8エリア14ダイビングスポット紹介!
神奈川 湘南・三浦・西湘ダイビングガイド
東京都心から車でも電車でも1時間前後で行ける海といえば、湘南、三浦、西湘といった神奈川県のダイビングエリア。サザンや湘南乃風で有名だが、れっきとしたダイビングスポットも存在するのだ。ダイビング+αでデイトリップを楽しむことも。週末泊まりがけで遊びに行ったりしてみてはいかが?
~神奈川ダイビングエリアMAP~
神奈川 湘南・三浦・西湘はこんなところ
東京の目と鼻の先にある三浦半島と、その西側の相模湾を囲む神奈川県には知る人ぞ知るダイビングスポットが開拓されている。
江の島や葉山、湘南の海岸といえば遠浅なイメージもあるけれど、沖には隠れ根や岩礁も多く、魚たちの恰好のすみかとなっている。
冬は透明度がぐっと良くなり、青~い海が楽しめる上、ダイバーを虜にするダンゴウオなどのアイドルがズラリ!
さらに海の宝石・ウミウシの宝庫ともいわれ、一年中ダイバーが詰めかけるエリアも多数。特にフォト派ダイバーには絶好のフォトフィールドなのだ。
湾に面しているエリアは流れも穏やかでダイビングを始めたり、体験ダイビングをするのにもバッチリ!
関東のダイバーはぜひマイフィールドを作って通っていただきたい。
三浦半島エリア
宮川湾
黒潮の影響を受けとめる
三浦半島南端のダイビング天国
三浦半島南端、城ヶ島がすぐ目と鼻の先にある宮川湾。東京湾寄りでもあるが、黒潮の分枝流を受けとめる相模湾の影響を色濃く残している海で、豪快な海底地形と生息する魚たちの個体の大きさに驚かされることだろう。
ダイビングスポットはビーチ1カ所とボートスポットが4カ所。
東京方面から車で約1時間半で行けるほか、京浜急行の三崎口駅からも近いので電車でもラクチン。
週末に通いたい海である。
これまでアライソギンポだと考えられていたが、違う種であることが近年発覚したシズミイソコケギンポ。宮川湾「カサゴ根」にて
ここは潜りたい! ダイビングスポット紹介
カサゴ根
●最大水深:18m ●流れ:ほとんどない ●ボート
キラキラと目の前を通りすぎるネンブツダイの群れに出会えることも
港から約5分ほどなので初心者や船酔いが心配な方にも安心の近場のダイビングスポット。大小の根がいくつもある広い岩礁域に、亀裂があり複雑な地形の根(カサゴ根)があり、その周囲を潜る。場合によっては一周できないぐらい見ものも多い。同じ三浦半島でも葉山のほうにはいないシズミイソコケギンポやハナタツなどフォト派を虜にする被写体も。スポット名になっているカサゴの仲間も多く、擬態を見破るのも楽しみだ。
トビ根
●最大水深:18m ●流れ:ほとんどない ●ボート
小さくて、一生懸命な泳ぎ方も模様もかわいらしいと人気のミナミハコフグ幼魚も、黒潮の影響で流れ着くことが!
港を出てすぐにある海底の大きな隠れ根。明るい砂地は最大でも水深18mなのでオープンウォーターダイバーでも安心して潜ることができる。“人間型トサカ”と呼ばれる巨大なトゲトサカが生息、透明度がいい日はワイドも気持ちいい。根をびっしりと覆うソフトコーラルや海藻にはたくさんの生物がついていて、コケギンポの仲間やウミウシの種類も多数。夏の終わり頃から毎年、季節来遊魚も多数訪れ、ミナミハコフグ幼魚、ニシキフウライウオ、クマドリカエルアンコウなど人気者であふれかえることも!
城ヶ島
ダイナミックな地形から超マクロ生物まで
バリエーション豊富なボートスポット
三浦半島の先端、橋で渡れる東西約1.8km、南北約600mの小さな島が城ヶ島。
東京から車で約90分、電車でもアクセスできる地の利の良さに加え、黒潮の恵みを受ける相模湾側、栄養分豊富な東京湾側の両サイドにスポットがあり、バラエティ豊かな生物相が見られるのが魅力。
バルスイバラモエビなど超レアな生き物が出たり、ビーチで珍しいタツノオトシゴが見られたり、1ダイブで何十種ものウミウシに会えるというフィッシュウオッチング天国でもあるが、ミルフィーユのような断層の岩盤などダイナミックかつ不思議な地形にも興味津々だ。
非常に珍しいバルスイバラモエビが現れることも! 水深25m以深のスナイソギンチャクをホストにしているので要チェック
ここは潜りたい! ダイビングスポット紹介
岩骨(いわぼね)
●最大水深:27m ●流れ:時にあり ●ボート
ミルフィーユのように幾重にも折り重なった断層に圧倒される
島の西側、相模湾側に位置し、黒潮の影響でバルスイバラモエビなど、東京湾側では見られない不思議な生物が流れ着くことが多い。水深26~27mから立ち上がる高さ10mほどの大きな根の壁が「ミルフィーユ断層」と呼ばれる不思議地形。ここに何種類もの生き物やウミウシの仲間たちが潜んでいる。中層には回遊魚も回ってくるので、うかうかしていられない。初夏~夏はアオリイカの産卵も見られる。
へいぶ根
●最大水深:27m ●流れ:時にあり ●ボート
三浦半島を代表するジボガウミウシ。オランダの調査船「ジボガ」号が発見したのが名前の由来
城ヶ島の北東部にある東京湾側のスポット。港を出て城ヶ島大橋をくぐってアクセス。11~2月の水温13~19℃の頃は1ダイブで30~40種のウミウシを見ることもザラというウミウシファンにはたまらない海でもある。2つの大きな根が寄り添う間の谷間付近が特にウミウシの好物である海草や海藻、ホヤ類が多いのか、この付近でウミウシもいっぱい。またハナタツやカエルアンコウの仲間など人気魚も少なくない。
湘南エリア
- ▼葉山
葉山
四季を感じられる
贅沢なダイビングエリア
天皇や皇太子などのご静養の場として利用される御用邸がある葉山。古くから関東随一のリゾート地として知られるが、ここでもダイビングができる! 芝崎海岸に開拓されたビーチスポットがいくつかあり、ダイビングサービスによってはタンクだけ借りてバディ同士のセルフダイビングを楽しむこともできるが、2017年8月にはボートスポット「御用邸前」がオープンし、ますます幅が広がっている。
黒潮の影響を受ける相模湾の奥にあり、夏の終わり頃からは季節来遊魚が現れることも。また、冬の水温が低い時期はダンゴウオが産卵のために浅瀬に上がってくるなど、四季を感じられる贅沢な海といえる。
芝崎海岸のメインスポット「170度の根」では、温帯ならではのチャガラが大群で見られることも
ここは潜りたい! ダイビングスポット紹介
170度の根
●最大水深:13m ●流れ:ほとんどない ●ビーチ
根の周りにはたくさんの生物が付着していて、擬態上手な魚や生物、ウミウシ類も非常に多い。尾を海藻に巻き付けて周囲に溶け込んでいたつもりのハナタツ
エントリースポットで海岸を背に北にコンパスを合わせ、170度の方向にまっすぐ行くと当たる大きな根。ビーチスポットならではのネーミングで、ナビゲーションの練習にも使える。最大でも水深12~13mと浅くビギナーや体験ダイビングにも最適。根の周辺にはチャガラやスズメダイの仲間が舞い、砂地ではキヌバリ、根の岩にはたくさんの種類のギンポ(特にコケギンポが有名)が。冬は海藻が生い茂り、透明度もいいので、ワイドな写真を撮影するのにもいい。
権太郎岩(ごんたろういわ)
●最大水深:15m ●流れ:ほとんどない ●ビーチ
なんとかミノウミウシという名称のウミウシは多いが、ミノウミウシ中のミノウミウシも見られる葉山の海
「170度の根」の沖にある岩場スポットで、折り重なった岩と岩の間に水路やトンネル、オーバーハングなどができていて地形的にもおもしろい。コース取りをいろいろと楽しめるのも魅力だ。
冬頃からウミウシの種類が多くなり、1ダイブで20種以上のウミウシに会えることも。その他、ギンポ類も多く、1ダイブがあっという間。エア切れにご注意を(帰りの分も残しておこう!)
西湘エリア
早川
都内から新幹線を使えば40分!?
近くて話題豊富な海
小田原の城下町を超えた、伊豆半島の入り口に位置する早川は、車でも都内からなら1時間ほど、新幹線を使えばわずか40分と“超都会”。
海はあまり知られていないが、相模湾の奥深くにあるため、流れもあまりなく初心者でも安心して潜れるうえ、黒潮の影響で流れ込む季節来遊魚の多いこと、多いこと!
もちろん温帯の普通に生息している地元魚もいて、フィッシュウオッチングにも、講習や体験、スキルアップにも適した理想的なダイビングエリアなのだ。
しかも、ナイトダイビングも毎日開催。近いからといって会社帰りにナイトダイブを楽しむ方も多いとか!
キラキラ幻想的な夜光虫を見たり、夜行性の生き物を観察したりするのにも最適だ。
夏の終わり頃からは季節来遊魚が狙える。ムレハタタテダイの群れが目の前の「ビーチ」にも出現!
ここは潜りたい! ダイビングスポット紹介
早川ビーチ
●最大水深:14m ●流れ:ほとんどない ●ビーチ
日本の海の固有種、ネコザメも早川の海の常連。潜れば潜るほど、いろいろな魚や生物、ユニークな生態に出会うはずだ
ダイビングサービスのすぐ前からエントリー。なだらかな砂地のスロープの先、水深9m付近に大きな根があり、砂地に設置されたロープ伝いにたどり着けるようになっている。砂地にはヒラメやウシノシタがいたり、砂潜りの名人・アサヒガニがいたり、入ってすぐの浅瀬に冬から春にかけてダンゴウオが見られたりと見どころはとても多い。根の周りには人気のカエルアンコウも隠れているはず。沖でトビエイやツバクロエイに会えることも! また夏の終わり頃から冬にかけて季節来遊魚もやってくる。
早川ボート
●最大水深:20m ●流れ:時としてあり ●ボート
色とりどりのトゲトサカやヤギ類が根にびっしり。周辺にはスズメダイたちの群れもいっぱい
4人以上集まればボートダイビングが可能。
ほとんど手つかずなので、ソフトコーラルが非常に元気で、彩りも美しく、別世界に来た気分になれる。ネンブツダイやスズメダイの数も非常に多い。春先は海藻が群生しており、透明度が良ければ海藻の森のワイド写真も狙える。
石橋
ダンゴ、カエル……と人気者が続々!
都心から車で90分もかからない便利な海
西湘バイパスを降りてたった200mという便利な場所に位置する。都内からなら1時間(ダイビングサービスでは90分とあるが)、電車でも1時間足らずの超便利なダイビングエリアだ。
ダイビングスポットはダイビングサービスのすぐ隣にあり、初心者でもラク~に海に入れるのが魅力。
一日2ビーチで終わってもいいし、3~4ダイブがっつり潜ってもOK。
予約をすれば無料でBBQコンロを貸し出してくれるので、仲間とアフターダイブのBBQを楽しんでもいいかも♪
ここは潜りたい! ダイビングスポット紹介
石橋ビーチ
●最大水深:17m ●流れ:ほとんどない ●ビーチ
ゴロタのスロープが沖合100mぐらいまで続き、その後、砂地が広がっている。エントリーポイントからロープを伝って行けるので、バディ同士でのセルフダイビングの練習にもなる(セルフをするには条件あり)。ハナタツやイロカエルアンコウをはじめ、マツカサウオやイソギンチャクモエビ、ウミウシ数種と見られる生物は多数! 冬はダンゴウオの幼魚も確認され、夏の終わり頃からはムレハタタテダイの群れが現れるなど、年間を通して楽しめる。
根府川
海中遺物もおもしろい、
バラエティ豊かな海
根府川は関東大震災の時に沈んだ駅のプラットホームが沈んでいる、貴重な海。
ほかにも砂地のスロープに人工魚礁が点在しており、さまざまな生き物たちのすみかとなっている。
相模湾の奥にあり、黒潮で流されてきた生き物や温帯ならではの魚たちのゆりかごのような環境になっていて、魚影の濃さは随一ともいわれる。
都心から車でおよそ90分、電車でも1時間程度(根府川駅からも約7分)と非常に近く、週末通うのにもぴったりだ。
ここは潜りたい! ダイビングスポット紹介
根府川ビーチ
●最大水深:15m ●流れ:ほとんどない ●ビーチ
水深10mほどの岩礁域と同じぐらいの水深に砂地のスロープがあり、岩礁域に旧根府川駅のプラットホームの残骸がある。砂地の人工魚礁には「ピラミッド」などと呼ばれるブロックなどが点在。ネンブツダイやスズメダイなどが魚礁にびっしりついていて、初夏はネンブツダイの口内保育も見もの。よく探せばカエルアンコウやウミウシなどもいっぱい!
岩
ボートダイブもビーチダイブも盛んな
近場の人気どころ
都心から車で90分、電車でも真鶴駅から徒歩15分程度と地の利が抜群とあって、ダイビングスクールの講習や体験ダイビングでもよく利用される海。
西湘一といわれるほどボートスポットが多く(4カ所)開かれており、しかも地形がダイナミックで魚影も濃いと評判。
ビーチとボートを組み合わせてファンダイブも楽しみたい。
ここは潜りたい! ダイビングスポット紹介
化け根
●最大水深:26m ●流れ:時にあり ●ボート
港から約5分、水深22mの海底からそびえ立つ大きな根は迫力満点! 根の周りにはソフトコーラルもいっぱいついていてカラフルな上、キンギョハナダイやスズメダイがびっしり群れていて、とてもにぎやか。
よく利用されるボートスポット「トライアングル」と人気を二分するといわれるほど。
岩ビーチ
●最大水深:13m ●流れ:ほとんどない ●ビーチ
エントリー&エグジット口は岩場にコンクリートスロープが施されていて初心者でも安心して利用できる。エントリー後、岩場を抜けると広い砂地が広がっていて、アサヒガニやトゲカナガシラなど砂地の生き物も見つかる、また冬(12~4月頃)はダンゴウオの赤ちゃんが見られることも! 初夏~夏はアオリイカの産卵床が設置されるのでアオリイカも狙い目。また、意外に回遊魚も多く、アジやイナダ、カンパチといった美味しそうな銀鱗の魚が回ってくることも。一年中姿を見せるハナタツもお見逃しなく!
福浦
神奈川県最西端!
絶好のファンダイブを
神奈川県と静岡県の県境にあり、東京都心から1時間半ほどでアクセスできる近場、福浦。
左に真鶴半島、右に伊豆半島、正面に初島という、ロケーションの良い福浦海岸がダイビングサービスの目の前にあり、ダイビングをするのも超ラクチン。
ならいの風(北東風)に弱いエリアが多い中、真鶴半島の陰になるので通年穏やかで潜れない日は少ないのも魅力。
しかも一年中ナイトダイビングも開催!
あまり知られていないけれど、リピーターにも根強い人気の福浦。ぜひ潜りに行きたい。
ここは潜りたい! ダイビングスポット紹介
福浦ビーチ(ふくうらびーち)
●最大水深:10m ●流れ:ほとんどない ●ビーチ
エントリー&エグジットの楽なスロープがあるので、初心者はもちろん、講習や体験にも便利。ゴロタから砂地、岩場と続く水中にはガイドロープが張ってあるので、ナチュラルナビゲーションもしやすく、バディ単位でのセルフダイビングにも便利。
エントリーしてしばらく行った左側(東側)に県の天然記念物指定のサンゴイソギンチャクの群生地があるのでぜひ見ておきたい。
穏やかで風の影響も受けにくいので、年中潜ることができ、さらにナイトも年間を通して潜ることができる。
リトルシャーク
●最大水深:20m ●流れ:ほとんどない ●ボート
ネコザメの小さな子どもが頻繁に見られることから名づけられた根のスポット。ブイ下で水深10m前後、根の先に進むと少しずつ深くなるが最大でも水深20mぐらいなので、ボート初心者でも安心して楽しめるだろう。 夏はウミガメやトビエイなど大物との遭遇も!