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ジェットボートで縦横無尽に潜る
西表島

ジェットボートで縦横無尽に潜る西表島

約40年前、快適な大型ボートが開拓されたからこそ、日本離れした海を自在に潜れるようになった……。
西表島――日本で最も早くダイビング専用ボートを導入したダイビング先進地域。
それでありながら“日本のアマゾン”ともいえる大自然に囲まれた海を
快適ジェットボートで潜りまくりましょう!
協力/ダイビングチームうなりざき

※2020年9月現在の情報です。

日本のダイビングボート先進地域、西表島

オガンの隠れ根へも短時間で行けるジェットボートの開発

Movie by Masaaki Harada

1980年代から5隻のボートがあったうなりざき

1972年5月15日、沖縄が米国から返還されました。それとほぼ時を同じくして、日本では離島への旅が大流行。沖縄&離島や与論島は“アイランダー”と呼ばれる旅人たちで沸き返ったといいます。西表島も例外ではなく、民宿やアクティビティの需要が高まっていました。宮古島から西表島の住吉地区に集団移民で暮らしていた仲里(なかざと)一家は宇奈利崎(うなりざき)という岬の近くに《民宿うなりざき荘》をオープン。わずか5室ばかりでしたが、シーズン中はいつもゲストでにぎわい、西表島生まれの息子、吉坊(よしぼう)こと仲里吉一さんは毎日、その日の夕食を獲りに海に潜りに出かけていたといいます。
時はスピアフィッシング全盛期。吉坊と一緒に魚を獲りに行きたいというゲストが増えていく一方でした。ヘルパーになってゲストを案内する強者も多かったそうです。
そうこうしながら民宿にダイビング部門的なものができ、さらに時代は“獲るから撮るへ”。スピアフィッシングから普通のスキンダイビングやスクーバダイビングへとゲストの目的も変わっていきました。
吉坊はゲストを全員連れていけるよう、船を次々と導入。1980年代になる頃には5隻もの船を所有するまでになっていました。

「ミスウナリザキ」の登場でオガンへもアクセス

最初は和船タイプの小型の船ばかりでしたが、ダイビング専用の大型ボートがあればもっと速く移動ができる!と、「ミスウナリザキ」を造船。10海里ほど沖の大海原にある“オガン”こと仲ノ神島へも1980年代にはアクセスできるようになり、そのあまりのエキサイティングな水中に、吉坊もすっかり虜になったといいます。
この「ミスウナリザキⅠ」はダイビング遠征には不都合なこともいくつかあって売却。1986年末に「ミスウナリザキⅡ」が完成します。吉坊と、民宿のダイビング部門のチーフでもあったガイドの下田一司さんの経験と知恵を絞ってできた素晴らしいものでした。
1987年4月にはダイビング部門が独立し、《ダイビングチームうなりざき》が誕生。「ミスウナリザキⅡ」で西表島とその周辺の海はどんどん開拓されていきました。

ウォータージェット推進機搭載でより安全に

《ダイビングチームうなりざき》のダイビング専用大型ボートがとても快適で有効なことがわかってくると、全国のダイビングサービスが同様の船を造るようになります。時はバブル全盛期。あちこちの海でボートダイビングが盛んになりました。でもその一方で、ボートのプロペラによる、ダイバーの巻き込み事故も何件か発生。
《ダイビングチームうなりざき》では、当事者ではないものの、事故を起こさないためにより安全なボートにするためにはどうしたらいいかを熟考。プロペラがむきだしになっていないウォータージェット推進機を導入することにしました。1990年新しく造成した2つのボート「ミスウナリザキⅢ」と「ピンクブービー」にウォータージェット推進機が搭載されました。

プロペラがむきだしになっていないので、ダイバーが巻き込まれる心配はない。が、エンジンが動いているときは水流がものすごいので、近づかないに越したことはない

プロペラがむきだしになっていないので、ダイバーが巻き込まれる心配はない。が、エンジンが動いているときは水流がものすごいので、近づかないに越したことはない

エンジン、GPS機能の技術革新でオガンもラクラク行けるように!

その後も新しいボートと新しいダイビングスポットの開発、開拓に力を入れてきた《ダイビングチームうなりざき》。
初代の社長、下田さん(前出)がパラオに《デイドリームパラオ》をオープンさせるために旅立ち、その後を継いだ大島佐喜子さんが社長となり、安全と海の開拓(だけではなく、休養させるスポット指定も)、そしてダイビングボートの開発も進めていきました(ボートは吉坊が主に担当)。
GPSも技術革新があり、山立てが大変だったオガンの1の根、2の根、3の根といった隠れ根へも楽にアクセスできるようになります。
1990年にウォータージェット推進機搭載の「ミスウナリザキⅢ」等が登場してから、現在まで10隻を超える大型ダイビングボートを造ってきており、現在3隻の最新ボートを使用。さらに小回りの利くスピードボートも合計4隻造り、現在は最新のものを1隻使用しています。
(日本や世界のどこかで元「ミスウナリザキ」「ピンクブービー」も活躍しています)

たくさんのダイバーが利用している快適大型ボート、「ミスウナリザキⅧ」(ほかにこのタイプではⅦとⅨがある)

たくさんのダイバーが利用している快適大型ボート、「ミスウナリザキⅧ」(ほかにこのタイプではⅦとⅨがある)

現在《ダイビングチームうなりざき》が使用しているボートが大集合! ちなみに向こうに見える岬が「宇奈利崎」

現在《ダイビングチームうなりざき》が使用しているボートが大集合! ちなみに向こうに見える岬が「宇奈利崎」

もちろんトイレや温水シャワー付き!

スペックのいい《ダイビングチームうなりざき》の大型ボートは、日本中のダイビングサービスでもお手本になっていて、似たボートを見ることも。
最新の「ミスウナリザキⅨ」にはエンリッチド・エア・ナイトロックスを船上で充填できる施設も搭載されていて、とても便利(もちろんほかのボートでもエンリッチド・エアのタンクを利用することはできます)。
また、西表島でボートツアーというと、朝出発して2~3ダイブ潜って午後帰るというスタイルに。ということでトイレやシャワーも搭載。トイレは船上とは思えない広さなのでゆったり使えます。

車イスのゲストのことを考えてバリアフリーに。トイレのドアが引き戸形式になっているのも長年の知恵。「ミスウナリザキⅨ」

車イスのゲストのことを考えてバリアフリーに。トイレのドアが引き戸形式になっているのも長年の知恵。「ミスウナリザキⅨ」

写真左にカメラ用の水槽があるのだが、この上にシャワーがある。カメラ水槽に自分の使ったお湯や水が落とされることのないよう使用するのがマナー

写真左にカメラ用の水槽があるのだが、この上にシャワーがある。カメラ水槽に自分の使ったお湯や水が落とされることのないよう使用するのがマナー

西表島で潜るべきダイビングスポット

オガンは5~9月。それ前後も

大物ガンガン! 日本離れした究極の大物スポット

西表島らしさというと、日本のほかの海ではなかなか味わえない「透明度抜群の海」、本気で流れる「潮流」、そして体長1m近い「巨大な魚の群れ」ではないでしょうか。
それが海底から湧き上がるように何十、何百と現れた日には頭が真っ白、口あんぐり。下手すれば写真も撮り忘れそうなほど。
たまに何千というカスミアジがドカーンとブルーの海に現れたり、ジンベエザメが突然姿を現したりと、思いがけないサプライズも贈ってくれるオガン。5~9月がシーズンといわれるが、海況が許せばそれ以外の時期もアクセス可能。
今シーズンもまだまだ狙いたいものです。
なお、《ダイビングチームうなりざき》では、オガンを潜るには最低でもダイビング経験50本以上、フリー潜降と中性浮力ができる方、ダイビング初日は行かないというルールがあります。
それに達していない方は滞在中に本数を増やしたり、スキルアップして、潜りに行かせてもらう手もあるし、出発前に条件を満たすまで頑張って出かけたいですね。

ただし、オガンにも癒し系のダイビングスポット、あります。

湧き上がるようにイソマグロの群れがこっちに向かってきた!

湧き上がるようにイソマグロの群れがこっちに向かってきた!

マンタが狙い!? 秋~春の西表島

Movie by Masaaki Harada

石垣島からもボートがやってくる鹿ノ川・中の瀬

オガンのシーズンが終わる頃から活況を呈するのが、島の南に深く大きくえぐれた湾、鹿ノ川湾(かのかわわん)。
この湾には何カ所かダイビングスポットが開拓されていて、地形あり、白砂の広がる癒し系あり、ハナダイなどカラフルな魚が群れるドロップオフありと、バリエーション豊かなのですが、最も人気なのが湾の中ほどにある比較的大きな根、「中の瀬」です。
ここにクリーニングステーションがあって、10月の北風が吹き始める頃から5月頃まで大人気のマンタがやってくるのです。1尾のみならず、運が良かったら2尾、3尾。多いときは10尾ぐらい集まって、オス同士がじゃれ合ったり、何尾ものオスがメスを追いかけているシーンに出会えることもあります。
ボートで約40分ですが、帰りは潮の関係でもう少し時間がかかることもあります。

ここでも魚群ガンガン! 崎山沖の根

Movie by Masaaki Harada

イソマグロとバラクーダの群れの豪華コラボ

実は「鹿ノ川・中の瀬」でも水温が下がってくるマンタの季節は、イソマグロの数尾の群れ(編隊というのでしょうか)やマダラトビエイなどが現れることもあるのですが、その近く、西表島の南西端の岬、崎山の沖にある隠れ根では何と、50尾以上のイソマグロの群れ、ここはパラオか!?というぐらい巨大なブラックフィンバラクーダの100尾超の群れなどが見られることがあります。運が良ければ2種の群れが視界に収まる豪華な瞬間も! オガンに行かずともこのエキサイティングなシーンにクラクラになりそうです。

見事なサンゴ礁も西表島ならでは

Movie by Masaaki Harada

この癒し系も西表島らしい! バラス東

大物ガンガンのイメージが強烈な西表島ですが、一方で八重山諸島きっての美しいサンゴ礁もぜひ味わっていただきたいところです。
特に多くの人がうっとりしてその場を離れられなくなるという「バラス東」のサンゴ礁とアカネハナゴイやスズメダイの仲間たちの大乱舞は必見!
水深もトップが3mととても浅く、光がバッチリ入るのでストロボやライトなしでも魚たち本来の色が見られるんです。プロのフォトグラファーもここから一歩も動かなくなることがあるというのも納得です。

復活してきたサンゴ礁もあちこちに

西表島のダイビングの40年以上の歴史の中で、オニヒトデ大発生や台風、海水温上昇などにより何年か周期で壊滅状態になるサンゴ礁がありました。でも、黒潮の恩恵をもろに受ける西表島だけに、蘇生率は高い。
近年も上原港に近い中野という浜の沖にあるサンゴがガレた根に、びっしりと枝状・卓状のミドリイシが新たな生命を育み、大群生。潮当たりがいい場所には魚も乱舞し、南国パラダイスの様相満点!
また、西表島の北西に浮かぶ、人口50人足らずの島、鳩間島の周辺も見事なサンゴ礁で有名でしたが、1990年代後半の海水温上昇ですっかりやられてしまいました。が、近年はやはり卓状・枝状ミドリイシが大群生。元気な姿を見せてくれています。

色とりどりのサンゴがリーフの棚一面にびっしり! 「中野沖リーフ」で元気をもらっちゃおう!

色とりどりのサンゴがリーフの棚一面にびっしり! 「中野沖リーフ」で元気をもらっちゃおう!

マクロスポットも大充実の西表島

Movie by Masaaki Harada

北風に強い西側に汽水域がいっぱい!

西表島の西側には海に流れ込む川が多数あり、海岸線が入り組んでいて海の生き物たちにとって絶好の隠れ家がたくさんあります。港も祖納と白浜にあり、北風の影響も受けにくいので冬場はこちらの港を使うこともしばしば。ダイビングスポットまで近いし、揺れないし、初心者にも心強い。
「T’sエリア」「Gスポット」「外離南」「網取浅場」「美田良浜」などが有名ですが、《ダイビングチームうなりざき》では、「シークレットガーデン」「スターフルーツ」などオリジナルスポットをいくつか開拓。じっくりのんびり、ほかの人たちに邪魔されることなく、水中写真を撮ったりウオッチングしたりできます。

川の淡水が流れ込む汽水域にあり、海藻も群生する「美田良浜」(みだらはま)には上手に擬態したセダカカワハギの幼魚など、レアもの多数

川の淡水が流れ込む汽水域にあり、海藻も群生する「美田良浜」(みだらはま)には上手に擬態したセダカカワハギの幼魚など、レアもの多数

西表島で潜るには

西表島のダイビングサービス

肝入りのガイドがそろう屈強の島

老舗《ダイビングチームうなりざき》や《民宿うなりざき荘》出身のダイビングサービスと、そこで修業をした強者ガイドたちが開設したダイビングサービスが十数軒。いずれも西表島でのガイド歴20年は下らないという屈強のガイド陣がそろう島です。若手も多く入ってきていますが、先輩ガイドに育てられ、頼れる人材が豊富です。

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