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心震わすエキサイティングなボニンブルー
ケータ解禁! 小笠原父島

心震わすエキサイティングなボニンブルー ケータ解禁! 小笠原父島

東京湾の南約1,000km、同じ東京都にあるとは思えない、はるか彼方に小笠原はある。
亜熱帯気候に属する島では5月には平均気温23℃と夏並みになり、海況も安定。
父島をベースに出かけるダイビングエリアでも超エキサイティング!と評判のケータ列島にも行きやすくなる!
今回はそんな小笠原のGW頃から7月頃までの見どころをご紹介しよう。

ケータが熱い!

マグロ穴がマグロで埋まる!

昨年7月に3代目「おがさわら丸」が就航し、24時間で行けるようになった小笠原諸島父島。
そんな小笠原では、GW頃から秋にかけて、海況が穏やかになり、どこへでもアクセスしやすくなる。
この時期何と言っても、多くのダイバーが熱いまなざしを注ぐのが、父島の北約50km、ボートでは1時間半~2時間のケータ列島(聟島=むこじま)だ。
北から聟島、媒島(なこうどじま)、嫁島と連なる島々と、針の岩のような岩がいくつもそびえる列島で、いずれも人は住んでおらず、荒涼とした風景が広がる海原は、誰も寄せ付けない雰囲気すらある。
が、実は海中では魚たち、とりわけ大物たちの拠り所になっていて、2m近くある巨大イソマグロやギンガメアジ、カッポレ、カンパチといった銀鱗の回遊魚が駆け抜け、クマササハナムロやウメイロモドキがボニンブルーが視界を埋め尽くす。
7月頃まではシロワニという、顔だけはやたら怖い巨大なサメとの遭遇率も高い。
日帰りでも行きやすい、ケータ列島最南端の嫁島には「マグロ穴」があり、穴をのぞくと、イソマグロが数十尾、ときには100尾以上かたまってグルグル回っていることも。

1匹1匹が非常に大きく、グループの中にはボスなんじゃないかと思える2m級の大型イソマグロもいて、とにかく迫力たっぷり。息をするのも忘れてしまいそう。

「嫁島マグロ穴」のイソマグロたち。いったい何尾集まっているんだろう

2016年7月4日撮影「嫁島マグロ穴」
Picture by Yoshikazu Tanaka, Deep Blue

「嫁島マグロ穴」は、嫁島のすぐそばに立ち上がる、凱旋門のようなトンネルがある岩島の真下にあり、このトンネルの下が「マグロ穴」になっている

小笠原といえば、シロワニ! 7月初旬頃までは「嫁島マグロ穴」でも遭遇率は高い

できることなら“泊まりケータ”がオススメ

海況がいいので、日帰りでも行けるケータの海だが、どうせならケータ列島を南から北まで潜り尽くしたい。
そんな野望ともいえる夢を叶えてくれるのが、“泊まりケータ”。
その名のとおり、ケータ列島に泊まりがけでいくのだが、なにせ無人島だけに宿泊施設はない。
泊まるのはダイビングサービスのボートだ。
父島のダイビングサービスのいくつかが“泊まりケータ”を実施しているのだが、ダイブクルーズ船のように宿泊できるように造られている船ではないので、寝袋を使った、船上キャンプといったところだろうか。
食事もカセットコンロなどを使って、温かいものも食べられるようになっている。
これなら、船に泊まって、ケータ最北の「一之岩」なども狙えるというわけだ。

年間を通して、めったに潜ることのない手つかずの海もことのほかスゴイけれど、夜、光を消すと……今まで見てきた星空は何だったのか、というぐらいの星空。

心に刺さる風景がたっぷりの“泊まりケータ”。チャンスがあればぜひ参加してほしい。
※開催ダイビングサービスは、各サービス情報をご確認ください。

イルカやクジラも見逃せない

スゴイ海に潜って楽しんだうえにイルカとも泳げるお得感

ご存じのように小笠原はドルフィンスイムができる海として、日本でいち早く有名になった島。
ケータでも、ケータに行かなくても、イルカと遭遇できるのが魅力だ。

特にGWぐらいからは水温も高くなり、
(といっても、5月から7月頃は21~25℃ぐらい。5mm+フードベストが必要)
イルカと泳ぐのもラクになる。
ダイビングをしながら、ドルフィンスイムもできるという豪華さ。
こんなことが味わえるのもダイバーの特権だ。

会えるイルカもハンドウイルカ、マダライルカをはじめ、なかなか近づけないといわれるハシナガイルカなど種類はいろいろ。

「イルカだ!」と声がかかったらすぐに3点セットを着けて泳ぎに行けるよう、準備を万端にしておこう。

ハシナガイルカも目の前に!
Picture by Yuki Goto, Fisheye

イルカが目の前で微笑んでくれた!

GW頃まではザトウクジラもまだ出る!

冬から春にかけて繁殖・子育てのために北極方面から南下してくるザトウクジラ。
小笠原は近年、非常にたくさんのザトウクジラがやってくるといわれており、この冬もホエールウオッチャーが狂喜乱舞している。
昨年は5月のGWを過ぎてもなおザトウクジラの親子や、派手なブリーチングなどが見られており、今年もまだまだ期待はできそう。

30tにもなるといわれる巨体が海面から舞い上がる。その迫力といったら。一コマ一コマが目に、心に焼きつく

夏はマッコウクジラも!

小笠原は黒潮だけでなく、クジラたちの通り道なのだろうか。
いやいや、しばしば棲みついているのだろうか。
夏はマッコウクジラもよく見られることで有名だ。
マッコウクジラといえば最強の潜水能力をもつ、深海を旅するクジラとしても有名で、その大きさはザトウクジラより大きい(オスで16~18m)。
ザトウクジラのブリーチングのような派手な行動はしないけれど、威風堂々たるその泳ぎっぷり、ヘッドファーストのお手本にしたくなるような潜降姿勢に釘づけになることウケ合いだ。

マッコウクジラウオッチングを楽しむゲスト

遠出しなくてもスゴイ!
父島周辺の海

「閂ロック」はじめ大物三昧はこちらでも

ケータもスゴイけれど、この時期の父島周辺は、透明度も上がり、魚影も濃くて、大当たり!という日が続出。
中でも現地ガイドさんの多くが「当たったときはど迫力!」と絶賛するのが「閂(かんぬき)ロック」。
南島のそばにあるスポットで、イソマグロの群れが出たり、ムレハタタテダイのものすごい群れに巻かれたりと、盆と正月がいっぺんに来たような大騒ぎ状態になる。
この時期、小笠原に行くならぜひリクエストしたいスポットだ。

2016年5月24日の「ドブ磯」「閂ロック」
Picture by Yoshikazu Tanaka, Deep Blue

ムレハタタテダイのものすごい群れ。下に見えるのはコクテンカタギで、これも沖縄と小笠原ぐらいでしか見られない、かなり珍しいチョウチョウウオの仲間だ

7月はまだ早いかな・・・。夏から秋にかけて「閂ロック」で期待できるウシバナトビエイの群れ

小笠原は最初から最後まで感動的

自然の豊かさを体感できる島

世界遺産にも登録されている小笠原の島は、海だけでなく陸上の自然もハンパではない。
国の天然記念物にも指定されている「沈水カルスト地形」という石灰岩特有の特殊な地形に、ヒロベソカタマイマイという半化石がごっそり堆積しているエリアもある「南島」や、夜、ウミガメが産卵に上陸する町の真ん前の「大村海岸」、ハートの形をした「ハートロック」に、夜の島の生態系をウオッチングできるナイトツアーなど、見どころやオプショナルツアーはいっぱい。
南島は公認ガイドとしか上陸できないので、公認ガイドのいるダイビングサービスを選べば、ダイビングの休憩時間に上陸することもできる。

夜の星の美しさは世界一といってもいいほど!

いってらっしゃ~い! また来てね 感動のお見送り

「おがさわら丸」が新しくなろうとも、古くからの良き伝統は残されている。
そのひとつが、お見送り。「おがさわら丸」が出港するときに島民がみんな来てくれているんじゃないかというぐらいたくさん港に来て「おがさわら丸」に乗って帰るゲストたちに向かって「いってらっしゃい、また来てね」と大声で叫んでくれるのだ。
さよなら、ではなくて、「いってらっしゃい」の大合唱に、ゲストもホロリ。

さらに、感動的なのが、ダイビングサービスの船が「おがさわら丸」を追いかけてきて「いってらっしゃーーい!」の声とともにダイブ!
また次の船が追いかけてきてはダイブ! そしてまたダイブ!
と、父島の10軒のダイビングサービスがほとんど参加しての大ダイブ大会。

絶対また帰ってくる。

ゲストの心にそんな決意がみなぎる瞬間だ。

ぜひ、皆さんにも心温まるこのひとときを味わっていただきたい。

Picture by Marine Art Center

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