最強の海、西表島
ダイビングスポットBEST 10
![最強の海、西表島 ダイビングスポットBEST 10](img/main3.jpg)
シーズン到来!とともにフルパワーでダイバーを喜ばせてくれる西表島。沖縄の南西端にあり、南から流れてくる世界最大級の大暖流、黒潮の恵みをもろに受け、100近いダイビングスポットが開拓されています。今回は老舗ダイビングサービス《ダイビングチームうなりざき西表》のチーフガイド、森脇純一さんが選ぶベストスポット10をご紹介!
協力/ダイビングチームうなりざき西表
うなりざきの森脇さんSelect!
西表島ダイビングスポットベスト10
今回、ベスト10を選んでいただいたのは
ダイビングチームうなりざきのチーフガイド
森脇純一さん
広島県出身。西表島在住歴・ダイビングガイド歴ともに20年のベテラン。物腰の柔らかさ、スマートな接客スタイルにゲストからは「王子」とも呼ばれる。西表島が最も好きなのは「陸も海も自然に満ち溢れているところ」。最近ハマッているのはジギング(釣り)。愛妻家・二児の父でもある。
![森脇純一さん](img/ph02.jpg)
日本の南西端に浮かぶ西表島は2021年、希少な固有種をはじめ多様性豊かな自然が保全上重要な地域であることから、奄美大島、徳之島、沖縄本島北部とともにユネスコの世界自然遺産に登録されています。島には40以上の川があり、陸の豊かな自然が川を伝って海にも栄養分をもたらしており、海中には多様な魚や生きものが生息。また南から流れてくる大暖流、黒潮が本来なら日本に生息しない生き物をもたらし、海中生物の種類の多さ、数の多さはおそらく日本で最も多いといわれています。
まさに最強の海といえる西表島。今回は30年以上の歴史を誇る《ダイビングチームうなりざき西表》のチーフガイド、森脇純一さんにダイビングスポット「BEST10」をご紹介いただきます!
1. 仲ノ御神島(なかのおがんじま) 三ノ根
![丸々と太ったイソマグロの大群が登場することも](img/ph03.jpg)
丸々と太ったイソマグロの大群が登場することも
西表島からボートで約50分、通称オガンこと仲ノ御神島(仲ノ神島、仲之御神島など)の中でも間違いなく、No.1ビッグポイント! 丸々と太ったイソマグロの大群やバラクーダの群れをメインで狙う。時に1000匹以上のカスミアジの大群に遭遇することも♪ 世界で見ても、カスミアジがこれだけ群れるところはなかなかない!
運が良ければ、タイガーシャークや、ジンベエザメなどの超大物が出ることも!!
最大水深23m 平均水深14m
ドリフトで潜るので、フリー潜降、中性浮力など、オガンを潜る際の注意点を要チェック。
![1000を超えるカスミアジの超大群が現れることもある](img/ph04.jpg)
1000を超えるカスミアジの超大群が現れることもある
2. 仲ノ御神島 東ノ根
![イソマグロが近い! 目の前を行き交う様にちむどんどん(心がドキドキ)する](img/ph05.jpg)
イソマグロが近い! 目の前を行き交う様にちむどんどん(心がドキドキ)する
「三ノ根」と並び、オガンの人気スポット! 水深50mの海底から反り立つビルのような根に掴まり、正面から流れを受けながら、イソマグロが目の前を行き来する様を眺める。
触れそうなくらいの至近距離でイソマグロの厳つい顔を見られます!
最大水深20m 平均水深14m
ドリフトで潜るので、フリー潜降、中性浮力など、オガンを潜る際の注意点を要チェック。
![高層ビルのような巨大な岩につかまって魚群を観覧。吐いた泡が速く流れていく](img/ph06.jpg)
高層ビルのような巨大な岩につかまって魚群を観覧。吐いた泡が速く流れていく
3. 鹿ノ川 中ノ瀬(かのかわ なかのせ)
![巨大なマンタがすぐ近くにやってくる! 頭上を通り過ぎることも!!](img/ph07.jpg)
巨大なマンタがすぐ近くにやってくる! 頭上を通り過ぎることも!!
冬から春にかけて、マンタが高確率で狙えるポイント。
水深も比較的浅く、流れもほとんどないので、初心者の方でも潜れます。
最近は、イソマグロやバラクーダの群れにも会える、最強ポイント!
最大水深20m 平均水深13m
流れはほぼ無し。
ボートで約40分
![和名のない巨大なブラックフィンバラクーダが中層を群泳することも](img/ph08.jpg)
和名のない巨大なブラックフィンバラクーダが中層を群泳することも
4. 崎山 沖ノ根
![運が良ければイソマグロとバラクーダが同時に視界に入ってくることも!](img/ph09.jpg)
運が良ければイソマグロとバラクーダが同時に視界に入ってくることも!
オガンに行けない時などに潜る西表周辺の大物ポイント。
特に春は魚影が濃く、イソマグロが100匹以上で群れることも!
稀に上の写真のようにイソマグロとバラクーダの群れのコラボしてます!
最大水深20m 平均水深12m
流れは速い時もあります。ドリフトなので、条件的にはオガンと一緒です。
ボートで約30分
![日本とは思えないブラックフィンバラクーダの群れ](img/ph10.jpg)
日本とは思えないブラックフィンバラクーダの群れ
5. シークレットガーデン
![色とりどりのエダサンゴ群落にデバスズメダイが大乱舞](img/ph11.jpg)
色とりどりのエダサンゴ群落にデバスズメダイが大乱舞
島の西側、崎山のリーフ内のポイント。
何と言っても浅瀬のサンゴ礁がめちゃくちゃ綺麗! エダサンゴの発色が鮮やかでその周りに無数のデバスズメダイが群れてます。7年前の白化現象からかなり復活してきて、全盛期に迫るくらいの美しさです。
最大水深12m 平均水深4m
流れはほぼ無し。
浅瀬で下はほぼサンゴなので、サンゴを折らないよう、注意が必要。
ボートで約30分
![フォト派はよく動きを観察してみて。一斉に動きを変える瞬間の写真が撮れる](img/ph12.jpg)
フォト派はよく動きを観察してみて。一斉に動きを変える瞬間の写真が撮れる
6. 元祖崎山
![根の上は大小さまざまなサンゴが群生!](img/ph13.jpg)
根の上は大小さまざまなサンゴが群生!
潮通しが良いポイントで、根の上はエダサンゴや巨大なテーブルサンゴに覆われて、それだけでも綺麗なんですが、春のある期間限定でバラフエダイが巨大な群れを成す時がある。
ここまでの群れは、西表でもここでしか見られない光景!
最大水深23m 平均水深10m
流れ ややあり
ボートで約30分
![春の愛の季節にバラフエダイが巨大な群れを成すことも](img/ph14.jpg)
春の愛の季節にバラフエダイが巨大な群れを成すことも
7. バラス東
![サンゴが群生する浅瀬のリーフはまさに楽園のよう](img/ph15.jpg)
サンゴが群生する浅瀬のリーフはまさに楽園のよう
西表島の北側、バラス島の東側にあるリーフ。
水深18mには全幅2m以上ある巨大なウミウチワがあり、浅瀬のリーフにはエダサンゴがびっしり!
その周りに、オレンジのキンギョハナダイやアカネハナゴイが乱舞する、楽園のようなポイントです!
最大水深20m 平均水深8m
流れ ややあり
棚上は、水深3〜4mとかなり浅くなるので浮かないよう注意が必要
ボートで約15分
![水深18mに生息する巨大なウミウチワ](img/ph16.jpg)
水深18mに生息する巨大なウミウチワ
8. 美田良浜(みだらはま)
![日本ではレアなトウアカクマノミが見られる](img/ph17.jpg)
日本ではレアなトウアカクマノミが見られる
マクロ好きに人気のポイント。
砂地に根があり、その周りにはテンジクダイが群れ、タテジマキンチャクダイの子供やミナミハコフグなどがいることも! 砂地には、日本にいるクマノミの中で最も数が少ないトウアカクマノミもいますよ! 藻場には、葉っぱに擬態しているセダカカワハギの子どもやウミウシ、カエルアンコウの子供など、可愛い子が盛り沢山です♪
ボートで約10分
![ダイバーに大人気のセダカカワハギの子ども](img/ph18.jpg)
ダイバーに大人気のセダカカワハギの子ども
9. T’sエリア(ティーズエリア)
![マンジュウイシモチの赤ちゃんの群れが見られることも](img/ph19.jpg)
マンジュウイシモチの赤ちゃんの群れが見られることも
船浮湾の奥に位置する汽水に近いポイント。
アイドルのマンジュウイシモチは夏前に子どもがたくさん出てきて、この時期の人気者!
ほかには、こういうところにしかいないテンジクダイの口内保育やギンガハゼ、オイランハゼなどの人気のハゼなど、マクロ好き、のんびり撮影したい方にオススメのポイントです。
最大水深8m 平均水深4m
流れなし、透視度が悪いのではぐれないよう注意が必要。
ボートで約25分
![ギンガハゼなどハゼ好きにもたまらない](img/ph20.jpg)
ギンガハゼなどハゼ好きにもたまらない
10. レニンフェア
![足の踏み場もないほどリーフ上に大小さまざまなサンゴが群生](img/ph21.jpg)
足の踏み場もないほどリーフ上に大小さまざまなサンゴが群生
鳩間島のリーフ沿いの新しいポイント。
何年か前にオニヒトデ被害で壊滅的ダメージを受けたポイントでしたが、サンゴがここ数年で急成長!
根の上は隙間なくテーブルサンゴが群生して、まさに圧巻の光景!
西のシークレットガーデン、北のレニンフェア、2大サンゴポイントです!
最大水深10m 平均水深5m
流れ 時にややあり
一面のサンゴなのでサンゴを壊さないよう注意。
ボートで約25分
西表島で潜るには
島のダイビングサービスを利用
西表島の海を存分に潜るなら、島に滞在して、島のダイビングサービスを利用することになります。
大きな島だけに唯一の公共交通機関である高速船が到着する港が2つ。北の上原港、東の大原港がそれです。ダイビングサービスは北部、東部にあり、多くは北部の上原港を利用することに。《ダイビングチームうなりざき》の場合も上原港を目指します。
5月中旬以降のウエットスーツ選び
既に夏のような季節を迎えている西表島ですが、5月以降、どんなウエットスーツを持っていけばいいでしょう? 森脇さんに聞いてみました。
「水温は25℃〜。5mmワンピース、寒がりの方はフードベストがあったほうが良いかも。7月以降は水温が30℃近くなるので、3mmのワンピースでも大丈夫」とのこと。
では、船上で必要なものは?
「5月はたまに北風が吹くこともあるので、ボートコートがあれば重宝します。コロナ対策として、マイボトルがあるといいですね」
そうなんです、飲み物は麦茶やコーヒー&紅茶用のお湯を用意してくれます。その日使う「マイコップ」も用意されていますが、マイボトルがあれば安心ですよ。
なお、アフターダイブに無人売店などで旬のマンゴーやパイナップルを買っておいて(リーズナブルなのです)、翌日のダイビングに持参するのもオススメです。
10月半ば頃~4月頃のシーズナリティ
10月半ば頃から北風が吹き始めると、水温は25℃を切るようになるため、5mmワンピースまたはフルスーツ、年末年始~春先はフード、インナーも必要になります。ボート上もボートコート、冬場はダウンジャケット必須です。西表島は亜熱帯気候で年間を通して最低気温が15℃を切ることはほぼなく、水温も20℃を切ることはほとんどないのですが、体感温度が低くなるので、注意しましょう。
なお、《ダイビングチームうなりざき西表》は年によって異なりますが、年末年始を除く12~2月はクローズになりますのでご了承を。
西表島に泊まる
最初に紹介したように大きな西表島には定期便が発着する港が2つあります。宿泊するのもどちらかの港の周辺となります。ダイビングサービスの近い宿に泊まるのがオススメ。たいていダイビングサービスが提携していますので、旅行会社のパッケージツアーを利用せずに自分に手配するならダイビングサービス予約時に相談するといいでしょう。
《ダイビングチームうなりざき西表》は北部の上原港から車で約5分の上原エリアにあり、宇奈利崎と呼ばれる岬に近いのが特徴。《ホテルイルマーレウナリザキ》を併設しているほか、徒歩1分ぐらいのところにアジアの隠れ家風リゾート《ヴィラうなりざき》もあります。満室の場合も周辺に民宿ほか宿泊施設がいろいろあります。
ホテルイルマーレウナリザキ
![南欧スタイルの素敵な外観が目印](img/ph28.jpg)
南欧スタイルの素敵な外観が目印
![シンプルながら設備充実の快適なツインルーム](img/ph29.jpg)
シンプルながら設備充実の快適なツインルーム
宇奈利崎に近い高台にあり、全40室がオーシャンビューで、おひとり様ダイバーにも利用しやすいようリーズナブルなシングルルームが22室もある、ダイバーにやさしいホテル。タオル、リンスインシャンプー、ボディソープなど必要なアメニティがそろう。ビュッフェスタイルの朝食付きなのも魅力。
ヴィラウナリザキ
![海が見渡せるリゾートは庭が広くて爽快感たっぷり。ハンモックがあるのでのんびりタイムにどうぞ](img/ph30.jpg)
海が見渡せるリゾートは庭が広くて爽快感たっぷり。ハンモックがあるのでのんびりタイムにどうぞ
![ヴィラタイプの客室は天井が高く、ベッドルームもバスルームも広々。バリのリゾートに舞い込んだよう](img/ph31.jpg)
ヴィラタイプの客室は天井が高く、ベッドルームもバスルームも広々。バリのリゾートに舞い込んだよう
バリなどのアジアンリゾートをイメージしたヴィラタイプの隠れ家風リゾート。緑や花が豊かな広い敷地に沖縄らしい平屋の建物がいくつか点在。2019年にはレストランもリニューアルし、広い庭でのディナーBBQ(要予約)もオススメです。宿泊には朝食も付いています。
西表島へのアクセス
まずは石垣島を目指そう
島のほぼ9割が原生林で、自然をひたすらに守り続けている西表島には空港がありません。一番近い空港は石垣島にある南ぬ島石垣空港。他都道府県やほかの島々から西表島に向かうにはまず石垣島を目指します。
羽田などからの早朝直行便を利用すれば、午前10時前後には石垣島に到着。お昼頃には西表島に入ることができますよ。
高速フェリーで約40分!
石垣島に到着したら八重山諸島への定期船が出ている石垣港離島ターミナルへ。路線バスなら空港から約30分(片道510円)、タクシーで約20分(片道約3,000円)の道のりです。
石垣港離島ターミナルで安栄観光または八重山観光フェリーのカウンターへ行き、チケットを購入。上原港へは片道約40分、大人片道2,690円ですが、往復は5,170円ですので往復分を購入しておくとオトクです。
なお、海況が悪く上原港行きが欠航になっても、同じフェリー会社が大原港まで運航していれば、そちらに乗り換えが可能です。大原港到着後、上原エリアへバス送迎が無料であります。帰りも同様です。
安栄観光のホームページはこちら