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地球の海フォトコンテスト2021
The Blue Earth Underwater Photo Contest
世界最大規模の水中写真の公募展「地球の海フォトコンテスト」の2021年全入賞作品を発表!美しい海の世界を切り取った作品の数々に癒されてみては?
2021年部門別入賞作品
■氏名、タイトルなどの字体、特殊文字などが、応募者の表記と異なる場合があります。ご了承ください。
■撮影データ:基本的に「カメラ レンズ ハウジング ストロボ 絞り シャッタースピード ISO感度 撮影地 水深」という順番になっています。
ビギナー部門
水中写真歴5年以下、またはダイビング経験本数100本以下の方が対象。水中写真であればテーマは自由
上位入賞作品
お名前があ~か行の方
お名前がさ~は行の方
お名前がま~わ行の方
ビギナー部門 審査員総評
審査員紹介
ネイチャー・環境部門&自由部門
(審査員長)
福永友保
Tomoyasu FUKUNAGA
全日本写真連盟理事。千葉大学工学部卒業後、1967年に朝日新聞社に入社。1987年から北海道支社写真部キャップを務め、その後は大阪本社写真部部長、東京本社写真部部長などを歴任。
ネイチャー・環境部門
(審査員)
瀬能 宏
Hioshi SENOU
《神奈川県立生命の星・地球博物館》主任学芸員。専門は魚類分類学と生物地理学、保全生物学。ダイバーや釣り人などから写真を集めて研究に生かす、「魚類写真資料データベース」を構築中。
ネイチャー・環境部門
(審査員)
窪寺恒巳
Tsunemi KUBODERA
頭足類の分類・系統・動物地理学が専門。特にダイオウイカなど中深層性大型頭足類の生態および潜在生物量についての研究は世界から注目を集めている。現在は国立科学博物館名誉研究員。水産学博士。
ネイチャー・環境部門
(審査員)
木村麻里子
Mariko KIMURA
2011年環境省入省。知床世界自然遺産の保全管理、奄美大島の希少種 保全や外来種対策、沖縄本島北部で国立公園の指定に向けた調整等を担当した後、ワシントン条約の担当を経て、2019年7月より海洋生物多様性の保全等を担当。
ビーチフォト部門・
ショップ部門(審査員長)、
自由部門(審査員)
高砂淳二
Junji TAKASAGO
自然写真家。撮影フィールドは海を中心に地球全域に及び、自然全体の姿や生き物のつながり、人との関わり合いなどをテーマに撮影活動を行なう。新刊のフォトエッセイ集『光と虹と神話』(山と渓谷社)をはじめ、『PLANET of WATER』『Dear Earth』『night rainbow』ほか著書多数。
ビギナー部門
(審査員長)
鍵井靖章
Yasuaki KAGII
水中写真家。大学在学中に伊藤勝敏氏に師事。1993年よりオーストラリア、伊豆、モルディブなどで撮影に励み、1998年にフリーランスフォトグラファーとして独立。写真集『unknown』など著書多数。フォト派を集めた写真展「BLUE+」など多彩な活動を繰り広げている。
審査員総評
ネイチャー・環境部門
福永友保
自然の中にお邪魔しているという姿勢に被写体が気を許してくれるのでは
皆さん、ダイビングを楽しんでいるなと感じました。おもしろいもの、珍しいもの、楽しいものを水の中で探そうとしていることが読み取れます。ネイチャー・環境部門というのは、オーソドックスな、自分たちが水の中で遊ばせてもらっているものなんだというのが強くにじみでてくるものなので、楽しんで被写体を探すことは大事です。楽しみながら撮ってください。くれぐれも写真を撮る時に「水の中で撮らせてもらっているんだ」っていう気持ちを忘れないようにして写真を撮ると、被写体のほうであくびをしたりくしゃみをしたりしてくれるようになるんですよ(笑)。
瀬能 宏
突出したスゴイ作品がなく、審査は大荒れでしたね(笑)
応募点数が少なかったということもあるのですが、誰が見ても突出してすごいという写真がなくて、かなりもめましたよね。なかなか決まらなくてずいぶん時間をオーバーしたような気がします(笑)。新型コロナウイルス感染症のためになかなか難しい世の中になっていますが、ずっと続くわけではないと思いますので、またこれからもいい写真を撮ってほしいと思います。
窪寺恒巳
レベルの高い作品がある一方、ピントやライティングの稚拙さが目立つ作品も
昨年3月からずっと新型コロナウイルス感染症のせいでどこも人が行けないような状態だったので……。でも、水の中は密にならないので、ダイバーの方は一生懸命潜っていらっしゃったのではないかと思うのですが、それを裏付けるように写真としてはかなり面白い写真がありました。ただピントも合っていないし、ライティングもなっていないっていう写真も見受けられます。しかし、下手でもこういうところに出していると、励みになるのかなと思いますので、これからも頑張ってください。
木村麻里子
3位までに選ばれなかった作品にもいいものが多かった
私はタイトルも一緒に見るようにしているのですが、今回はこの世情を反映していて「密」「ソーシャルディスタンス」というのが出てきていて、今年らしいなと思いました。1年前にはこんなのなかったじゃないですか。「三密」「密ですよ」「ソーシャルダンス」がタイトルについていたのが今年の特徴だったかなと。
突出したものがなかったけれど、今日は選ぶのに時間かかったよねというお話もありましたが、裏を返せばどれがグランプリになってもおかしくなかった。それぐらい、みんな競っていたと思います。苦渋の決断で順位を決めましたが、どれが1位、2位、3位になってもおかしくなかった。ダイビングって南のほうでするイメージが強かったのですが、撮影地も日本のあちこちで潜られていて、びっくりしました。撮影をしに行きにくいこともあるでしょうけれど、感染予防に気をつけていただいて、これからもいい写真を撮って応募していただければなと。早く収まってみんなで行けるようになるといいですね。
自由部門
福永友保
最高と思った昨年をさらに上回る力作ぞろい、撮影者の表現力が確実に変化している
去年、私は「今年以上のものは出ない」と言っちゃったんだけど、今年また素晴らしい作品がいっぱい。それだけ表現の幅が増えてきています。アート性を追求しています。あるパターンを私はこう撮るわよっていうね、被写体の存在が強いのではなく、撮影者の表現力が強くなっています。確実に変わってきていますね、私にとってこれはとてもとてもうれしいことです。窓口が広がり、本当に素晴らしい。
高砂淳二
コロナ禍で鬱積したものが爆発したせい?自由な作品がたくさんあって、選ぶのに苦労しました
昨年から今年にかけてコロナ禍でそんなに潜りに行けなかっただろうとは思うのですが、今までの中でズバ抜けていい写真がありましたよね。オーソドックスな自然の良さをとらえたものからアート系のとんがった作品までいっぱいあって、最終選考に多数残り、最終的に上位を選ぶのに苦労しました。同じ人がたくさんいい写真を応募していることもあったけれど、別々の違う人がそれぞれにたくさんいい写真を応募していて、なぜだかわからないけれど、コロナ禍で悶々としていたところで海に出たためか、気持ちが乗っている気がしました。楽しんで撮っているのがよくわかって楽しませていただきました。
ビギナー部門
鍵井靖章
ビギナーならではの斬新な作品にいつも刺激されています
おもしろかったです。絶対言いたくない言葉だったんですけど、年々バラエティに富むようになりましたよね。バラエティに富むというのはカメラやライトなどが良くなってきているということもあるけれど、例えば1灯しかないライトで撮ってみたら、勝手に絵の中で影ができてくれてて作品として成立したような……。ビギナーの人が自分の持っているカメラで持っている一生懸命撮影して、持っている機能の限りで撮った作品が、光と影の世界っていうか、撮影者が意図していないところで上手く仕上がった作品ってあるんですよ。そういうのがすごいかわいいなぁと思って見ちゃうし、ビギナーなのにすごいいいカメラを持っていて、その機能をしっかり使って撮っている写真もあるし。同じビギナーなのに、出てくる作品にレベルに差があって、でもビギナー部門という視点で考えていって審査していくんですよ。どっちも評価したいと思っているので。
自分がビギナーの時に思っていたことで、なんでかわからないけど撮れちゃったというね、そこも楽しいな、と。
今後、上位を目指す人も自由にやっていいと思います。実験的な作品も大好きだけれど、でもどこかで生き物の美しさとか、大切さを見誤ってしまったら、ただのSNSで消費される写真になってしまうので、水中写真の王道じゃないかもしれないけど、動物写真として忘れてしまってはいけないこと、自然を敬う心とか水中にお邪魔しているという気持ちも大事なことだと思います。そんな水中写真としての本質的なところでも評価していきたい。
ビーチフォト部門
高砂淳二
海って本当に素晴らしいという気持ちが乗っている作品に惹かれました
ビーチフォト部門はいろいろな人が応募してくれていて、肩の力の抜けた作品から頑張っている写真までさまざまな写真がありましたけど。相当レベルに差もあるんだけど。いい作品はやっぱりものすごく良くて、海ってすばらしい!みたいな気持ちを潜っていない時も感じさせる勢いが伝わってきます。上位に入った作品も、一生懸命撮られているんだろうけれど、がしがし潜っている時と違う、陸上にいて穏やかな感じがやっぱり出てきているんですよね、それがこっちにも伝わったのがいいですよね。波乗りしながら撮っている作品にしても夕方の良さとか夕方っていいよねとか、夜の海も、海の好きな人が見た海辺の感じというのがどれも伝わってきてすごくヨカッタです。
地球の海フォトコンテストとは
1971年に始まった「マリンダイビング水中写真コンテスト」から数えると、40年以上の歴史を誇る、世界最大規模の水中写真のフォトコンテスト。「水中写真を撮るダイバーを一人でも増やしたい」という思いから始まり、デジタルカメラの普及に伴い、気軽に水中写真が撮れるようになり、今ではダイビングを楽しむ上で重要な要素となっています。
今年も「ネイチャー・環境部門」「自由部門」「ビギナー部門」「ビーチフォト部門」の4部門に国内外から数多くの作品が応募され、また、2019年より新設された「ショップ部門」では北海道から沖縄まで100余りのダイビングショップに参加していただき、大盛り上がりとなりました。
月刊『マリンダイビング』2021年5・6月合併号(4月10日発売)誌面でも各部門の上位、優秀賞、特別協賛賞、エリア賞とビギナー部門・ショップ部門の全入賞作品が掲載されています。