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水中写真家・清水淳のビギナーズ水中撮影テクニック 第7回
清水流マクロ撮影術のワザを披露
前回は小さな被写体を狙った水中撮影に向いているTG-6の「水中マクロモード」の大枠を解説しましたが、今回は清水流マクロ撮影術の本筋を解説しようと思います。
マクロ撮影はLEDライトを使用
TG-6にRG-Blue System02 PREMIUMをセット
私の場合、TGはもちろん、ミラーレスでの作品創作でも、マクロ撮影はほぼRGBlueの撮影用LEDライトを使用しています。
作品「ブルーバックにピカチュウウミウシ」
撮影モード:水中マクロモード
焦点距離:100mm(35mm換算)
露出補正:-1.0EV
フラッシュ:OFF
ホワイトバランス:水中ホワイトバランス標準
仕上がり:水中
シャッター速度:1/400
絞り値:F4.9
ISO:640
LEDライト:Weefine Ring Light1000
ブラケット:MPBK-03
拡大鏡:UMG-01
レンズホルダー:MPLH52
撮影地:沖縄/崎本部
ライトでのマクロ撮影はシャッターを押す前に出来上がりをモニターで見ることができるので、失敗がほとんどありません。接近して撮影するマクロ撮影であれば、ライトの光量ボリュームを最大にしなくても十分撮影が可能です。
撮影した画像を再生してINFOボタンを押してISO感度が上がりすぎないようにLEDライトのボリュームをコントロールします。TG-6の場合、ISO640くらいまでに抑えると高感度によるノイズが目立たなくなります。ライトを強くしても暗い画像にしかならないトラブルは、内蔵フラッシュをOFFになっているかチェックします。
左手の極意
マクロ撮影の極意=左手を使う
カメラを片手でホールドするのではなく、左手を三脚代わりに使います。いつでも左手の上に置いて撮る! ほとんどのビギナーは右手でカメラを持ち、左手は体を支えるためにどこかに掴まっているようですが、撮影のために左手を使うようなスキルを身につけましょう
小さな被写体にギリギリまで近づいて撮影するとピントの合う被写界深度はどんどん狭くなります。片手撮影ではピント合わせは難しくなるのです。左手を必ず使うテクニックを身につけましょう。左手で岩を掴み、その上にカメラを置く。これが接近戦マクロ撮影の極意です。
工夫していけば、垂直の壁に着いている被写体やオーバーハングしている天井に潜む被写体へも左手の極意が使えるようになります。
ライト撮影ならフラッシュを発光禁止
内蔵フラッシュをOFFにします(発光禁止にセット)
TG-6は十字キーの右ボタンでフラッシュのコントロールへ直接入れます。内蔵フラッシュ撮影なら発光(一番左)、ライト撮影なら発光禁止(左から2番目)、純正外部フラッシュUFL-3での撮影ならRC(一番右)にセットします。
水中撮影に向いている水中ライトは?
RGBlue System 02TWIN LIGHT PREMIUM
清水はこのタイプを使っています。補助光は左右に同じものを2灯が原則。小さなLEDライトを自由度の高いアームで展開するプロ使用です。
WeeFine Ring Light1000
リングライトなら失敗がほとんどありません。ライトの方向を調整する必要がなく均一なライティングが得られるからです。しかも比較的、安価でお勧めなんです。
リングライトは取り外しもラクです
RGBlue System01PREMIUM
RGBlue System 01PREMIUMは、大光量で発色の良さが魅力。最小光量であれば持続可能時間1000分という大容量バッテリー。
マクロシステムは写真のように1灯で十分ですが、清水はワイドシステムではこれを2灯で使用しています。1灯をカメラ上部に付けている方も多いですが、ワイド撮影の場合はできれば2灯で展開したいものです。
通常のLED水中ライト
撮影用にチューニングされたライトを使わないと照射される光の色温度が合わないため、残念な結果になることが多いです。
清水淳先生のマクロ撮影の極意、ワザはいかがでしたか? ぜひ参考にして、いろいろな生き物のマクロ撮影を楽しんでくださいね!
次回もお楽しみに!
清水淳さんのフォトレクチャー付き
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「感動の一瞬はこうして生まれた……水中写真家 作品探訪」連載
清水 淳さんインタビュー記事も併せてご覧ください。
清水 淳(しみず じゅん)
PROFILE
1964年生まれ。
水中写真や海辺の風景を撮り続けている。執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。
また、カメラメーカーの研究開発にも携わり、水中撮影モードや水中ホワイトバランスの開発アドバイザーも務める。1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングテストを行なっている。
カメラ機材に精通し、機材の特性を生かす能力が評価され、水中撮影アクセサリーメーカーのアドバイザーやテスト撮影の要望も多い。
執筆活動では、水中撮影機材の解説や撮影の仕方、楽しみ方の記事をPADI Japan/デジカメ上達クリニック、OMDS/水中デジタルカメラ・インプレッション、マリンダイビングWeb/水中デジカメ撮影教室、オーシャナ/カメラレビューを現在連載中。最近では、「清水淳のマンツーマン水中写真教室」が好評いただき熱意あふれるフォトグラファーたちと一緒に撮影をしている。
公益社団法人日本写真家協会会員。
▶清水淳オフィシャルサイト