
2015年7月号
平沢は伊豆半島西側のつけ根近くに位置。西海岸では希少な白砂のビーチ「らららサンビーチ」と、そこに隣接するエリアがダイビングスポットになっている。国の農林漁村活性化プロジェクトの支援を受け、2014年5月にダイビング施設≪らららダイビングスポット≫が誕生。広々とした敷地内に地中海をイメージしたリゾートムードあふれる建物、海を臨む休憩スペースなどが整備され、とても使いやすいNewスポットとして注目を集めている。駿河湾の右奥に位置するため、年間を通じて海は穏やか。富士山を一望できるロケーションで、気持ちのいいダイビングができる。
富士山がこんなに近くに! 施設から富士山を臨める、絶好のロケーション
東名高速道路・沼津ICを降り、伊豆縦貫道、伊豆中央道を経由し伊豆長岡ICを降りて三津方面へ。県道17号を大瀬崎方面へ道なりに進むと右手にある。駐車場も130台(7~8月除く)完備している
JR沼津駅下車。南口より東海バス08(西浦線 江梨行き)でらららサンビーチ下車。
またはJR三島駅で伊豆箱根鉄道に乗り換え、伊豆長岡駅下車。伊豆箱根バス(三津シーパラダイス行き)三津シーパラダイス下車。東海バス08(西浦線 江梨行き)でらららサンビーチ下車。
平沢でのダイビングをサポートしてくれるのは、≪らららダイビングスポット≫のみ。ただしガイドはいないので、事前に電話もしくはネットで申し込み、現地でタンクを借りバディとセルフで潜るスタイルになる。そのため個人で訪れる場合、利用できるのはアドバンス以上、100ダイブ以上の経験者に限られる。一方でショップでの利用も大歓迎で、こちらは初心者もOK。潜りやすい海なので、OWやステップアップの講習、ツアーに最適だ。レンタル器材も充実している。
■施設利用料2,000円(税抜)
■タンク1本目 2,000円(税抜)
■タンク2本目 1,000円(税抜)
(2015年3月現在)
※ショップの場合、料金は異なるので問い合わせを
タンクはスチール製とアルミ製の両方を用意。ナイトロックスも事前に予約すれば対応可能。相談してみて
平沢の特長のひとつは、潜りやすさ。3カ所のエントリー口からは沖に向かってガイドロープが張られ、セルフでも迷わず見どころを巡れるよう整えられている。さらに、ガイドロープのところどころにA、Bなどマークも設置。自分の位置を把握しやすいばかりか、生物がいる場所の目印になってフォト派にも好評だ。ダイビングルートは平均5〜15mと浅めの設定で最大でも25m。講習を受講中の初心者でも安心して潜れる。
また、西海岸にありながら駿河湾の奥まった場所にあり西風に強いのも特長。めったにクローズせず、年間を通して安定して潜れる。さらにスノーケリングも楽しめるので、ファミリーやダイビングしない友人も誘って訪れるのもおすすめだ。
エントリー口からまっすぐにガイドロープが伸びる。沖の魚礁に行くAルートと浅めを巡るBルートがある
沖のダイビングエリア境界にはA~Kのマークが
中性浮力の練習用に設けられたリング状のゲート。くぐって遊んで
平沢の海は生物相豊かで、四季による移り変わりもおもしろい。冬〜春はウミウシの種類が非常に豊富で、サラサウミウシやカラスキセワタ、ヨコジマキセワタなどが登場。またヤリイカが岸近くの浅瀬で産卵し、ハッチアウトも観察できフォト派を喜ばせた。初夏にかけてはアオリイカが産卵床に訪れ、回遊魚が増えるころにはイワシやキビナゴの群れが回ってくることも。群れに向かってカンパチがアタックする、エキサイティングなシーンも期待できる。そして秋からは、トノサマダイやクマノミなど季節来遊魚も到来。北限域のヒメエダミドリイシのサンゴ群生もあって、トロピカルな雰囲気になる。まだオープンして1年を迎えたばかりの海なので、今後の新しい出会いが楽しみだ。
アオリイカの産卵床が沈められており、5月ごろから期待できる
カラスキセワタガイなど、ウミウシが豊富。浅く撮りやすい海なので、フォト派は1時間も粘ることもある
ウミテングやミスガイ、ヤマドリ、貝に隠れたマダコなど被写体の宝庫
平沢のダイビングエリア内には全国でも特に水質が良好な水浴場に選ばれた「らららサンビーチ」があり、7〜8月の海水浴シーズン以外はダイビングOK。サンゴと貝殻を含んだ白い砂浜のため水中はとても明るく、海況は台風の直撃でも受けない限りとても穏やか。もちろん透明度も良好で、OW講習やブランクダイバーのリフレッシュなどに最適だ。夏の2カ月は、ぜひファミリーで訪れて。ダイブ&キッズとの海水浴を楽しんでほしい。
「らららサンビーチ」の水中。まるで南の島のような淡いブルーの海が広がり、ストレスなくダイビングできる
7〜8月の海水浴シーズンは家族連れでにぎわう。近隣に内浦漁業直営の食堂もオープン予定で、おいしい海鮮料理も楽しみ