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【連載】デジタル一眼を始めよう!
~基本と水中写真の楽しみ方~
第4回 水中撮影に必要な機材とアクセサリー

デジタル一眼、始めよう!

前回は、「今から水中でミラーレス一眼カメラを使いたい!」という人にピッタリなカメラとして、OM SYSTEMの<OM-1/ OM-1 Mark II>をご紹介しました。
「カメラとレンズを入手!」その後は…? 水中で写真を撮るためにはどんなものが必要? いざ海へ行って「あっ!足りない!」と気づくのはとっても残念。今回は、カメラを水中で使う時に必要な機材やアクセサリーをご紹介します。ミラーレス一眼カメラで、素敵な水中写真を撮りましょう!

※2025年1月の情報です。

ミラーレス一眼カメラで水中写真を撮る時に必要なものは?

柔らかい描写が美しい。OM SYSTEM OM-1で撮影。(写真/茂野優太)

柔らかい描写が美しい。OM SYSTEM OM-1で撮影。(写真/茂野優太)

繊細で綺麗な写真が撮れるミラーレス一眼カメラ。コンパクトデジカメやアクションカメラからステップアップすると、ダイビングや写真撮影の楽しみがさらに広がります。
「水中でミラーレス一眼カメラを使おう!」とカメラやレンズを決めたら、次は撮影機材を水中に入れるためのアイテムを揃えます。とはいえ、「何が必要なのかがよくわからない…。」「このアイテムは何のために必要なの?」という声もよく聞きます。水中写真撮影にマストな基本のアイテムから、ストロボ(フラッシュ)やライトなどを使う時に必要なアクセサリーまで、順を追ってご紹介します!

一眼カメラで水中写真を撮る時に必要なものは?

基本のアイテム

<水中ハウジング>
カメラを水中で使用する時の必需品です。ハウジングに入れることで、水深約45〜100m(製品によって異なります)までの深さでも写真を撮ることができるようになります。
小型軽量が魅力なポリカーボネート製のハウジング(AOI社)や、より堅牢な耐腐食アルミ合金を使用したハウジング(Nauticam社)など、使用する環境やニーズに合わせて選ぶこと安心です!
また、水没防止のためにハウジング内部を陰圧にする「バキュームバルブ」が付いているものや、ハウジング内に水が入ってきた時に反応する「リークセンサー/ウエットセンサー」が付いているものもあります。AOI社製のOM SYSTEM OM-1/OM SYSTEM OM-1 Mark II用のハウジング、「UH OM-1」はいずれも標準で装備されているので安心です!

小型軽量が魅力のAOI社製ハウジング「UH OM-1 II」

小型軽量が魅力のAOI社製ハウジング「UH OM-1 II」

耐腐食アルミ合金使用のNauticam社製ハウジング「NA OM1」。水深100mまで使用可能

耐腐食アルミ合金使用のNauticam社製ハウジング「NA OM1」。水深100mまで使用可能

<ポート>
レンズ部分をカバーするものです。ミラーレス一眼カメラはレンズを交換することで「マクロ撮影」と「ワイド撮影」が行え、ハウジングに入れる場合は使用するレンズに合わせてこのポートを付け替えます。組み合わせのパターンが複数あるので、機材メーカーやお店、詳しい人に相談して購入するのがおすすめです。

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro用のポート、AOI社製「FLP-02P PENマウントフラットポート」

M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro用のポート、AOI社製「FLP-02P PENマウントフラットポート」

M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO用のポート、AOI社製「DLP-05 PENマウントガラスドームポート」

M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO用のポート、AOI社製「DLP-05 PENマウントガラスドームポート」

<シリカゲル>
水中ハウジング内の湿気を取り、海中での結露を防ぐためのものです。湿度の高い部屋でセッティングをして、冷たい海に入れるとポートのガラス面が真っ白に…なんてことも。樹脂製のハウジングの必須アイテムです。

<ハンドグリップ/トレー>
ハウジングにストラップを付けてそのまま持つこともできますが、グリップをつけることで安定感が増し、ブレを防ぐことができます。特に、ストロボ(フラッシュ)やライト、アクションカメラを併せて使いたい人にはマストです。コンパクトデジカメなど、既に使っているハンドグリップやトレーがある人は適合表をチェックしてみてくださいね。

グリップが可動式のものを選べば、手のサイズに合わせてカスタマイズできます。AOI社製「HT-01ハンドグリップトレー」

グリップが可動式のものを選べば、手のサイズに合わせてカスタマイズできます。AOI社製「HT-01ハンドグリップトレー」

<ランヤード>
大切なカメラ&ハウジングを落としてしまうと大変! 陸上でのハウジングの持ち運びやEN/EX時の受け渡しの際にはランヤードがあるとスムーズです。一眼カメラはコンパクトデジカメよりも重量があるので、機材メーカーのものを選ぶが、ハンドメイドを購入する時は耐荷重の確認をすると安心。シンプルなものからカラフルなものまで、種類もたくさんあるので、お気に入りを探してみてくださいね。

ホワイト×ブルーが可愛いAOI社製「HLY-S01 ハウジングランヤードS01」の「むらいさちモデル」

ホワイト×ブルーが可愛いAOI社製「HLY-S01 ハウジングランヤードS01」の「むらいさちモデル」

<メンテナンスアイテム>
ハウジング購入時に付いてくるグリスに加え、細かい埃や水滴を取る綿棒やブロワーがあると便利です。グリスはメーカーによって成分が異なるので、純正のものを使うようにしましょう。

AOI社製のシリコングリス「SIGR-05」は、同社製ハウジングとストロボで共用できます

AOI社製のシリコングリス「SIGR-05」は、同社製ハウジングとストロボで共用できます

ブロワー。小型のものでも良いので、携帯すると便利。

ブロワー。小型のものでも良いので、携帯すると便利。

<ボタン電池>
ハウジングによっては、リークセンサーなどを作動させるためにボタン電池は必要なものがあります。コンビニや遠征先では手に入りづらいものもあるので、予備を持ち歩くと安心です。

ストロボ(フラッシュ)を使う場合

TGシリーズなど、コンパクトデジカメには内蔵ストロボ(フラッシュ)が付いているものもありますが、本ページで取り上げているOM SYSTEM OM-1 Mark IIなどには内蔵されていません。カラフルな写真を撮りたい時は、水中用のストロボ(フラッシュ)を使って色を出すのがおすすめです。

<ストロボ本体>

小型軽量でデザインも可愛いAOI社製の「AOI-UCS-Q1-RC-WHT」

小型軽量でデザインも可愛いAOI社製の「AOI-UCS-Q1-RC-WHT」

水中は青被りした世界。水中ストロボ(フラッシュ)を使って光を当てることで生き物や景観の本来の色を出すことができます。ソフトコーラルやカラフルな生物を撮る時は、ストロボを使うと理想の仕上がりに!また、動きの速い生き物を撮る時に、水中ストロボ(フラッシュ)の光を当てることで被写体のブレを無くすことができます!ワイド撮影は2灯使うと光が綺麗に回ります。

<電池>
ストロボ(フラッシュ)には電池が必須。エネループなどの充電式電池は繰り返し使えるのでおすすめ。その際には充電器も忘れずに。

<ストロボ用コード(フラッシュ)>
無線で発光できるものもありますが、多くのストロボ(フラッシュ)はハウジングと有線ケーブルで接続し、カメラの光や電気信号を感知して発光します。コード忘れはもちろん要注意、断線などのトラブルに備えて予備で1本用意しておくと安心です!

<アーム>
ストロボ(フラッシュ)やライトを使う時に、アームで固定します。ワイドの時は長め、マクロの時は短めのものがおすすめです。環境や撮りたい写真によってはアームを2本組み合わせることも。

カーボン製のアームは、堅牢で軽量なので飛行機移動が多い人にピッタリ! 写真はAOI社製の「AMC1-BB-SLR カーボンアーム01」

カーボン製のアームは、堅牢で軽量なので飛行機移動が多い人にピッタリ! 写真はAOI社製の「AMC1-BB-SLR カーボンアーム01」

<クランプ>
アームを複数本繋いだり、ストロボ(フラッシュ)やライトとアームを繋いだりする時に使います。

使用後は真水で洗って塩噛みや固着を防ぎましょう!(AOI・AOI-CP-02-BLK))

使用後は真水で洗って塩噛みや固着を防ぎましょう!(AOI・AOI-CP-02-BLK)

ライトを使う場合

作品作りはもちろんカメラのピント合わせ用に、ライトを使いたい!という人は多いと思います。ライトを手で持つこともできますが、カメラやアームに固定すると撮影しやすくなります!

<ライト本体>

ライト本体

作品作りにより適したものや生物観察に向いた赤色光に切り替えができるもの、1%単位で光量の調節ができるものなど、ライトにも種類がたくさん。使いたいシチュエーションに合った機能、サイズで選びましょう!

<ホットシューベース>
ハウジングの上部にあるホットシューと呼ばれる部分にライトを直接付ける場合は、「ホットシューベース」を使います。希望するライトの可動範囲に応じてアイテムを選びます。

ライトの可動域は上下のみですが、クランプ不要な手軽さが魅力。写真はAOI社製の「CXM-YSM-01-BLK」

ライトの可動域は上下のみですが、クランプ不要な手軽さが魅力。写真はAOI社製の「CXM-YSM-01-BLK」

トップの部分はボールマウントタイプ。ライトとクランプで接続し、上下左右に動かすことが可能です。写真はAOI社製の「CXM-BM-02 ホットシューベース ボールマウント]

トップの部分はボールマウントタイプ。ライトとクランプで接続し、上下左右に動かすことが可能です。写真はAOI社製の「CXM-BM-02 ホットシューベース ボールマウント]

<ボールマウントベース>
クランプを介してアームやグリップ、ハウジングなどに繋ぎたい時に使います。ネジで固定するので、ホットシューベースタイプのものよりも安定します。

グリップやハウジング側に固定するアクセサリー。写真はAOI社製の「BM-02-BLK」

グリップやハウジング側に固定するアクセサリー。写真はAOI社製の「BM-02-BLK」

水中ライト側に付けるアクセサリー。写真はAOI社製の「AMP-BY-3 ボール/YSアダプター」

水中ライト側に付けるアクセサリー。写真はAOI社製の「AMP-BY-3 ボール/YSアダプター」

その他おすすめアクセサリー

必須ではないけど、あると便利!というアクセサリーをご紹介します。

<マグニファイヤー>
背面液晶をを2.3倍に拡大。黒いフードが不要な光を遮ってくれるので、逆光でもモニターが見やすくなります!

AOI社製のハウジング「UH-OM1」に対応したマグニファイヤー「UMG-01」

AOI社製のハウジング「UH-OM1」に対応したマグニファイヤー「UMG-01」

装着イメージ

装着イメージ

<ビューファインダー/ビューワー>
ハウジング越しにカメラのファインダーを覗いて撮ることもできますが、ビューファインダー(ビューワー)を使用すると見やすくなります。また、斜め上から覗くタイプのものは、マクロなどのローアングル撮影に特におすすめです!ハウジングメーカーやハウジングのタイプに合わせて選びましょう。

砂地のハゼ撮影には特にお勧め! AOI社製「UMG-05 LCD 90°ビューアー」

砂地のハゼ撮影には特にお勧め! AOI社製「UMG-05 LCD 90°ビューアー」

まとめ

カラフルな海をしっかりと再現します。OM SYSTEM OM-1で撮影。(写真/茂野優太)

カラフルな海をしっかりと再現します。OM SYSTEM OM-1で撮影。(写真/茂野優太)

カメラとレンズを揃えた後も準備するものがたくさん! コンデジやアクションカメラからステップアップする際は、流用アイテムもあるのでメーカーのHPを確認したり、詳しい人に尋ねたりすると安心です。一度に全て揃えるのは大変!という人は、「まずはマクロだけ/ワイドだけミラーレス一眼カメラで!」など徐々に取り入れていくのもおすすめです。
必要な機材は増えますが、ミラーレス一眼カメラを使うとダイビングも写真も、さらに楽しくなること間違いなしです!

OMデジタルソリューションズ株式会社

株式会社フィッシュアイ

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写真提供:茂野優太
協力:OMデジタルソリューションズ、株式会社フィッシュアイ
ライター:斉藤利奈

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