
「マリンダイビング」2019年9月号
ダイビングの感動を丸ごと撮影して、後からくるくる回して観たり、VRで楽しんだり、いろいろな楽しみ方ができる水中360°カメラ。さらにアプリやソフトを使えば、後からアングルや画角を変えた通常の2D動画に編集して、SNSに投稿するなど、多くの人に観てもらうことができる。
(協力/リコーイメージング株式会社)
自分の上下左右、360°すべてをワンショットで撮影できる360°カメラ。ひと昔前はプロカメラマンしか撮影できなかった360°映像だが、手軽に撮れる機材が登場し、誰でも気軽に楽しめるようになった。中でもリコーの360°カメラTHETA Vには、専用の水中ハウジングケースがあり、セットで使えばダイビング中の撮影も思いのままにできる。
自分を取り巻く水中景観を丸ごと撮影でき、ダイビングの感動をそのまま記録できる。
迫力満点のイソマグロの群れ。自分の視界に入っている部分だけでなく、上下左右360°、ダイビング中は気がつかなかったところにいる群れもすべて記録できる。沖縄・西表島
360°カメラでは静止画も動画も撮れるけれど、水中撮影では断然動画がおすすめ。マンタやジンベエザメのような大物、バラクーダの群れなどとの出会いは、ワンチャンスに賭ける静止画より、動画のほうがいいシーンを丸ごと撮影することができる。
そして撮影した360°動画は、撮影後にアプリを使って、カメラからスマホやタブレットにデータを転送しておけば、画面上でくるくる回して観て楽しめる。さらにVRゴーグルを使えば、頭を上下左右に動かすことで、まるで海の中を潜っているような感覚で360°動画を鑑賞できる。
撮影した動画をアプリ「THETA」に転送すると、指先で画面をくるくる回して360°水中動画を気軽に楽しめる
Movie by Masaaki Harada
VRゴーグルで水中360°動画を観ると、まるで本当に海の中にいるかのように迫力の映像が楽しめる
水中360°動画はそのままアプリやVRゴーグルで観るだけでも楽しめるけれど、編集することでよりおもしろい作品にできる。編集アプリやソフトを使うことで、1本の360°動画から見せ方を変えたアクションカメラ風の2D動画(通常の動画)を何本も作ることができる。
お手軽なのは、スマホ用編集アプリ「THETA+(シータプラス)」や「かんたん360 for RICOH THETA」などを使った編集方法。さらに本格的に撮影者の意図でアングルの切り替えなどを細かく反映することができるのが、パソコン用編集ソフト「PowerDirector 17 Ultra」などを使っての編集方法だ。
パソコンを使っての編集では、画面の切り替えや見せたい場面へのズームイン、ズームアウトなどが滑らかにでき、より撮影者の意図を反映した動画が作れる
ここでは水中360°動画のオリジナル、「PowerDirector 17 Ultra」編集後の動画を紹介。アングルや画角の違いはもちろん、見どころをクローズアップして短めの動画に編集することもできる。それぞれの360°動画が、編集によってどのような2D動画になったかを比較してみよう。
Movie by Junichi Moriwaki
沖縄屈指のダイナミックな海・西表島の“オガン”こと「仲ノ神島」。「東の根」に登場したイソマグロとバラクーダの群れの迫力満点動画。まずはオリジナルをスマホやVRゴーグルで観てみよう!
イソマグロとバラクーダの群れをクローズアップ。目の前で群れが泳いでいるような視点で、動画を編集。
群れの迫力にプラスして、透明度のいい「仲ノ神島」ならではのダイナミックな景観、ダイバーたちの姿も入れた動画に編集。
Movie by Kiyotaka Kitajima(協力:FLOWFISH)
白砂の海底の明るい水中で、2人の女性スノーケラーが左右から泳いでくる様子を撮影。上に下に深度を変えながら自在に泳ぐスノーケラーの姿を、スマホやVRゴーグルで観てみよう。
優雅に水中を泳ぐスノーケラーの姿を、1人ずつクローズアップして編集。
スノーケラーがこちらに向かって泳いでくるように、広い画角・アングルで編集。
Movie by Kan Shiota
房総半島・伊戸には、ドチザメやアカエイがダイバーに超接近してくるダイビングスポット「シャークシティ」があり、人気を集めている。群れに巻かれる感覚を、スマホやVRゴーグルで体験してみよう。
撮影者の頭上を泳ぐサメをメインに、明るい水面を入れたアングルで編集。
視線をぐるっと動かしていくように編集したことで、撮影者がサメの群れに囲まれている状況がよりわかりやすくなった。
Movie by Kazuo Minato
フィリピン・オスロブでは、ジンベエザメが一度に何頭も泳いでくるシーンに遭遇できる。頭上や、ダイバーの左右を泳ぎ回るジンベエザメの迫力満点の360°動画を、まずはスマホやVRゴーグルで鑑賞してみよう。
頭上を泳ぐ何頭ものジンベエザメを、ダイバーが見上げている視線で編集。明るい水面にシルエットのように浮かび上がるジンベエザメの姿が幻想的。
水面方向のジンベエザメのシルエット、そして目の前を泳ぐジンベエザメの後ろ姿や横を泳ぐ姿など、さまざまなアングルの動画を織り交ぜてみた。
今回の作例撮影に使用されたのは、4K動画が撮れる360°カメラ「RICOH THETA V」と「水中ハウジングケース TW-1」のセット。音声も記録できるので、ダイビング中のレギュレーターでの呼吸音などもリアルに残せる。
コンパクト&スリム、かつ高品質な360°画像の撮影と、使いやすさが両立した360°カメラで、「THETA(シータ)」のアドバンスドモデル。リコーのTHETAシリーズは一般ユーザー向け360°カメラの草分けで、動作が安定していて信頼できる。シャッターを押すだけで360°静止画撮影はもちろん、360°の4K動画撮影にも対応。幅45.2mm・高さ130.6mm・奥行き22.9mm(レンズ部を除くと17.9mm)、質量/約121g
水中での360°撮影を実現する水深30㍍までの防水性能(IPX8、JIS保護等級8級相当)を備えた水中ハウジング。THETA Vの他にTHETA SCや製造終了モデルTHETA Sにも対応している。電源ON/OFF、静止画/動画の撮影モード切り替え、レリーズボタンの操作をケースに入れたまま行なえる。三脚座を備えているので、さまざまなカメラアクセサリーに取り付け可能。
対応機種:RICOH THETA V, S, SC
最新の動画をはじめ、各地の海で撮影されたVR動画のまとめページを公開中! 大物、魚群、地形、サンゴ礁etc……。迫力のVR動画で、いろんな海を楽しめる!! ぜひ見て、楽しんで!!
『マリンダイビング』9月号付録
「360°水中動画 パーフェクトガイド」
も
ぜひ併せてご覧ください!