海も陸も欲張れるダイビング天国
沖縄本島ダイビングガイド
沖縄の島々への玄関口となる那覇に日本各地から直行便が出ており、多くの観光客が訪れる日本屈指のリゾートエリアとなっている沖縄本島。ひと口に沖縄本島といっても、ショッピングやグルメ、観光スポットが豊富な北谷~南部エリアのほか、大型リゾートホテルなどが並ぶ読谷&恩納エリア、やんばるの自然が広がる本部&北部エリアなど、滞在するエリアによって雰囲気はさまざまで、目的や好みに応じて自由に楽しむことができるのが魅力です。
沖縄本島のシーズナリティ
一年を通して温暖で過ごしやすい気候の沖縄本島。冬でも10℃を切ることはほとんどなく、雪も降りません。5月くらいから気温が上がり始め、GWを過ぎたころから梅雨入りします。梅雨が明けるのは6月下旬頃で、そこから本格的な夏に入ります。
盛夏の7~9月になると日中は30℃を超えることも多く、日射しも強いため、日焼け対策は必須。またこの時期は台風が多いので、天気予報をしっかりと確認しておきましょう。
冬になると北東の季節風が強くなり、海が荒れやすくなります。冬でも晴れれば気温は20℃前後あるので半袖でもOKですが、肌寒い日もあるので、薄手のコートやジャンパーなどの上着を持っていくことをおすすめします。
沖縄本島のダイビングスタイル
沖縄本島では滞在するエリアによってダイビングスタイルも異なってきます。
北谷~南部エリアでは、チービシやケラマ方面へのボートダイビングが盛ん。デイトリップで2~3ダイブするのが一般的です。北谷のビーチスポット「砂辺」も人気です。
一方、読谷&恩納エリアには周辺に好スポットが集まっており、ボートで5~10分ほどでアクセスできるので、のんびり潜れるのが魅力。伊江島や水納島など周辺離島へ足を延ばすことも。
また、本部&北部エリアでも同じく周辺の離島でのダイビングがメインとなります。
周辺離島へのボートダイビングも盛ん
エリア別基本情報
&人気ダイビングスポット
沖縄本島を拠点に潜りに行ける海は実にさまざま。どのエリアに滞在するかによって、メインに潜る海は異なってくるので、自分の好みや目的に合った海を見つけ、そこに潜りに行けるエリアに滞在しましょう。
恩納村・読谷村エリア
「西海岸エリア」とも呼ばれる恩納村・読谷村エリアは、沖縄随一のリゾート地。海岸線沿いに数多くのダイビングスポットが開拓されており、ダイナミックな地形から人気のマクロ生物まで、見どころが非常に豊富。ボートダイブがメインですが、沖縄本島屈指のビーチスポット「真栄田岬」を擁するため、ビーチ+ボートの楽しみ方もできます。観光名所も多いため、ダイビング後の楽しみもたっぷり。
美しい夕景が楽しめることでも人気の西海岸エリア
残波灯台下
残波岬の周辺にあるスポットの中でも特に人気なのが、灯台の下にある「残波灯台下」。大きな根が海底にゴロゴロあり、根の壁には大きなイソバナも。トンネルやクレバスなどダイナミックな地形も楽しめます。イソマグロやウミガメ、ナポレオンフィッシュといった大物から、ピグミーシーホースなどのマクロ生物まで、豊富な生物相が楽しめるのも魅力です。
人気のピグミーシーホースも登場
真栄田岬
イタリアの名所「青の洞窟」に似た景観が楽しめる「真栄田岬」。ビーチからでもボートからでもアクセスすることができ、洞窟の隙間から光が差し込む幻想的なシーンを楽しむことができます。洞窟の中ではハタンポ、穴の外ではツバメウオの群れ、砂地ではヤシャハゼなどが観察できます。
洞窟の中にはハタンポの群れがぎっしり
万座ドリームホール
沖縄本島を代表する、豪快なケーブスポット。リーフの棚の上にある狭い穴を垂直に下りていくと、ドロップオフ沿いに開いた横穴に出ます。その穴の中には、イセエビの仲間やウコンハネガイ、アカマツカサなどの生物がびっしり。天井から差し込む光も幻想的です。周辺はマクロ生物の宝庫で、少し離れた海底ではニシキアナゴの群生も見られます。
穴から差し込む光がとても幻想的
北谷~南部エリア
県庁所在地の那覇をはじめ、沖縄で最も栄えているエリア。日本全国から航空便があるので、アクセスするのもとても便利。那覇や北谷周辺に滞在して、そこにあるダイビングショップやサービスを利用して潜りにいくのが一般的です。チービシや周辺離島へのボートダイビングから、北谷の人気ビーチスポット「砂辺」でのビーチダイビングまで、楽しめるダイビングのバリエーションの豊富さも魅力。アフターダイブも充実しています。比較的新しい糸満エリアも人気上昇中です。
沖縄観光の中心となっている那覇の国際通り
チービシ 神山南ラビリンス
那覇発の離島ツアーでポピュラーなのがチービシ。神山島、クエフ島、ナガンヌ島の3つの島がある環礁で、周辺にダイビングスポットが何カ所か開拓されています。中でも地形が複雑で神秘的な景観が味わえることで人気なのが「神山南ラビリンス」。クレバスやトンネルが迷路のように連なり、アドベンチャー気分満点です。
水中を優雅に泳ぐウミガメの姿も
砂辺No.1(お花畑)
北谷の宮城海岸にある人気ビーチスポット。海岸線が整備されており、楽にエントリー/エグジットすることができます。その名のとおり、ソフトコーラルがお花畑のように広がっているのが見どころ。砂地にはヒレナガネジリンボウなど、人気のマクロ生物も数多く見られます。
愛らしい容姿で人気のカクレクマノミ
奥武島
読み方は「おうじま」。インリーフで波がほとんどなく、悪天候にも強いので、講習などに使われることの多いスポット。砂泥質の水底で、じっくり探せばタツノオトシゴの仲間などのマクロ生物を観察することができます。
ルカン礁
那覇の沖に浮かぶドーナツ形の環礁で、ダイナミックなドロップオフと透明度の高さが見もの。グルクンの大群は当たり前のように見られ、運が良ければナポレオンフィッシュやサメに出会うこともあります。
東海岸エリア
観光地化された西海岸に比べ、ローカル感がたっぷり残った東海岸。ダイビングスポットの数はそれほど多くないものの、大浦湾のアオサンゴの群集など、個性的な水中シーンを楽しむことができます。西海岸(恩納村や名護など)のダイビングサービスを利用して潜りに行くことも。
大浦湾に注ぎ込む大小の川の河口にはマングローブ林が広がっています
大浦湾 ブルー3(チリビシ)
「縄文サンゴ」とも呼ばれる、長さ50m、幅30m、高さ14mの大きな小山をひとつ海底に沈めたようなアオサンゴ群集が沈んでおり、透明度が高い時期に海底から見上げると壮観。《カヌチャリゾート》からボートで5分あまりとアクセスがよく、水深も最大14mなので、初心者から潜ることができます。
絶滅危惧種にも指定されているアオサンゴの巨大な群集は迫力たっぷり
久高島南
海のはるか向こうにある理想郷「ニライカナイ」に一番近い島とも言われる聖地・久高島。ボートで5分ほどでアクセスできる「久高島南」は、起伏のある地形が特徴で、カミソリウオやガラスハゼなどのマクロ生物も観察できます。
美しい自然が残る久高島の海。のんびりと潜ることができます
本部・北部エリア
「山原(やんばる)」と呼ばれる北部エリアや本部半島は、豊かな自然が多く残るエリア。その手つかずの自然は海の中にも残っており、透明度のいい海で、さまざまな生物を観察することができます。瀬底島や水納島へのボートダイビングが人気。老舗リゾートのあるオクマ周辺や沖縄本島最北端の辺戸岬などでのダイビングも侮れません。
美しいブルーのグラデーションが広がる瀬底島周辺の海
瀬底島ラビリンス
本部半島と瀬底大橋でつながっている瀬底島は、人気のダイビングエリア。周辺にいくつかのスポットが開拓されています。最西端に位置する「ラビリンス」は、地形が入り組んでおり、S字状のカーブが続くクレバスではオーロラのような光のカーテンが見られることも。中層を泳ぐグルクンの群れも見事です。
入り組んだ地形はアドベンチャー気分満点!
崎本部
エントリー地点にある巨岩が、ゴリラがチョップしている姿に似ていることから、「ゴリラチョップ」とも呼ばれるスポット。一面に白砂が広がる海底にサンゴの根が点在し、根にスズメダイが群れるピースフルな光景が楽しめます。カエルアンコウやニシキフウライウオなどの人気マクロ生物の姿も。
ゴリラがチョップをしている姿に見えますか?
アクセス情報
沖縄本島へのアクセスは全国各地から運航している那覇空港への直行便が便利。JAL、ANA、スカイマークのほか、格安航空会社(LCC)なども運航しているので、予算や運航状況に合わせて航空会社を選ぶことができます。また、鹿児島港からは本部港および那覇港にフェリーが運航されています。
那覇空港から浦添(てだこ浦西駅)までをむすぶ「ゆいレール」。那覇周辺の移動に便利です