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現地の海から2024.08.28

神秘的なシコロサンゴの産卵を観察! 
鹿児島の海の驚異の世界

https://youtu.be/tHG9tI29eHM

日本の各地で5月頃からサンゴの産卵のSNS情報が上がっていますが、鹿児島県の海を潜っているダイバーで、“《新橋BOX》のママ”で多くの方に親しまれている伊藤久海子さんからシコロサンゴの産卵の動画をいただきました(現在、新橋BOXはありません)。
「よく海へご一緒している水中写真家の松本あきこさんに誘われて、シコロサンゴの産卵を狙いに行きました。鹿児島県にある《ダイビングショップSB》の「生態週間」で、8月24~26日なら大丈夫だろうということで、出かけたのです。当日は夜中にピックアップ、まだ夜明け前にスポットに到着し、同じ船にいた水中写真家の中村卓哉さんと尾﨑たまきさんがガイドのメイさんと先にエントリー。シコロサンゴの産卵の兆候が見られたら、メイさん(ダイビングショップSBのガイド、射手園芽さん)がライトを激しく振ってくれるので私たちもエントリーという段取りです。ライトはわりとすぐに振られ、興奮しながらエントリーすると、浅いほうの白化しているサンゴが一斉に放精放卵をしています。種の繁栄を祈るパワーの凄さを実感しました!! サンゴの中で眠っている生物は窒息するぐらいの勢いで上に浮いてきています。寝ぼけた様子で右往左往していました(^^)」
動画からもそのすごさを感じますね。

写真/松田康司(ダイビングショップSB)

写真/松田康司(ダイビングショップSB)

 
《ダイビングショップSB》の松田康司(まつだ こうじ)さんによると、スポットは鹿児島県南さつま市笠沙町にあり、一年に数回、特に8月末の真夜中の暗い海の中で最大規模のシコロサンゴの産卵が確認できるのだそうです。なんと神秘的な景観でしょう。

朝日を浴びる、産卵を終えたシコロサンゴの群落
写真/射手園芽(ダイビングショップSB)

朝日を浴びる、産卵を終えたシコロサンゴの群落
写真/射手園芽(ダイビングショップSB)

 
伊藤さんによると「卓哉さんは120分以上入っていましたよ。私たちは日が昇ってから再びエントリーしたところ、朝日の中でエソが死んでいました(涙)。あまりの放精放卵の量に魚たちは窒息したような状態になったりするそうです。まだサンゴの隙間にはシコロサンゴの精子や卵が残っていましたが、水中は白濁してはいるものの、前がまったく見えない先程とは雲泥の差があり、魚たちも元気に泳いでいました!」
詳細な報告をありがとうございます! 一年に一度の貴重で神秘的なシコロサンゴの産卵は、真夜中のダイビングでキャパシティも小さくハードルは高そうですが、いつかこの目で感動を分かち合いたいですね。

情報提供≫伊藤久海子、ダイビングショップSB
動画提供≫伊藤久海子 写真提供/ダイビングショップSB

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