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熱海の秋冬は沈船&洞窟ダイビング!

熱海

伊豆半島の入り口、首都圏からごく近の熱海といえば、沈船ダイビング! 11月からは期間限定スポット「小曾我洞窟」も開放され、日帰りで沈船と洞窟を一気に味わえる贅沢な海です。透明度が良くなり魚影もまだ濃い熱海の海、潜らないでどうする!?

※2025年11月現在の情報です

都心から1時間で沈船ダイブ!

アクセス抜群な熱海

《ダイビングサービス熱海》前の港

《ダイビングサービス熱海》前の港
写真/後藤ゆかり

首都圏から西に向かい、神奈川県を越え静岡県に入ってすぐにあるのが熱海。車でも渋滞がなければ1時間ちょっとで到着できるし、新幹線こだまでも東京駅から熱海駅まで43~45分と、とにかくアクセスが便利。こんなに近いのに、熱海では日本最大級の沈船ダイビングが楽しめるのだからたまりません! これからの季節は透明度がアップすることが多く、海底に鎮座する沈船がよく見えるうえ、船をオアシスとする大小の魚も多く、魚影の濃さはピカイチ! これは潜らなくちゃもったいないですね♪

全長88mと日本最大級の沈船

「沈船」はとても大きく、その全体を見渡すのは難しいのですが、舳先だけでも十分な大きさ

「沈船」はとても大きく、その全体を見渡すのは難しいのですが、舳先だけでも十分な大きさ
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

スポット名はその名も「沈船」。船は水深30m付近に鎮座しています。全長81m、最大幅18m と日本の沈船ダイビングスポットの中では最大級。1986年に沈んだ「旭16号」という名の砂利運搬船で、トップは水深18mぐらい。船上で泳げばオープンウォーターダイバーでも潜れますが、アドバンス以上のダイバーであれば、存分に楽しめること間違いありません。港からダイビングボートで5分足らずでアクセスできるのもありがたい!

沈船は魚たちのオアシス

沈船には無数の魚が群れを成してすんでいます

沈船には無数の魚が群れを成してすんでいます
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

港の湾の出入り口にあり海水の上げ下げをもろに受ける場所にあるためか、沈船の周辺はオアシスとばかり、魚たちが群れ群れです。昨年の秋にはアジの群れがとても多かったようですが、今年も定番のクロホシイシモチの大群などを狙ってアジなど回遊魚系の姿がよく見られています。船内には体長1m大のモロコ(クエ)も潜んでいます。

色鮮やかさで人気のサクラダイも多数!

沈船の周りには赤くて色鮮やかなサクラダイのオスも多い

沈船の周りには赤くて色鮮やかなサクラダイのオスも多い
写真/マリンフォトライブラリー

「沈船」でぜひ会いたいのが、日本の海の固有種ともいえるサクラダイ。オスだけが群れていることもあり、見ごたえ抜群。以前は珍しかったアカオビハナダイが最近はとても増えていて、温暖化を感じずにはいられないけれど、沈船の周辺を彩るハナダイたちの乱舞はやっぱりフォトジェニックです。

船内には(船の外にも)体長7~8cmのクロホシイシモチが多いのですが、キンメモドキやイシモチも。イシモチの仲間といえば口内保育をすることで知られますが、初夏に産卵、ハッチアウトして夏の終わり頃から12月頃にかけて群れが大きくなります。冬季には減るものの、まったくいなくなることはありませんのでご安心を。また、彼らを狙ってハタの仲間も潜んでいますし、回遊魚も回ってきます。
船の周りにはタカベやイナダも群体で回ってきてにぎやかです。

鮮やかなソフトコーラルもモリモリ!

船体にはびっしりソフトコーラルが。光を当てるとその鮮やかさにびっくり! ミノカサゴもフォトジェニック

船体にはびっしりソフトコーラルが。光を当てるとその鮮やかさにびっくり! ミノカサゴもフォトジェニック
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

「沈船」は水中フォト派にも大人気。なぜって被写体の宝庫だからです。魚影も絵になりますが、何といっても船体に付着したイソバナやヤギ類などソフトコーラルの色鮮やかさは魚がたとえいなくても絵になります。「特に船体後ろの船壁はフォトジェニックです♪」と熱海に潜って28年の大ベテラン、《ダイビングサービス熱海》のチーフガイド、豊嶋康志さん。さらにハナダイの仲間が群れていたら“映え”間違いなし!

熱海で潜るなら《ダイビングサービス熱海》へ!

沈船に近い「ビタガ根」にも足を延ばしたい

ポンタもやってきた!

撮影/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

熱海の海でも南の島から流れてきた季節来遊魚によく会えます。10月に2回、現れたのはポンタという愛称でおなじみのサザナミフグ。今はどこかに行ってしまったようですが、もしかしたらまた会えるかもしれません。
10月に登場したのは「ビタガ根」というボートスポット。「沈船」のすぐ南に位置していて、潮の流れ次第、もしくはエア持ちのいいダイバーであれば、1ダイブで潜ることも! 越冬しているミツボシクロスズメダイやクマノミもいて、トロピカルさも味わえます。

アオウミガメも常連!?

岩陰に挟まってひと休みしているアオウミガメ

岩陰に挟まってひと休みしているアオウミガメ
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

季節来遊魚とともに、ここのところ熱海を潜るダイバーを虜にしているのがアオウミガメです。これも「ビタガ根」にもはやすみ着いているようで、かなり高い確率で遭遇できます。甲長は60cmぐらいとまだこぶりですが、ダイバーにもちょっと慣れてきたのか、近づいてもほとんど逃げません。温かく見守っていきましょう!

期間限定「小曾我洞窟」が11月オープン!

初心者でも洞窟ダイビングができます!

撮影/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

岩の色が違って地質的にもおもしろい「小曾我洞窟」。えぐれて黒く見えるところにトンネルがあります

岩の色が違って地質的にもおもしろい「小曾我洞窟」。えぐれて黒く見えるところにトンネルがあります
写真/マリンフォトライブラリー

毎年11月1日にオープンとなる期間限定スポット「小曾我洞窟」。2025年も既にオープンしています。陸でも見えるトンネルが入り口で水深は約13m、長さ約30mの洞窟内は最大水深10mぐらいなので、初心者でも体験できるのが魅力です。出入り口付近はびっしりと魚も群れていて、魚をかき分けて入っていくこともしばしば。洞窟内にも魚たちがいて、魚にまみれて泳ぐ体験ができます。水中ライト必携!

「小曾我洞窟」は2本目に潜ることが多い

「小曾我洞窟」は、例年4月30日まで潜ることが可能ですが、時々GW中開放されていることも。
「秋は、洞窟内もクロホシイシモチなどが群れ群れで、にぎやかな雰囲気です。水面付近にキビナゴがびっしりいることもあります。昨年はアジの仲間がめちゃくちゃ群れていましたが、今年も期待できそうです。でも、年が明けると不思議なことに急に魚たちがいなくなるケースが多い。その分、透明度のいい、青くて幻想的な洞窟を楽しんでいただけます。春先もまだ透明度は高いことが多いので、春の連休に潜りにいらっしゃるお客様も多いですよ」と、豊嶋さんは言います。
「『小曾我洞窟』は港からボートで10分足らず南へ行った、曾我浦大橋の下にあります。水深が浅いので、たいてい「沈船」やほかのスポットを潜ってから2本目に潜るスタイルになります。水深が浅い分、潜水時間もやや長くなります」と説明してくれました。

熱海で潜るなら《ダイビングサービス熱海》へ!

冬はウミウシも増えてきます♪

ウミウシの大好物が豊富な海

小さなフジイロウミウシ

小さなフジイロウミウシ

凹凸がユニークなミアミラウミウシ

凹凸がユニークなミアミラウミウシ

橙色の触角、二次鰓が鮮やかなクロスジウミウシ

橙色の触角、二次鰓が鮮やかなクロスジウミウシ

黒い縁取りが目印、キイロウミウシ

黒い縁取りが目印、キイロウミウシ
写真4点とも/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

水温が下がってくると、「沈船」や「ビタガ根」のほかあちこちのダイビングスポットでよく見かけられるのがウミウシの仲間たち。人気ボートスポットのひとつ「ソーダイ根」でもいろいろ期待ができます。
海藻、カイメンが多い熱海の海は、これらを主食とするウミウシが増えるのも当然といえば当然。ワイドに楽しむダイバーが多いけれど、探せばたくさん見つかりそうですね♪

冬も開催! 熱海海上花火大会

《ダイビングサービス熱海》では花火ツアーを開催。海上で間近で花火を見ることもできます

《ダイビングサービス熱海》では花火ツアーを開催。海上で間近で花火を見ることもできます
写真/豊嶋康志(ダイビングサービス熱海)

熱海は日本を代表する人気観光地。海上花火大会が有名で、年間を通してほぼ毎月開催されています。2025年度は12月7日(日)、19日(金)と冬も行われる予定です。追加開催もあるので、情報は要チェックです。
一般的に観賞するのは陸からとなりますが、《ダイビングサービス熱海》では花火大会開催日に花火船を出してくれるので、より間近で見ることができます。ぜひお問い合わせを!

「沈船」「小曾我洞窟」もおまかせ!

ダイビングサービス熱海

〒413-0022 静岡県熱海市和田浜南9-24
TEL:0557-82-7285
FAX:0557-81-1603
E-mail: diving@atami.biz

熱海歴28年と超ベテランのガイド、豊嶋康志(とよしま やすし)さん

熱海歴28年と超ベテランのガイド、豊嶋康志(とよしま やすし)さん
写真/後藤ゆかり

熱海の海を潜るなら熱海でのガイド歴28年のベテランガイド、豊嶋さんが率いる《ダイビングサービス熱海》がオススメ! 豊嶋さんはほぼ毎日、「沈船」を潜っているほか、「ソーダイ根」や「ビタガ根」なども頻繁に訪れています。期間中は「小曾我洞窟」もほぼ毎日とか。ブリーフィングやガイディングはサラッとしていますが、リクエストがあればとことん応えてくれますので、予約時に潜りたいスポットや見たいものを伝えておきましょう。
シャワー施設やダイビング施設はショップ前の漁港にあり、器材セッティングも広々、洗い場&干し場も広くて便利です。水面休息時間は屋根付きの場所でのんびり過ごすこともできますし、冬場は大きなストーブを焚いてくれるのであったかホカホカです。

詳しくは≫ダイビングサービス熱海

協力/ダイビングサービス熱海
ライター/後藤ゆかり(MDWデスク)