「マリンダイビング」最新号
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地球の海 フォトコンテスト2016
ビーチフォト部門 上位入賞作品
ビーチフォト部門 上位入賞作品
グランプリ
Beach dog
田中宏和/埼玉県
ニコンD7000 AF-S DX ED12-24mm F4G 自然光 f10 1/400秒 ISO200 タヒチ
「故舘石昭氏が魅了され、何度もMD誌に紹介されたタヒチ。私も元気なうちにと思い、シャークリバーを狙ってファカラバ環礁へ行ってきました。ブルー&グリーンのラグーン、ブルースカイ、フランス人のバックまでブルー。さぁリゾートの桟橋、先端のビーチハウスからシャークスノーケルを……というとき、ブラウンの老犬と目が合いました。“お前も歳なんだから調子に乗るなよ”と言わんばかりの表情にシャッターを切りました。選考していただきありがとうございます」
審査員作品評
高砂淳二
まず犬がかわいい。ちょっと情けない顔つきで、「なんでそんな表情しているの?」と話しかけたくなってしまいそう。座り方も頼りない、でもどこかかわいい。撫でたくなっちゃう(笑)。そして構図がいいですね。桟橋と海の配置がピタッと決まっていて気持ちがいい。全体の色合いも統一感があります。淡いブルーがかったようで、朝っぽい感じなのかなぁ。全体的にタヒチらしい雰囲気でまとまっています。これが柴犬だったらこの統一感はなかったでしょう。後ろのダイバーも何気に良いですよね。
準グランプリ
10秒間の奇跡
丸山智裕/神奈川県
ニコンD4S ニッコール24mm F1.4G ED 自然光 f1.4 10秒 ISO800 ケラマ諸島・阿嘉島
「阿嘉島の前浜で撮影した写真です。散歩中、街灯に少し照らされたケラマジカが暗い浜にぼんやり見えたとき、“これなら星と一緒に撮れるかも”とあわてて三脚を開き、絞りは開放、シャッタースピードは10秒に設定しました。“動かないで”という祈りが通じたのか、3頭のシカはシャッターを開けている10秒間じっと動かずこちらを見ていてくれました。奇跡的な10秒間を与えてくれた阿嘉島の自然に感謝いたします 」
審査員作品評
高砂淳二
満天の星空にケラマジカ。しかも3頭そろってこちらを見ている。立派な角に光る3対の目、立ち位置も絶妙で、画面の中では小さいけれど存在感があります。陸を照らしている明かりと星の明るさのバランスもよく、すべての調和が取れています。おそらく三脚を使ったのでしょうけれど、瞬間的にすぐ判断し行動するのは意外と難しいんですよね。動物は運が味方しないと撮れないものですが、運だけでは撮れません。一歩間違えば露光の過不足やブレが生じますから。本当に奇跡のような作品です。
優秀賞
入賞作品のうち、特に審査員の心に響いたもの、または最後まで上位入賞を競った作品です。
間
上野幸介/三重県
ペンタックスK-30 smcPENTAX-DA35mm F2.8 マクロ Limited 1/13秒 ISO100 三重県・鈴鹿市
審査員作品評
高砂淳二
おしゃれな作品ですね。防波堤と空の割合と人が小さくシルエットが真ん中にトントンとある、この「間」というのがいいです。控えめな感じだけれど、ある種の雰囲気を持った写真に仕上がっている良作です。
串本氷河
原澤宏/埼玉県
ペンタックスK-5 smcPENTAX DA マクロ 50mm F2.8 f2.8 2.5秒 ISO400 和歌山県・串本
審査員作品評
高砂淳二
「ライトアップされた岩を氷河に見立てた」そうですけれど、一瞬本当に氷河かと思ってしまいました。「串本で撮れるんだ!?」って(笑)。文句なしにきれいですし、構図も非常にうまい。いい雰囲気ですね。この方は上位入賞常連の方とのことで、さすがだと思いました。
母と子の遊び
松本昭子/京都府
キヤノンEOS5DMarkⅢ SP70-300 F4-5.6 f10 1/500秒 ISO200 トンガ
審査員作品評
高砂淳二
これ1頭だけではなく、その先に子どもの尾も写っているんですね。母子で水面をバッチャン、バッチャンたたいているところを実にいいタイミングで撮りました。こうやって遊んでいるのでしょう。タイトルを知ると、なおさら微笑ましく見えてきます。これもトンガ? やっぱり僕も行かないとですね(笑)。
雨あがり
斎藤惠美子/東京都
オリンパスTG-2 モルディブ
審査員作品評
高砂淳二
前回は準グランプリ、前々回はグランプリを受賞されているビーチフォト部門の上位入賞常連の方ですね。今回も上位に食い込むか、最後まで競った作品です。やっぱりいいタイミングで撮影されています。虹を見ているかのようなサギをうまい具合によく捉えています。
マリリンが見る天の川~シロに逢いたい~
沢口達也/東京都
オリンパスOM-D E-M1 ZUIKO DIGITAL ED ED 11-22mm F2.8-3.5 f2.8 30秒 ISO3200 ケラマ諸島・座間味島
審査員作品評
高砂淳二
これも良い狙いですね。マリリン(※)が本当に天の川を見ているように感じられる構図です。少し明るすぎる感じはありますが、夢のある良い雰囲気の作品です。
(※)かつて座間味島で飼われていたイヌの名前。「恋人」シロが対岸の阿嘉島におり、マリリンに泳いで逢いに来たという実話を基に映画化もされた。座間味島、阿嘉島にそれぞれマリリンとシロの銅像がある。
沖縄夕景
鈴木雅博/長野県
キヤノンEOSKissX3 シグマ70-300mmDG f20 1/400秒 ISO400 沖縄県
審査員作品評
高砂淳二
いかにも沖縄らしい作品。特徴である柄の部分と腕のシルエットを、ちょうどうまく分かれるように撮っているから、一目で「おぉ、三線(さんしん)だ!」とわかります。少しでも重なってしまうとゴチャゴチャになってしまいダメなんですね。夕日に三線を奏でる雰囲気がよく伝わってきます。