地形、ウミウシ、大物、海中温泉!
浮島・堂ヶ島ダイビング基本情報
西伊豆の中ほどに位置する浮島(ふとう)・堂ヶ島(どうがしま)。ダイナミックな地形や魚影、マクロ生物などが魅力のエリアです。2021年5月にはユニークな新スポットもオープンでさらにパワーアップ! 地球のエネルギーを感じるダイビングを体感しに行きましょう♪
※2021年4月現在の情報です。
浮島・堂ヶ島ってこんなところ
伊豆半島は、2018年、ユネスコの「世界ジオパーク」に認定されていますが、浮島・堂ヶ島を有する西伊豆もその特徴が如実に現れているエリアです。そのため「伊豆の松島」と称される堂ヶ島では、ダイビングはもちろん、海に浮かぶ洞窟を船で巡る「洞窟めぐり」というアクティビティが人気です。また、浮島はリゾート感あふれる景勝地として有名。ビーチの目の前にある2つの大きな岩が特徴的で、その間に沈む夕日は息をのむほど美しい光景です。西伊豆町は「夕日の町」としても有名なので、アフターダイビングにはぜひ雄大な地形に沈む夕陽を眺めながら温泉などを楽しみたいところです。
堂ヶ島の海に浮かぶ洞窟を船で巡る「洞窟めぐり」が楽しめます。もちろん、地層がしっかり刻まれたこの岩々は水中にも続いています
「天窓洞(てんそうどう)」を上から見るとこんな感じ。波によって長い時間をかけて浸食されてできたもので、天井が丸く抜け落ちて天窓となり、海がのぞけるようになっています
浮島のビーチは夏になると多くの海水浴客でにぎわいます
アクセス
車の場合
東名高速道路なら沼津IC、新東名高速道路なら長泉沼津ICで降りて伊豆縦貫道へ。伊豆縦貫道を抜け国道136号線へ。土肥を通過し、浮島へは浮島トンネルを抜けた先を右折して道なりに進む。堂ヶ島は浮島トンネルを抜けそのまま道なりに進む。
電車の場合
まずは各地から新幹線などで三島駅もしくは熱海駅を目指す。三島駅からは伊豆箱根鉄道駿豆線で修善寺駅へ。修善寺駅からは東海バスに乗車し、「浮島」もしくは「堂ヶ島」で下車。熱海からは伊豆急行線で蓮台寺駅へ向かい、そこから東海バス乗車、「浮島」または「堂ヶ島」で下車。駅からの送迎も利用可能。
なお、東京方面からは「踊り子号」または「スーパービュー踊り子号」だと乗り換えなしで修善寺駅へアクセスできます。
ダイビング基本情報
ダイビングスタイル
浮島・堂ヶ島はボート、ビーチともに楽しむことができます。ボートスポットは堂ヶ島に2021年5月新オープンの「サク根」を含め4カ所。どのスポットも船の移動距離は5分~10分なので船酔いの心配がなく、すべてのスポットに潜降ロープがあるので耳抜きが不安な方やブランクが空いた方でも安心して潜れます。ダイビング終了後は1本1本戻ってくるので、食事は近隣の飲食店などでゆっくりとれます。エントリーはバックロールエントリーが基本です。また、堂ヶ島のボートダイビングの特徴は天然記念物「天窓洞」を下から眺めながら出船できること。ダイビング前からわくわくした気持ちになるはずです。
ビーチスポットは「浮島ビーチ」の1カ所で、ビーチスポットながらダイナミックな地形が広がっています。水深も浅く穏やかなので体験ダイビングなどにも利用されます。ウミウシが多く見られることで有名で、ナイトダイビングも楽しめます。
洞窟の入り口まで船を回してもらえます。ゲストの人数やレベルによって、船で器材セッティングする場合と背負ってから乗り込む場合があります
光が射し込む洞窟を船が進みダイビングに向かいますが、これ自体がアトラクションのよう!
新船仲間入りでもっと快適に! 堂ヶ島
堂ヶ島の現地ダイビングサービス《マリンステーション堂ヶ島》では、2021年6月に新しい船の完成を予定しています! 現在使用しているものよりも大きい26人乗りで、以降は2船体制となるのでレベルやリクエストに応じたチーム分けが可能になります。現在造船中とのことなのでお楽しみに!
海のシーズナリティ
年間を通して魚影は濃く、冬から春はウミウシ、夏から秋にかけては安定した透明度に回遊魚、冬は抜群の透明度!と、四季折々の海を楽しむことができます。
冬場は西寄りの風の影響でクローズになることもありますが、そういったときはお隣の田子に遠征することも。夏から秋にかけては安定して潜れる日が続き、ワイドでもマクロでもオールラウンドで楽しめます。
透明度が上がると地形もより美しく見えるようになります
絶対潜りたい! ダイビングスポット情報
浮島根
●最大水深:26m ●流れ:ときに流れる ●ボート
色鮮やかなハナダイの群れが見もの。ソフトコーラルが華やかさをより引き立てています
なんといってもキンギョハナダイの群れが圧巻。潮通しも良いのでワラサやカンパチなどの回遊魚なども回ってきます。初夏にはマンボウや、時にはハンマーも目撃されるという何が出るかわからないスポットでもあります。また、年々水温の上昇で今まで見られなかった南方系の生物もかなり多く見られるように。ソフトコーラルもきれいなので、群れるハナダイと撮影すると写真映えします。
カマガ根
●最大水深:24m ●流れ:ほとんどない ●ボート
宝石のようなウミウシが至るところに。自分で見つける楽しみも味わえます
水深30mから水面まで立ち上がる周囲200mもの巨大な根が特徴のスポットです。東側には太いクレバスが走り、亀裂や穴も多いので甲殻類がぐっちゃり。沖側には白い砂地、南側には鮮やかなソフトコーラルエリア、西側は夏から秋にかけて回遊魚が楽しめます。さらにウミウシも多く見られるスポットとしても人気です。地形、マクロともに楽しめるスポットです。
アジョウ根
●最大水深:24m ●流れ:ほとんどない ●ボート
砂地に潜むカスザメ。ぱっと見ではわからないのでむやみに着底などしないように気をつけましょう
大きな根や不思議な形の根などが点在し、ごつごつしたダイナミックな地形が楽しめます。大きな岩と岩の間を通り抜けたりと冒険気分になれるので、地形が好きなダイバーにおすすめのスポットです。南に振っていくと砂地エリアがありトビエイやカスザメなども高確率で見られます。流れがほとんどないので、フォト派ダイバーにもおすすめ。
浮島ビーチ
●最大水深:12m ●流れ:ときに流れる ●ビーチ
二人並んで通れるほどのクレバスや、アーチ、トンネルなど地形が楽しめます。クレバスや洞窟を泳ぎながら周りを見るとウミウシなども発見できます
湾に囲まれた静かなビーチで浮島・堂ヶ島では唯一のビーチスポット。湾内中央にはきれいな砂地が広がり、両脇には洞窟やトンネル、アーチなどジオダイブが満喫できるエリアもあり、ビーチスポットながら複雑な地形を持つ岩場となっています。洞窟内外では多くのウミウシが見られるので、ウミウシファンに人気のビーチです。水深が浅く穏やかなので初心者にもおすすめ。
サク根
●最大水深:20m ●流れ:ときに流れる ●ボート
温泉が湧き出ている世にも珍しいダイビングスポット! 火傷するほどではありませんが、手を近づけてみるとしっかり温かさを感じます
2021年5月に新しくオープンし、毎年5月から11月の期間限定スポット。50℃前後の温泉が湧いているユニークなスポットで、水路や縦穴などのダイナミックな地形と相まって地球のエネルギーを感じられます。魚影も濃く、ウミガメやネコザメ、クエなどのレアものやさまざまなウミウシなどどんなダイバーでも満足できます。