ホットでドラマな
夏の恩納村
幼魚が湧き出る季節。沖縄本島・恩納村のダイビングシーンは夏に向けてますますアツくなる。本誌で伝えきれなかった情報をお届け!
産卵が終わっても、まだまだサンゴが熱い!
沖縄本島のメインとなるサンゴ一斉産卵は、例年6月中。各ショップのインストラクターもゲストとともにワクワクしながらその時を待つ一大イベントで、今年も無事終了した。けれど、まだまだサンゴから目が離せない! 恩納村にはテーブルサンゴが圧巻の「サンゴビューティ」(≪ブルーリーフ≫オリジナル)、ユビエダハマサンゴが大群生する「ナガハマ」、そして「山田」の養殖サンゴがあり、どこも元気に成長し群生は拡大中。サンゴ礁はときに生物のすみかになり、また餌を供給し、沖縄の海の生態系を支えるベースになっている。サンゴが元気だとますます生物も増え、マクロなウオッチングも楽しくなるということなのだ。
「サンゴビューティ」サンゴはどんどん大きくなりつつある
試したい、サンゴの植樹
そんなサンゴの保護に、私たちも一役担える方法があるというのだから見逃せない。それが、「山田」でのサンゴ植樹。もともと恩納村漁協が始めた取り組みだが、ダイビングサービスも協力し、恩納村ダイビング協同組合主催のサンゴ植樹イベントを開いたり、希望者の植樹ダイビングをサポートしたりしている。「苗を買って植えることになりますが、時間がある人はぜひ。僕も植樹して楽しみが増えました」とは、≪ブルーリーフ≫の代表横田崇さん。当店でも受け付けているそう。 “自分の植えたサンゴが成長し、いつかは産卵が見られるかもしれない!”そんな夢も抱くことができる。
ゲストが「山田」でサンゴを植樹。旅の記念にもなった
「山田」の養殖サンゴ
土台にサンゴの苗を固定する
ドリルで穴をあけ植樹の準備
植樹後の風景。大きく育ちますように!
地形スポットも最高のシーズンに
恩納村の海は、そもそも地形スポットが有名。海岸線に沿って発達するリーフの沖は、ズドンと落ちるドロップオフ。ところどころ根があったり、巨岩が転がっていたり、また浅いリーフにはサンゴの成長と浸食でできたホールもありスイムスルーを楽しめる場所も多い。「真栄田岬」の青の洞窟がメジャーだが、ほかにも「アポガマ」や「ホーシュー」、右写真の「谷茶タワー」など、どこも地形が見事。太陽光が、光と闇のコントラストをいっそうきれいに見せる夏。恩納村らしいダイナミック地形を楽しもう
地形がおもしろい「アポガマ」には、カマスが群れる根も
「谷茶タワー」。水深30m付近から根がそびえ立つ
「ホーシュー」
「ナガハマ」
フォト派も満足の生物ラインナップ
サンゴと地形だけでなく、もちろん生物の豊かさも恩納村の特長。珍しいトウアカクマノミをはじめ、カクレクマノミやセジロクマノミなど日本のクマノミ全種が見られる「山田」、ピグミーシーホースがいる「ミシラギ」、キンチャクガニが見つかる「真栄田岬」など、どのスポットも目玉の生物がいてフォト派も夢中になる。また「7、8月は幼魚が増える季節。スズメダイ系の幼魚はあちこちでワンサカ見られ、ミナミハコフグやイロブダイの幼魚などが見つかることもあります」とは、≪ブルーリーフ≫のガイド、渡邉慎二さん。楽しみは尽きない。
トウアカクマノミがいるのは「山田」。珍しい生物も多く、ベテランにも人気
「ミシラギ」のピグミーくん
絶対試したい、ナイトダイビング
もうひとつの恩納村の目玉が、ナイトダイビング。「山田」や「真栄田岬」など昼間潜ったスポットを潜るのが基本で、下見しているから安心だ。また「いきなり暗い海で潜るのが不安な方などは、まだ海中が明るいサンセットにまず潜り、続けて同じスポットでナイトをすることもできます」と横田さん。普段目にする魚が寝ていたり、ハナイカなどなかなか出会えない生物が見つかることも。昼とは表情の夜の海。ぜひ探検してみよう。
神秘的な夜の海。寝ぼけたようなアカククリやチョウチョウウオがかわいい! 立派なエビも登場
「山田」のナイトで。よく寝ていた!
体験ダイブもウェルカム
地形のイメージが強い恩納村エリアだが、今まで紹介したように浅くてサンゴがきれいな場所もあり、初めてダイビングをするにも最適だ。体験でよく使われるスポットのひとつが「山田」で、ここでは紹介した珍しい養殖サンゴとそこに群れるデバスズメなど沖縄らしい風景が見られるし、クマノミたちにも確実に会える。港からの距離も、ほんの5分ほどと近くて船酔いの心配もない。ノンダイバーの友人がいたら、ぜひ誘ってみて。
「山田」での体験ダイビングのようす。サンゴに真っ白な砂地と、沖縄らしい景観がそろっている
アフターダイブもよりどりみどり
リゾートがいち早く開発された恩納村は、沖縄本島のセンター。日没が遅い沖縄の夏だから、2ダイブ、3ダイブ後はまだまだ明るい。ナイトをしない日は、ダイビング後もいろいろ訪れてみよう。透明な海を断崖絶壁から見下ろせる景勝地がたくさんあるし、そこから眺めるサンセットも最高にキレイ。海見えカフェもオープンし、のんびりと透明な海を眺めて過ごすには最適。ぜひ、欲張りに過ごしてほしい。
万座毛
浸食された琉球石灰岩が、象の鼻のような形になった景勝地・万座毛。澄んだ水面下に広がるリーフの形がよくわかる。
おんなの駅
恩納村のお土産探しに行きたい道の駅。定番の沖縄料理をアレンジした食のお店も充実していて、小腹がすいたときに立ち寄るのもいい。
ダイヤモンドブルー
≪御菓子御殿≫の1階に近年登場したビーチテラスカフェで、目の前にダイヤモンドビーチが広がる穴場。前菜やサラダが食べ放題のランチがおすすめ。
ダイヤモンドビーチ
人気のお土産屋≪御菓子御殿≫の前に広がる、ホワイトサンドがきれいなビーチ。潮だまりには魚が泳いでいることも。人が少なく静か。
国道58号線
那覇から北部まで西海岸を走る、本島のメイン道路。恩納村一帯には海を臨むエリアも多く、FENをかけながらドライブするのがおすすめ。