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冬だってあったか、快適に潜れるんです♪
ドライスーツの基本の(き)

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冬だってあったか、快適に潜れるんです♪ドライスーツの基本の(き)

体が濡れず、温かく潜れる。それがドライスーツ。寒い季節になっても快適に潜れるとあって、多くのダイバーが使っているアイテムだ。ここでは初めて使う方のために、ドライスーツの基本についてご紹介します。

そもそもドライスーツってどんなもの?

 ドライスーツとは、首から足の先まで一体になった完全防水のスーツのこと。水が入ってこない構造になっており、首と手首から先以外は濡れない。ドライスーツの下には水着ではなく動きやすい服(インナーと呼ぶ)を着る。ダイビングを終えた後はスーツを脱ぐだけでいいので、楽ちんだ。
 ドライスーツは冬に着るもの、と考えている人がよくいるが、「夏以外に着るもの」と考えたほうが正しいかも。日本の近場では、夏以外のシーズンは水温が20度をきることが多く、一着あるといつでも快適に潜れる。

これがドライスーツ。ウエットスーツ同様、さまざまなデザインが発売されている

これがドライスーツ。ウエットスーツ同様、さまざまなデザインが発売されている

寒い時期に潜るメリットは?

寒い時期の海、まるで水がないような美しさ!

寒い時期の海、まるで水がないような美しさ!

 水温が低い時期は、低いときにしか見られない景色がある。まずは透明度。水温が下がるとプランクトンが減少し、透明度が高くなる。ばしゃんっと入れば、そこはまるで南国! あまりの透明度の良さにびっくりするはずだ。
 また、ダンゴウオなど冷たい海でしか会えない生物や、砂地のサメやエイなどこの時期に多い大物たちがたくさん。寒い時期ならではの海を楽しもう!

寒い時期の代表、ダンゴウオ。体長1~2㌢と小さくダイバーのアイドルだ

寒い時期の代表、ダンゴウオ。体長1~2cmと小さくダイバーのアイドルだ

どんな素材を使っている?

 素材はネオプレンとシェルという2つの素材が主流。ネオプレンはウエットと同じ素材で保温性に優れており、伸縮性があるので体にフィットする。カラーも豊富。ウエイト量は通常より1~2Kg増える。
 一方、シェルは高い耐久性と素材に浮力変化がないことが特徴。水深によって浮力が変化しないので、水中で安定した浮力調整ができる。さらに、インナーを変えることで広範囲の水温に適応することが可能だ。見た目でいうと、ネオプレンはウエットスーツを一回り大きくしたような丸みがある形で、シェルは洋服のようなシルエットになる。
 そのほか、耐久性を増すために、〝ラジアル〟と呼ばれる強靭なラバー加工がされているものも増えてきている。
 最近ではデザインがこっているドライスーツが多くなってきており、ファッション感覚で楽しめるのがうれしい。

2014年新モデルの一例

ネオプレン:《mobby’s》QUEEN CLASSY DRY

 今季リリースの新モデル。袖と背中のパネルには千鳥柄の選択も可能で、襟パネルもスーツのアクセントとなっている。足元はロングブーツ風仕様が標準。表生地がラジアル・裏生地が起毛のため暖かく、また脚長効果もあり、女性におすすめ。

《mobby’s》QUEEN CLASSY DRY

ラジアル:《ZERO》LEGEND2 匠

 最新のラジアルスーツ。生地厚2mmラジアルドライスーツで、生地は丈夫なのはもちろん、使っていくうちに動きやすくなるのが特徴。ドライスーツ歴30年以上のプロ集団が作った最高傑作。

《ZERO》LEGEND2 匠

シェル:《mobby’s》T4 SHELL BREATHABLE

 水は通さないが、蒸気は透過してくれるシェル素材のため、汗をかいても快適に過ごせる。mobby’sオリジナルの解剖学を応用した動体裁断理論「A.C.T.」により動きやすく、セルフ脱着も可能。

《mobby’s》T4 SHELL BREATHABLE
『マリンダイビング』11月号

ドライスーツはどこで買う? いくらくらい?

 ドライスーツはメーカーで直接購入できるほか、ダイビングショップや器材量販店で販売している。値段はものによってピンキリだが、10~30万円代くらいが相場。だいたい既製品の値段になり、自分のサイズに合わせようと思えばプラス1~2万くらいだろう。
 また、各ダイビングサービスでレンタルもある。こちらはだいたい2,000~5,000円くらいが相場。中には冬にもっと潜ってほしい!という想いが強いサービスも多く、ドライスーツレンタル無料という所も多い。

ドライスーツの選び方は?

 自分がどんなダイビングスタイルをとるかで、選び方が変わってくる。近場にオールシーズン潜りにいき、自分のサイズにあった動きやすいものを選びたいなら、ウエットスーツと同じクロロプレン合成ゴム製がおすすめ。高い保温性とデザインの豊富さがあげられる。一方、毎日のようにドライスーツを使ったり、テクニカルダイビングなどハードなダイビングを好むようであれば、高い耐久性を保つファブリック製やラジアル素材がおすすめ。素材に浮力変化がないことから、水温に応じてインナーの厚さを変えることでどんな水温でも対応しやすい。

レンタルする場合、注意点は?

 レンタルドライスーツで一番気を付けてほしいのが、サイズ。見てほしいのは首と手首回りだ。ここが緩いと水没しやすく、水没してしまうと当然寒いので注意。少し緩いくらいなら、“シール”と呼ばれる、首と手首をきゅっと締められる道具があるので、それを貸してもらおう。
また、股の位置(足の長さ)も重要。直接水没とは関係ないが、短すぎたり長すぎたりすると動きにくい。

ドライスーツの中に着るものは?

 完全防水のため服を着てのダイビングとなるが、おすすめはダスーツメーカーから発売されている専用のインナーウェア。
インナーとして適切な要素は、吸湿性、速乾性、保温性が挙げられるが、これらをバランスよく、使いやすく備えているのが専用インナーウェアだ。ものによっては綿の量が変えて水温に応じて適応できる商品などもあるので、普段どんなダイビングをすることが多いかで相談してみよう。

《ゼロ》IW-6200

《ゼロ》IW-6200

IW-2200の3倍の中綿量を使用しており、保温効果は絶大。-2~5度というかなりの低水温下でダイビングをするのに最適だ。カラーはブラック1色。

《ゼロ》IW-2300

《ゼロ》IW-2300

今年流行りのカモフラージュ柄の生地を使用。よりおしゃれにキメたい方に。サイズはXXSからXLまで5段階あるので、男性にもおすすめ。

ドライスーツの着方は?

 インナーの上から着るドライスーツ。着脱方法にちょっとコツがあるので、予習しておくといい。わかりやすく動画で紹介しているので、以下をチェック!

これで寒い季節も快適!動画で見る!ドライスーツの着方

これで寒い季節も快適!動画で見る!ドライスーツの着方

最新ドライスーツカタログやスキルはマリンダイビングをチェック!

 『マリンダイビング』では、3号連続してドライスーツ連載を特集。もっとドライスーツの基礎を知りたい方はマリンダイビング2014年10月号、カラー掲載の最新カタログを見たい方は2014年11月号、ドライスーツを着たときのスキルを見たいかたは2014年12月号と、それぞれバックナンバーをチェック! 特に「難しい」と言われているドライスーツのスキルだが、12月号では誰でも実践できるスキル方法を写真付きで詳しく掲載しているので、おすすめだ。
今季はドライスーツを着て楽しく潜ろう!!

『マリンダイビング』12月号
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