せるためのダンスをしたり、オス同士がメスをめぐって闘ったり、見事カップルになったコブシメたちがぶちゅーっとキスをしているかのような交接行動が見られたり……。圧巻はメスが卵を産みつける神秘的な雰囲気と、それをエスコートするオスのやさしげな体色などなど。ぜひお見逃しなく!

ウミウシもいろいろ。生きものウオッチングもお楽しみ♪

フォト派にも人気のアカフチリュウグウウミウシ

フォト派にも人気のアカフチリュウグウウミウシ
Photo by Diving School Umicoza

センテンイロウミウシ似のシロウネイロウミウシ(『日本のウミウシ』による)の姿も

センテンイロウミウシ似のシロウネイロウミウシ(『日本のウミウシ』による)の姿も
Photo by Diving School Umicoza

図鑑で見られるのとはかなり模様がシンプルで色合いも半透明で綺麗なキカモヨウウミウシ

図鑑で見られるのとはかなり模様がシンプルで色合いも半透明で綺麗なキカモヨウウミウシ
Photo by Diving School Umicoza

潮通しのいいサンゴ礁に生息するメレンゲウミウシの姿も

潮通しのいいサンゴ礁に生息するメレンゲウミウシの姿も
Photo by Diving School Umicoza

川平周辺は魚の種類も多いのですが、ウミウシやエビ・カニなど甲殻類など生きものの宝庫。春先から増えるウミウシもいろいろ見られます。
「川平周辺はリュウグウ系のウミウシもとても多いんですよ」と吉田さんが言うように、写真以外にもイシガキリュウグウウミウシやミドリリュウグウウミウシなどいろいろ見つかります。ウミウシ好きにはたまりませんね。

ということで、新たに本格始動する《ダイビングスクール海講座》で石垣島川平の海を満喫しちゃいましょう!

ダイビングスクール海講座

〒907-0453 沖縄県石垣市川平1287-97

TEL:0980-88-2434

車で自力で行く場合は、入り口の看板が目印

車で自力で行く場合は、入り口の看板が目印
Photo by Sachi Murai

敷地内の庭には休憩できるスペースがあちこちに

敷地内の庭には休憩できるスペースがあちこちに
Photo by Sachi Murai

ダイビングショップ内には講習やログ付けのできる大テーブルも

ダイビングショップ内には講習やログ付けのできる大テーブルも
Photo by Sachi Murai

ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで、沖縄で唯一3ツ星を獲得した風光明媚な川平湾。この湾を囲むように広がる川平は石垣島でも有数の観光地ですが、今ある自然景観を壊すような建物がほとんどなく、自然豊かで素朴な離島のようなロケーションです。そんな川平に根を下ろし、1985年にオープンしたのが《ダイビングスクール海講座》です。現存する石垣島のダイビングサービスでは最も古いお店のひとつです。
現在は高台にある自然林の中に建てられたログハウスを中心にサービスを展開。海に面した眺めの良い広い庭で休憩をとったりランチを食べたり、ダイビング後にログ付けをしたりと、他にはない体験ができるのも魅力。ダイビングだけじゃない、島らしい雰囲気を味わっていただきたいです!

《ダイビングスクール海講座》のホームページはこちらをご覧ください

デスク/後藤ゆかり