年間125万人が訪れるダイビング情報サイト

初心者からベテランまでALLダイバーが大好き!
四国の人気の海 柏島

四国の人気の海 柏島

柏島(かしわじま)はバリエーション豊富な魚影の濃い海中が人気のダイビング天国。日本中からたくさんのダイバーが集まるエリアです。一年中楽しめる海とはいえ、水温も気温も高くなってくるこれからのシーズンは生き物もどんどん増えてきて、ダイビングがぐっと楽しくなってきます! GWはもちろん、週末や数日間の休暇でぜひ訪れたい海。現地ガイドさんたち最近の見どころを聞いてみました!

※2023年4月の情報です。

柏島のダイビングスポット

柏島を空撮。左手の港からぐるりと続く白い浜辺が「後の浜」と呼ばれるダイビングスポット。とても広いことがおわかりいただけたでしょうか

柏島を空撮。左手の港からぐるりと続く白い浜辺が「後の浜」と呼ばれるダイビングスポット。とても広いことがおわかりいただけたでしょうか
Photo by AQUAS, Kazushi Matsuno

「柏島といえば後の浜(後浜、うしろはま、うしろのはま)」というぐらい、島の北側にある海岸線沖に開拓されているダイビングスポットが有名です。1番から6番までブイが10カ所ほど打ってあって、1番と2番の間は1.5番って感じで名前が付いていて、「後の浜」といってもそれこそ10カ所のダイビングスポットがあるわけです。まあ、1ダイブで何カ所かのブイを巡ることもあるのですが。
ほかにも四国本土側にダイビングスポットがいくつか開拓されていて、ダイビングボートでアクセスが可能です。

柏島の春~夏の見どころを聞いてみた!

ということで、潜り甲斐のあるスポットが柏島にはたくさんあります。今回は「マリンダイビングWeb」でおなじみの《柏島ダイビングサービスAQUAS(アクアス)(以下、AQUAS》の代表、松野和志さん、《柏島ダイビングサービスSEAZOO(シーズー)(以下、SEAZOO)》の代表、目黒次生さん、《柏島ダイビングサービスFIN HOUSE(フィンハウス)(以下、FIN HOUSE)》のチーフガイド、梶原秀一さんにお話を伺いました。

「後の浜No.1」はアオリイカが見もの。産卵床を作るところからがドラマ

産卵床に卵を産み付けるアオリイカを間近で見られます

産卵床に卵を産み付けるアオリイカを間近で見られます
Photo by FIN HOUSE, Shuichi Kajihara

「アオリイカの産卵床を4月から設置しているため、大きなアオリイカの産卵をすぐ近くで観察することができます。普段はすぐ逃げてしまうイカですが、交接・産卵中はこちらが近くにいても夢中で産卵してくれます」(FIN HOUSE/梶原さん)

みんなで力を合わせた産卵床にアオリイカたちがこんなに卵を産み付けに! 壮大なドラマを肌で感じてください

みんなで力を合わせた産卵床にアオリイカたちがこんなに卵を産み付けに! 壮大なドラマを肌で感じてください
Photo by AQUAS, Kazushi Matsuno

「アオリイカの産卵なんですが、まず産卵床を作るために柏島の子どもたちが山に行き木を間伐し、間伐の意味を勉強します。それを持ってきて、漁師とダイバー、子どもたちみんなで海中にイカの産卵床を作ります。海の中に森ができてそこにたくさんのアオリイカが産卵にくるまさに『いい山があるからいい海ができる』を体感できます」(AQUAS/松野さん)

大きなアオリイカたちの産卵シーンはフォトジェニック

大きなアオリイカたちの産卵シーンはフォトジェニック
Photo by SEAZOO, Tsuguo Meguro

「これからの時期の『後浜1号』は、ワイドレンズでアオリイカの産卵行動をじっくり撮るのがおすすめです。コンデジでももちろん撮れます。オス同士のケンカやメスをエスコートするオスのやさしげな体色などいろいろなシーンを観察しながら撮るとおもしろいですよ」 (SEAZOO/目黒さん)

「後の浜No.2」で癒されて

棚の上に大きなテーブルサンゴが点在。その間には海藻がびっしりと生えていて、とっても癒されます

棚の上に大きなテーブルサンゴが点在。その間には海藻がびっしりと生えていて、とっても癒されます
Photo by AQUAS, Kazushi Matsuno

「海藻とサンゴ礁でめちゃくちゃ癒される素敵な場所です。水温がまだ低いこの時期だからこそ見れる景色がそこにあります」(AQUAS/松野さん)
海藻は水温が高くなると溶け出してしまうので、ぜひ狙いたいですね!

思いがけない魚や生きものに会える「勤崎」

とてもレアなホウセキカサゴが現れることも!

とてもレアなホウセキカサゴが現れることも!
Photo by SEAZOO, Keiko Meguro

「対岸の岬、勤崎(つとめざき)は、大物や魚群からマクロ生物までとても魚影の濃い海です。水温が上がり出してきて、レアな生き物も見つかるようになってくるので、今年は何が出るか楽しみ♪」(SEAZOO/目黒さん)

「民家下」はイシモチ類の口内保育が見もの

柏島で発見され、この海の固有種といわれるイナズマヒカリイシモチですが、口内保育の姿が見られるようになります

柏島で発見され、この海の固有種といわれるイナズマヒカリイシモチですが、口内保育の姿が見られるようになります
Photo by FIN HOUSE, Shuichi Kajihara

「イシモチの仲間やジョーフィッシュなど、口内保育をしている魚たちが多く見られます。とくに繁殖シーズンである5~7月は、多くの魚たちの繁殖行動が見られて、いつも以上に魅力的なポイントです」(FIN HOUSE/梶原さん)

キンセンイシモチの産卵シーンなど貴重な行動を撮影することもできます

キンセンイシモチの産卵シーンなど貴重な行動を撮影することもできます
Photo by SEAZOO, Keiko Meguro

「水温がぬるまってくるこの時期は、たくさんの魚たちの貴重な産卵シーンにお目にかかれることが増えてきます。フォト派にはたまりません。柏島に来たら絶対に見てほしいです」(SEAZOO/目黒さん)

柏島で必ず見てほしい水中シーンを教えて!

ワイドな見どころは?

「勤崎」では色とりどりのソフトコーラルが群生。ライトやストロボを利用して水中撮影を!

「勤崎」では色とりどりのソフトコーラルが群生。ライトやストロボを利用して水中撮影を!
Photo by AQUAS, Kazushi Matsuno

「なんと言っても圧巻のソフトコーラルです。世界自然遺産に登録できるクラスの光景です」(AQUAS/松野さん)

サンゴの群落に乱舞するキンギョハナダイ。運が良ければアオウミガメがやってくることも

サンゴの群落に乱舞するキンギョハナダイ。運が良ければアオウミガメがやってくることも
Photo by FIN HOUSE, Shuichi Kajihara

「『後浜』の美しいサンゴ群集は是非見てほしいポイントです。一緒にキンギョハナダイやスズメダイなど非常に多くの魚たちも泳いでいるので、柏島に来られたら必見です」(FIN HOUSE/梶原さん)

必ず見てほしいマクロ生物や生態シーンはモリモリ!

キンセンイシモチのメスが産みだす卵をオスが口で受けている貴重なシーン

キンセンイシモチのメスが産みだす卵をオスが口で受けている貴重なシーン
Photo by SEAZOO, Keiko Meguro

前の項目でSEAZOOの目黒さんが必ず見てほしいと言っていたイシモチ類の口内保育ですが、こんな貴重なシーンに出合うこともできるんです! ほかにもいろいろな魚の貴重な行動が見られるとのこと。楽しみですね!

ホタテツノハゼがペアで見られることも!

ホタテツノハゼがペアで見られることも!
Photo by FIN HOUSE, Shuichi Kajihara

「常に魚の種類の多い柏島ですが、水温が上がってくると多くのハゼの仲間が観察できます。砂地のネジリンボウ類やヤシャハゼ、ホタテツノハゼなどや、深場に行くとアケボノハゼやスジクロユリハゼなどのレア種も多く見られます。慣れている個体が多いので、特にフォト派の方にはおすすめです」(FIN HOUSE/梶原さん)

撮影するのがとても難しい場所にいるのですが、これだけ撮れるのは柏島ならでは!?

撮影するのがとても難しい場所にいるのですが、これだけ撮れるのは柏島ならでは!?
Photo by AQUAS, Kazushi Matsuno

ハゼ類といえばこちらも見逃せない!
「ホムラハゼは是非是非、見てほしいハゼです、美しく感動です」(AQUAS/松野さん)

陸でも楽しい柏島

ヒメボタルがチカチカ光り出すと森がクリスマスツリーのようになります。こちらもフォトジェニック♪ 6年前、SEAZOOの目黒さんご夫妻が2年かけて見つけた場所で撮影したもの

ヒメボタルがチカチカ光り出すと森がクリスマスツリーのようになります。こちらもフォトジェニック♪ 6年前、SEAZOOの目黒さんご夫妻が2年かけて見つけた場所で撮影したもの
Photo by SEAZOO, Tsuguo Meguro

ダイビングの魅力がぎっしり詰まっている柏島ですが、アフターダイブも自然を満喫することができます。橋を渡って柏島を眺められる展望台に行くのもオススメです。6月頃は夜になるとホタルが見られる場所もあります。ぜひ現地のガイドさんに連れていってもらいましょう!

柏島に日本中のダイバーが集まるワケ

ジョーフィッシュもかなり高い確率で会えるうえ、こんな口内保育中のシーンにお目にかかれることも

ジョーフィッシュもかなり高い確率で会えるうえ、こんな口内保育中のシーンにお目にかかれることも
Photo by FIN HOUSE, Shuichi Kajihara

それにしてもなぜ近隣のダイバーだけでなく、日本中のダイバーが柏島に潜りに来るのでしょう? コロナ禍も収まって外国人ダイバーも増えてきているのですが、それだけ人気になった理由は何なのでしょう? 一番に言えるのは生物の多さ。沖縄の島々も魚種や海岸生物の種類は日本一といっていいほど多いのですが、柏島はこの狭い海域なのに、それに匹敵するぐらいの種類の魚や生きものがいて、数も多い。浅場から深場までギッシリといった感じです。1ダイブでこれでもか!ってぐらい多くの魚に会えるのだからたまりません。

さらに、ダイビングスポットまでの距離がとても近く、ダイビングを終えるたびに店に戻ってきて休憩ができます。ランチ休憩の後ものんびり過ごしてから3本目に出かけることもできるのは、本当にありがたいことです。AQUASの松野さんが「まるでクルーズ船に乗ってる感じで過ごせます」と言っていますが、本当にダイブクルーズ並みのラクチンさ。たくさんのダイバーがリピートするのも納得です。

アフターダイブは心の洗濯を

一番近い宿毛(すくも)駅(土佐くろしお鉄道)からも車で35分。島には小さな商店がいくつかあるだけで、しかも早く閉まってしまう店も多く、都会のネオンとか高層ビルなどとはまったく無縁の柏島。ダイビングが終わったら、夕食後はダイビングサービスに集まってログづけがてらその日一緒に潜ったゲストたちと飲んだりおしゃべりをしたり写真を見せ合ったりするうちに時間はあっという間に過ぎていきます。

でも「星空の撮影や6月頃はホタル撮影がおすすめ」(SEAZOO/目黒さん)と、豊かな自然を楽しむことをオススメする向きも。
「柏島をのんびり散歩して、ゆっくりした時間を過ごしてもらえたらいいと思います。また、スノーケリングができる砂浜もあるので、これからの時期はそこで泳ぐのもいいですね」とFIN HOUSEの梶原さん。
AQUASの松野さんも「四国の端っこの小さな島、雑音が消え自然の音にからだをゆだねることで、すでに満たされていることに気づく島です。島の人のやさしさや、海の豊かさにつつまれながら、フラットな気持ちでうしろ浜の防波堤に座って見るサンセットは生きるエネルギーを取り戻す、最高に素敵な場所です」と話します。
都会では絶対にできない過ごし方を、ぜひ柏島でしてみては?

「後の浜」の防波堤からサンセットを眺め……

「後の浜」の防波堤からサンセットを眺め……
Photo by AQUAS, Kazushi Matsuno

あなたにおすすめの記事

トップページへ戻る