『マリンダイビング』3月号
フィリピンの魅力の島々10
7,107の島々から成るといわれるフィリピンには、島の数ほどダイビングスポットがあるといわれる。
今回はマリンダイビングフェアに来場予定のダイビングサービスやダイブリゾートがあるフィリピンの島々の見どころをご紹介しよう!
フィリピンといえば両脇にアウトリガーが付いた「バンカーボート」が有名。人気スポット「ヒルトゥガン」(マクタン島)にズラリとバンカーボートが並んでいた
フィリピンってどんなところ?
日本の南西約3,000km(石垣島からなら1,000kmと離れていない)に浮かぶ大小7,107の島々から成る国。
首都マニラがあるルソン島が最大でほぼ北端にあり、その南部を皮切りに、たくさんの島々にダイビングエリアが開拓されている。最もメジャーなのは成田、大阪などからも直行便の運航があるセブ島・マクタン島の周辺。今なおあちこちに新しいダイビングエリアが誕生しつつある。
世界で最も魚影が濃く、魚種も多いといわれる太平洋西部にあり、驚くほどたくさんの生物がフィリピンの海に生息しているのが魅力の一つだ。
フィリピンの旅の情報はフィリピン政府観光省のホームページへ
真っ白な砂浜、エメラルドグリーンのサンゴ礁に囲まれた“プレミアムリゾートアイランド”フィリピン。
フィリピン政府観光省のホームページでは、正式国名などの基本情報からトラベル実用情報、魅力あふれるエリア情報、ダイビング情報まで知りたいことがたっぷり網羅されている。
さらにFacebookではお得な情報も随時アップされるので、ぜひフォローしてみて。
フィリピン政府観光省
HP http://www.premium-philippines.com
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尾長な勇士にホレボレ! ニタリに会える海
マラパスクアMalapascua
早朝ニタリからサンセットまで
潜りまくれる豊かな海
今や欧米人ダイバーもはるばるやってくるマラパスクア島。島からボートで約40分南東の「モナドショール」でニタリ(オナガザメの仲間)に会える確率が非常に高いからだ。ニタリがやってくるクリーニングステーションは、水深25m以深とやや深いが、サメ好きダイバーが世界中からやってくるのも納得の遭遇率。ニタリに会えるのは日の出頃が一番高確率とのことで、出発も相当早いが、世界でも珍しいシャークダイブができるならと、皆さん早起きだ。
ところで、マラパスクアはニタリだけかと思ったら、大間違い!
マラパスクア島周辺は、マクロ生物の宝庫だし、ソフトコーラルが大群生しているスポットもある。
遠征するなら、ガトー島やカランガマン島など、「モナドショール」とも、マラパスクア島とも違った海中景観が楽しめるスポットもある。
毎日、毎ダイブ、違った雰囲気が味わえる贅沢さは、一度味わったらやみつきになるかも。
「モナドショール」。ニタリは尾がスーッと長いのも特徴だが、胸ビレを広げたときにほかのサメに比べて優雅に見えるのも、人気の理由かも
程よくにぎやかで、ナチュラルな
マラパスクア島
モルディブのような、サンゴ礁が隆起してできた小さな島。島一周道路はないが、島の南部と西部に長く連なるビーチ沿いにダイビングリゾートが並び、それだけじゃ足りないのか、最近はビーチ沿い以外にも新しいリゾートがいくつもオープンしている。
地元フィリピン人のほかにもヨーロピアン、アジアンなどたくさんの観光客が訪れ、メインのバウンティビーチ周辺は夜になるとダイビングから帰ってきたダイバーでにぎわう。でも、早朝ダイビングがあるために、夜9時ともなると一気に静まるのもマラパスクアならではかも。
ホワイトビーチ、ターコイズブルーのラグーンがいつも目の前に広がっているマラパスクア島。きっと癒されること間違いない。
オプションでオススメのカランガマン島。ダイビングは当たり外れがあるけれど、引き潮時に現れる砂洲の見事さは必見! おそらく多くの人が知らないだけで、知れば世界のTOP10ビーチに選ばれること間違いなし
2016年には国際空港も。人気のバリカサグに一番近い島
ボホールBohol
魚群で興奮してサンゴに癒される
バリカサグ島
セブ島の南東に浮かぶボホール島は、20年以上前から開拓されダイバーに有名だが、最も人気なのが遠征ダイブで行く「バリカサグ島」だろう。遠征といっても、ダイブリゾートのあるパングラオ島からボートで30分程度。とても近い。近いのに、ギンガメアジの超大群やウミガメとの遭遇率が非常に高い。運が良ければバラクーダの群れも見られるかも。
また、バリカサグ島でも、パングラオ島の周辺でも、カエルアンコウやハゼ類、ウミウシやエビ、カニなど人気の魚や生物も非常に多いのが特長。フォト派はワイドもマクロも真剣に狙える。
バリカサグ島にはいくつかのスポットがあるが、潮が当たるエリアを狙っていくと、ギンガメアジのこんな大群に会うこともできるかも
理想的なダイブリゾートが見つかる
パングラオ島
ボホール島といっても、多くのダイブリゾートがあるのは南西に陸続きで行けるパングラオ島。長さ約9km、幅約5kmの小さな島だが、サンゴ礁が隆起してできた島の周囲にはいくつかのホワイトビーチがあって、そのほとんどにダイブリゾートが建てられているのだ。特に島の南西にあるアロナビーチにはリゾートだけでなくダイビングサービス、レストランや土産店などが集中。島一番のにぎやかなエリアとなっている。
パングラオ島では景観を損ねないためにヤシの木よりも高い建物を建ててはならないことになっていて、例外もあるけれど、ダイビングボートから見ると緑の中にリゾートの建物がたたずんでいることがわかる。今のところワールドワイドなリゾートはないけれど、超贅沢なヴィラ風のリゾートもいくつかあるし、ダイバーにとって使い勝手抜群のこぢんまりとしたリゾートもある。セブ島からはフェリーや飛行機でアクセスすることになるが、一歩先に行くだけで極上のひとときが味わえるのはありがたい。
島一番の美しいホワイトビーチを持つ《サウスパームスリゾート》。ビタミンカラーのビーチチェアやパラソルがリゾート気分を盛り上げてくれる
自然の摂理で集まるジンベエザメと泳げる海
サウスレイテSouthern Leyte
一生分のジンベエザメと会える!
マニラ空港から南東へ約1時間20分、レイテ島のタクロバン空港へ。そこから車で約3時間、レイテ島の南部にあるサウスレイテへと向かう。
ソゴトベイといわれる湾に面してダイブリゾートやダイビングサービスがいくつかあるのだが、この湾の入り口周辺に毎年11月頃から5月頃まで(年によっては7月頃まで)ジンベエザメが集まってくるのだ。スキンダイビング(スノーケリング)のほうがジンベエザメと一緒に泳ぎやすいため、基本はジンベエスイム。スポッターと呼ばれるガイドが船上からジンベエザメを見つけ、GO!の合図で海へ、世界最大の魚類、ジンベエザメをすぐ間近で見られるのは最高の思い出になるはずだ。
ダイビングスポットも数多く、海中は魚やウミウシ、エビ、カニなど魚影が濃く、運が良ければミミックオクトパスにも会え、フィッシュウオッチングにも最高。ナイトダイブで見られるメガネウオの捕食シーンも一見の価値ありだ。
11~5月、集まってくるジンベエザメと一緒に泳ぐことができる
原始の自然を満喫
サウスレイテの陸上はブルゴスといわれる小さな町はあるものの、大型ショッピングセンターやコンビニなどとは無縁の、大いなる田舎。ソゴトベイを囲む緑豊かな海岸線にぽつんぽつんとダイブリゾートや民家が立っている。ダイバーはシンプルなリゾートホテルやペンション、ダイビングサービス併設のリゾートでのんびり過ごすことになる。町のそばのレストランに行くことも可能。
雄大な自然が広がるソゴトベイ。ゆったりとした気分になれること間違いなし
海もアフターも充実! アクセスの手軽さも魅力
マクタン島Mactan Island
都会なのにとっても豊かな海の中
成田、大阪などから直行便で行けるマクタン島。空港から車で5~40分の海岸線に大小のリゾートホテルやダイビングサービスなどが点在しており、フィリピンでも随一のリゾート地として活況を呈している。
ダイビングスポットは海岸線のマクタンエリア、沖合のオランゴ島やヒルトゥガン島などにいくつもあるほか、日帰りでカビラオ島やスミロン島方面へ足を延ばすこともある。
大物を狙うなら「ヒルトゥガン島ノース」。ロウニンアジの群れや時にバラクーダも姿を見せるし、ツバメウオの大群もほぼ100%見られる。
ナルスアン島のサンゴ礁の群生も見逃せない。
また、マクタン島周辺は魚種が豊富で、ナイトダイビングでは夜行性のエビ、カニ類がたくさん見られるゾ。
「ヒルトゥガン島ノース」でほぼ100%見られるツバメウオの群れ(写真は吻のとんがっているナンヨウツバメウオと吻が丸いミカヅキツバメウオの混成群)
より取り見取りのリゾートホテル
フィリピン随一のビーチリゾート地、マクタン島には、たくさんのビーチリゾートホテルが林立している。長い海岸線の絶景地をモノにしようと多くの世界的に有名なホテルが点在、空いている土地にはこぢんまりとしたホテルやレストラン、ダイビングサービスが詰まっているといった感じ。訪れる者としてはホテルも予算もいろいろ選べるのが魅力だ。
以前はマクタン島にホテルが少なく、セブ島側にホテルを取っていた人もいたが、近いのに交通渋滞が激しい上、最近はマクタン島のホテルでも十分なので、ダイビングをするならマクタン島滞在、しかもダイビングサービスに近い場所にステイするのが一番だ。
また、マクタン島にはフィリピン料理だけでなく世界各国の味が楽しめるレストラン(和食もある)や、お土産も見つかる大型ショッピングセンターがあちこちにある。ホテルを出てショッピングにグルメにと、アフターダイブも楽しめるのがうれしい。
遠征ダイビングで出かけるナルスアン島。マクタン島の沖にはこんな美しいラグーンも広がっている。ピクニックやBBQ、アイランドホッピングのオプションもオススメだ
セブ島最南端のダイビングパラダイス
サンタンダー リロアンLiloan, Santander
大物、べっぴんサンゴ礁、かわいいアイドルがズラリ!
セブ島最南端のサンタンダー(市のようなもの)やリロアン(サンタンダー内の最南端の集落)も、ダイビングに超オススメのエリア。沖に浮かぶネグロス島のドゥマゲッティに滞在して潜る方法もある。
サンタンダー&リロアンエリアから潜りに行くのは、すぐ目の前の海岸線と、ボートで15~30分(ダイビングサービスによる)のスミロン島やオスロブ、ボートで約1時間~1時間半のアポ島、対岸のネグロス島の「ユタ」など。ダイビングサービスによってはシキホール島へ遠征しているところもある。
各エリアの見どころをおおまかにいえば、リロアン沿岸はソフトコーラルとハナダイ&スズメダイたちが織り成す艶やかな海中と、カエルアンコウやウミウシなど生物豊富な多様性あふれるマクロ天国。アポ島はギンガメアジの大群とサンゴ礁、スミロン島はサンゴ礁とカラフルな魚たちといったところだろうか。ユタは泥砂のスロープで、ほかのエリアとまったく違った景観だが、ミミックオクトパスなどが狙える。
さまざまな顔を持つサンタンダー&リロアンの海。一度潜ったら病みつきになるはずだ。
世界で一番多いのではないかと思われるパープルビューティの群れ。艶やかな海中がリロアン沖にはある。「イラク2」にて
リゾートでのんびり過ごすのが
サンタンダー&リロアン流
サンタンダーにある日本人経営の《ルビリゾート》から車で2~3分のところにサンタンダーの市役所や市場、スーパーマーケットなどはあるが、ちょっと歩けば農地やジャングルとなる。リロアンまで行くとサリサリストアと呼ばれる小さな商店がいくつかあるぐらい。滞在中はリゾートでのんびり過ごすのがサンタンダー&リロアン流だ。
リゾートはダイビングサービスを併設しているところが多く、日本人が経営しているダイブリゾートも3軒あるので、初めての方も安心だ。食事も日本人向けの味付け、しかも手の込んだものも多く、誰の口にも合うので毎食が楽しみになるはず(昼食は遠征ダイブのときはお弁当になる場合も)。
海に面した海岸線に建てられた《ルビリゾート》。ヤシの木々が連なり、トロピカル
美しい砂洲とラグーンを持つアイランドリゾート
スミロン島Sumilon Island
大物エキサイティングなスポットも
癒し系スポットもある贅沢な海
リロアンやボルホーン(サンタンダーのすぐ北にあるダイビングエリア)、ドゥマゲッティなどからも潜りに来ることのあるスミロン島は、サンゴ礁に囲まれた美しい島。海中もサンゴが群生し、天国のよう。
潮の流れはあるが、バラクーダの群れに会えるスポットもあり、エキサイティングかつ癒しの景観が期待できる。
浅瀬のリーフに点在するサンゴの群落には、メラネシアンアンティアスなどハナダイの仲間が乱舞している
島には贅沢なリゾートが1つ
人気のダイブエリア、スミロン島には《Bluewater Sumilon Island Resort》というリゾートが1軒ある。モルディブのように島が丸ごとリゾートというわけではないが、小さな島の南西側一帯に広がっており、目の前には美しいホワイトビーチとラグーンが広がっている。さらに西側には引き潮になると姿を現す真っ白な砂洲もあって、サンセットタイムにロマンティックなひとときを過ごすこともできる。4タイプの客室のほかに、最近はキャンプスタイルが味わえるテントの客室も(しっかりベッドがある)。日本人スタッフはいないけれど、一味違ったダイビングリゾートライフを味わいたい方にオススメだ。
セブ島の南東に浮かぶスミロン島は、贅沢なリゾートアイランド
ヨーロッパ風の街並みと一日3~4ダイブを満喫
モアルボアルMoalboal
イワシの大群とマクロ生物ライフを堪能
セブ島西海岸の中ほどに1970年代、マクタン島の喧騒を逃れてヨーロッパ人たちが開発したモアルボアル。海岸線に小さなホテル、ダイビングサービス、レストランが次々とオープンし、素敵なダイビングタウンとなっている。
モアルボアルのダイビングスポットの一番人気はボートで約20分のペスカドール島周辺。ダイナミックなドロップオフに潮が当たり、魚影が濃い上、「カテドラル」と呼ばれる神秘的なケーブで地形も楽しめる。浅瀬のサンゴ礁も抜群にキレイで、午前中2ダイブを楽しむスタイルが定着している。
が、最近はイワシの超大群がモアルボアルの海岸線に集まってくることが多く、このイワシの大群に大型回遊魚、ときにはニタリが捕食しにやってくることもあるとあって、モアルボアル側のダイビングスポットも人気上昇中だ。こちらはハゼ、ニシキテグリといったマクロ派垂涎の生物も多く、朝から晩までじっくりフィッシュウオッチングや水中撮影が楽しめる。
群れそのものが生き物のような形となることも。マンタみたいな形を形成し始めるイワシの大群
今夜はどこに行く? 毎夜楽しみなアフター
有名な大型ホテルはなく、部屋数が多くても50室ぐらいしかない、小さなリゾートが多いモアルボアル。太陽と海に映えるカラーリングのこじゃれたリゾートも多く、気分もアップすること間違いなし。
うれしいのは美味しいレストランやカフェ、バーの多さ。フィリピン料理はもちろん、イタリアン、メキシカンなどの専門店からインターナショナルな料理が楽しめるお店も少なくない。ダイビングサービスのスタッフにオススメ店を聞いて、行ってみるといいだろう。
美しいサンセットが見られることで人気の《Little Corner Restaurant》は夕暮れどきにカップルでにぎわう。シーフード料理やパンケーキも美味しいと評判
マニラから車で行けるダイビング天国
アニラオAnilao
生態写真がじっくり撮れる海
首都マニラもあるフィリピン最大の島、ルソン島にあり、マニラ国際空港から車で2~3時間で行けるアニラオは、バラヤン湾とバタンガス湾に挟まれた半島状の地。最初は西海岸にダイブリゾートが建てられていたが、その海のおもしろさに目をつけたダイビング業者が次々とダイブリゾートをオープンさせており、今や東海岸側に向けてリゾートが増え続けているという。
ダイビングスポットは半島沿岸と沖に浮かぶソンブレロ島やマリカバン島周辺に何十カ所も開拓されていて、バンカーボートで数分~1時間のスポットを潜ることになる。
以前はあったギンガメアジの大群がいるスポットには今、ギンガメアジがいなくなってしまったため、大物スポットと呼べるところは今のところないけれど、サンゴ礁、ドロップオフ、泥砂地、黒砂地、ガレ場など、海底景観のバリエーションが豊富で、それに応じたバリエーション豊富な生物が生息しているのが特長。水深も浅い所が多いので、じっくり魚たちの生態写真を撮りたい人には最高のエリアといえる。
いろ~んなウミウシが生息しているアニラオはウミウシ好きにはたまらない。ヒブサミノウミウシもいる
ダイバーの夢が詰まったリゾートが点在
アニラオの半島にはビーチがわりと少なく、急な斜面に建てられたダイブリゾートが非常に多い。でも、そんな不利な地形をものともせず、たくさんのダイバーが理想を求めてダイビングサービス併設のリゾートホテルを建築しているのがアニラオの特長だ。新しいホテルも多く、客室に案内されてインテリアのあまりのかわいらしさ、景観の良さなどにテンションMAXになる人も多いはずだ。
アニラオではアフターダイブでどこかに出かけるということはほとんどなく、滞在するリゾートが全世界。おいしい食事と、ダイビング好きな仲間との会話を楽しもう。
斜面を生かして建てられたリゾートが多い。写真は黄色いコテージが目印の《BUCEO Anilao Beach & Dive Resort》。目の前のビーチからダイビングに出かける。しかも目の前はマクロ天国「シークレットガーデン」
ジュゴンもすむ穴場
カラミアン諸島(ブスアンガ)Calamian Islands (Busuanga Is.)
スル海に面した、いろいろな顔を持つ海
マニラから南南西へ飛行機で約1時間、カラミアン諸島最大の島、ブスアンガ島のブスアンガ空港に到着する。南にコロン島、クリオン島、北東にカラウィット島(キリンなどがすむリゾート《クラブパラダイス》がある)などがあり、カラウィット島周辺には“海のマーメイド”ジュゴンも生息。また、コロン島は第二次大戦中に沈んだ日本の船も12隻沈んでおり、欧米のレックダイバーにも人気だ。
沈船はブスアンガ島の南、コロン島やクリオン島との間に多く沈んでいるのだが、島の北側にも「キョクザンマル」が鎮座している。70年以上の時を重ね、たくさんの腔腸類が付着
日本からのダイビングツアーもある
日本ではほとんど知られていない地名ではあるが、欧米人ダイバーに人気とあって、各島にダイブリゾートがある。
オススメなのは、ジュゴンが狙える《El Rio y Mar Resort》(エル・リオ・イ・マール・リゾート)や《Club Paradise Palawan》といったブスアンガ島北部のリゾート。日本からのダイビングツアーもあるのでチェックしてみよう。
ブスアンガ島の北に位置する《El Rio y Mar Resort》の桟橋。この先の海中にはギンガメアジの群れなど驚きの魚影が!
期間限定で潜れる世界自然遺産の海
トゥバタハリーフTubbataha Reefs
サンゴと魚の秘密の薗
フィリピンの島々に囲まれてはいるものの、非常に広大なエリアに広がるスル海(スールー海とも)。そのほぼド真ん中に位置するトゥバタハリーフは、1993年にユネスコの世界自然遺産に登録されたサンゴ礁が隆起、沈降を繰り返してできた環礁(アトール)島。リング状に連なるサンゴ礁が南北に2つあり、ノースアトール(またはノースリーフ)、サウスアトール(サウスリーフ)と呼び分けられている。
どちらのアトールも外側はストンと落ちるドロップオフ。スポットによってはなだらかなスロープもあるが、基本的には垂直に近く、潮が当たる所では魚影も非常に多い。
周囲の海況が風の影響を受けやすいため、毎年3月中旬頃から6月頃までしかアクセスできないためか、一年の半分以上、ダイバーが入らないこともあって海中は手つかずそのもの。美しいサンゴ礁が広がっているエリアもあれば、台風で大きなテーブルサンゴがひっくり返ってしまったままの場所などもあり、とにかくワイルドだ。
ノースアトール北の「エアポートシャーク」でマンタとの遭遇率が高いほか、あちこちでハンマーヘッドシャークが目撃されている(水深30m付近と深いのだが)。また、たまにジンベエザメやタイガーシャークといった超ド級の大物も出現。ギンガメアジやバラクーダの群れ、イソマグロも常連だ。
サンゴ礁が広がる癒しの海にギンガメアジやバラクーダの大群が渦巻く中層。両極端な景観が一挙に楽しめるのもトゥバタハリーフの魅力だろう
アクセスできるのはダイブクルーズのみ
最も近い陸地の港がパラワン島の中央にあるプエルト・プリンセサ。ここから行きは片道約10時間をかけてトゥバタハリーフへ。日帰りではとても行けない、はるかかなたの夢のリーフだ。
ノースアトールの環礁内にバードアイランド、南側にレンジャーステーションが立つ砂洲、サウスアトールに灯台のある島があるぐらいで、ほかに島はなく、ターコイズブルーのラグーンと外洋の深い藍色の海が続くだけ。日常世界から完全に離れられるクルーズライフは、いつも頑張っている自分へのご褒美になるに違いない。
ラグーンの向こう側に見える建物はレンジャーステーション。引き潮になると長い砂洲が現れるサンドバンクにあり、トゥバタハリーフでしか買えないTシャツが販売されている。この海を守るための寄付金も募集中だ
もっと楽しいフィリピン! 詳細情報は……
フィリピン政府観光省 東京支局
TEL:03-5562-1583
HP :http://www.premium-philippines.com