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ゼロから始める水中写真~TG-6編
第4回:実際に海で撮る時のチェックポイント(最終回)
解説/水中写真家・清水 淳

実際に海で撮る時のチェックポイント(最終回)

水中写真を上手に撮らせてくれるコンパクトデジタルカメラとして超人気のカメラ「TG-6」。ビギナーのフォト派ダイバーに向けて、TGシリーズの開発にも着手してきた水中写真家・清水 淳先生より手取り足取りのアドバイスを聞く4回集中連載の最終回。今回は実際に海に潜って撮る時のチェックポイントを伝授します!

写真・文/水中写真家 清水 淳

前回までは撮影の行く前までの基礎知識やメンテナンス、撮影モードについて解説してきました。
今回は、実際にダイビングにカメラ持って出かけることを想定してお話しします。

出発準備

カメラとハウジング(防水プロテクター)、そのほかにも持っていくものがあります

カメラとハウジング(防水プロテクター)、そのほかにも持っていくものがあります

出発前にバッテリーはメイン、スペア共に完全に充電しておきます。
Oリングにグリスを塗り、ハウジングへ。湿度の少ない部屋、特に梅雨の間はエアコンの効いた部屋でカメラをハウジングに入れて、シリカゲルもセットして裏蓋を閉めます。念のためハウジング上でカメラの電源が入るかどうか? SDカードも入っていて、実際に撮影して撮影した画像の確認ができるかどうか? チェックしておきます。

私はタッパーのように気密性の高いケースにブロワー、グリス、交換用バッテリー、乾燥剤、SDカード、綿棒を入れています

私はタッパーのように気密性の高いケースにブロワー、グリス、交換用バッテリー、乾燥剤、SDカード、綿棒を入れています

さらに充電ケースや外部ストロボを持参する場合はそのバッテリーも一緒に入れておきます

さらに充電ケースや外部ストロボを持参する場合はそのバッテリーも一緒に入れておきます

カメラの入ったハウジングは、クッション性が良いソフトケースに入れて海に持っていくカバンやスーツケースに収納します。
ダイビング器材と同列に扱わないこと。メッシュバックに入れたり、ダイビングギア用スーツケースに入れることは避けます。
頑丈そうなケースに入っていますが、あくまでもカメラです。パソコンを扱うのと同じレベルで収納運搬に考慮します。

ソフトケースに、カメラを入れたハウジングを収めておきます

ソフトケースに、カメラを入れたハウジングを収めておきます

ソフトケース、付属品は大事に扱いましょう

ソフトケース、付属品は大事に扱いましょう

飛行機搭載の場合には、ハウジングのOリングを外しておきます。
Oリングをつけたままにしておくと、内部が陰圧になりハウジングを開けづらくなります。無理に開けると、開閉バックルが壊れる場合もあります。また、外したOリングを忘れずにお持ちください。

簡単なメンテナンスのグッズや予備バッテリー、予備SDカードは小分けの袋に入れて簡易防水ケースに入れて、ダイビング時にも携行すると良いでしょう。私の場合、運搬時にはそのケースの中に充電器も入れています。

いざエントリー! その前に

エントリーする前に、ハウジングにカメラを入れた状態で水密検査をします

エントリーする前に、ハウジングにカメラを入れた状態で水密検査をします

エントリー前には水槽でハウジングの水密検査を行います。次の手順で3段階に分けてつけるようにするといいです。
1)3秒間つける。
Oリングのつけ忘れでは3秒でもハウジング内に水が入ります。
2)30秒間つける。
Oリングのはみ出しでは30秒でハウジング内に水が入ります。
3)3分間つける。
シリカゲルの挟み込みなどでは3分でハウジングに水が入ります。水分が入った場合には、内部の水分をブロアーで吹き飛ばし、十分に乾燥させてから、再度メンテナンスを行い、再度、水密検査を行います。

水中でチェックすること

エントリー後、水底で落ち着いたらハウジング内に水が入っていないか?チェックしてください。

撮影は、被写体や環境に合わせて水中モードを選び撮影をします。モード選びは前回の連載をご覧ください。

カメラの入ったハウジングは純正ランヤードを使用して右手の手首につけておきます。流出や破損の危険から守ってくれます。
水温やダイブタイムにもよりますが、2ダイブするとバッテリーが無くなることが多いです。
カメラのモニター左上のバッテリーモニターのマークが容量半分になっていたら、次のダイビングのために予備バッテリーに交換したほうが良いです。

ダイビング中はずっとリストランヤードを右腕に通しておきましょう

ダイビング中はずっとリストランヤードを右腕に通しておきましょう

エキジット後はこれをする!

海から上がってきたら、まずハウジングを真水につけます。水槽もシャワーもない環境であれば、小さなボトルに水を入れてそれをかけるようにします。
ホテルや自宅に戻ったら、ぬるま湯につけながら全てのボタンとダイヤルを動かします。
この後メンテナンスとバッテリー交換、データの抽出などの作業を行います。
TG-6にはWiFiで撮影データをスマホにトランスファーする機能がついているので、撮影後の画像ですぐに楽しむことが可能です。

いかがでしたか?
TG-6で水中写真を撮るための基本のきをご紹介してきたこの連載も最終回となりました。
マリンダイビングWebでは清水淳先生に改めて水中撮影がうまくなるためのテクニックを今後もお伺いしていきたいと思っていますので、お楽しみに!

水中写真家であり、水中撮影術のスーパー講師!
清水 淳先生プロフィール

清水 淳

写真家。しみずじゅん。1964年生まれ。水中写真や海辺の風景を撮り続けている。執筆や撮影、研究、テストを行いながら、沖縄・那覇にて水中写真教室《マリーンプロダクト》を主宰。
カメラ機材に精通し、機材の特性を生かす能力が評価され、水中撮影アクセサリーの開発アドバイザーやテスト撮影の要望、撮影に関する原稿執筆も多い。
マンツーマンで水中撮影を一緒に楽しむプライベートレッスンが好評でOM-1の使い方講習の要望が多い。
テクニカルダイビングを利用した新しい撮影ジャンルにも挑戦中。公益社団法人日本写真家協会会員

清水淳の公式ホームページ

清水淳のInstagram

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写真家/清水 淳プロデュース
1泊2日計8ダイブの渡名喜&慶良間フォトクルーズ

「感動の一瞬はこうして生まれた……水中写真家 作品探訪」連載
清水 淳さんインタビュー記事も併せてご覧ください。