地球の海　フォトコンテスト2016
ビギナー部門　上位入賞作品

ビギナー部門　上位入賞作品

グランプリ

ものおもい
川﨑恵果／東京都・小笠原

キヤノンG16　小笠原諸島　水中写真歴1年　パパスダイビングスタジオ

「初めてのフォトコンテスト応募だったので驚きました。ありがとうございます。撮影したのは父島の『三畳一間』という穏やかなスポット。遠目でもギンポがサンゴに乗っているのが見えました。気づかれないように横からこっそり近づき、画面奥を魚が通るタイミングを狙って撮影。ギンポが撮影者を意識しないで何かに集中しているような、もしくはボ～ッと風景を眺めているような、そんな雰囲気が出るといいなと思いました。今回の応募に際しては、このときのガイドさんに手取り足取り教えていただき大変感謝しております。島在住の強みを生かし、まずは潜る回数を増やしてダイビングと写真のスキルアップを目指していきたいです」

審査員作品評

鍵井靖章
海の中にあるいろんな不思議がつまっている感じ。僕自身がこういった景色に出会ったことがありません。こんな面白いデザインのサンゴがあって、その上にカエルウオがチョコンと乗っていて、その背景に魚が群れている。これは、僕たち撮影者が見ている風景であると同時に、魚たちが見ている風景でもある。2つの景色が1つの画の中に入っているんですよねぇ。その視点が面白いことと、自然の造形美も描かれていて素敵です。そして、この作品の撮影地を知って軽くショック（笑）。小笠原といえばボニンブルーの藍の海というイメージだったんですが、こういう風景もあるんだと気づかせてくれました。

準グランプリ

青の世界
好川理絵／東京都

オリンパスXZ-2　PT-054　メキシコ・セノーテ　水中写真歴4年

「3年越しの思いから、やっと行けたセノーテで一番感動した『EL PIT』での1ショット。今まで経験したことのない透明度と射し込む太陽の光の中、最大深度37.5㍍まで潜り、緊張しましたが夢中でシャッターを切っていました。ダイバーが光に吸い込まれていくような神々しい青の風景が自分でも一番気に入っているので、評価いただき嬉しく思います。これからも海の中で感動する写真を撮って、いろいろな人と共有していきたいと思います」

審査員作品評

鍵井靖章
この作品を準グランプリに選んだ大きな理由は、この中に冒険の要素があるからです。海の中に入っていくということは、「一つの未知なる世界への冒険なんだ」「旅なんだ」ということを表現してくれています。しかもダイバーの位置をうまく利用していますね。これで空間の奥行きが演出され、見ている僕たちをもこの世界にいざなっているかのようです。そういえば、青は人間が一番好きな色だそうですよ。その青のグラデーションで構成されているという点も気持ちがいい理由かもしれません。

優秀賞

入賞作品のうち、特に審査員の心に響いたもの、または最後まで上位入賞を競った作品です。

Shall We Dance?
永広真理奈／神奈川県

オリンパスOM-D E-M5markⅡ　M.ZUIKO DIGITAL ED 60mmF2.8マクロ　PT-EP13　f2.8　1/250秒　ISO100　石垣島　水深15㍍　水中写真歴2年　S2クラブ石垣店

審査員作品評

鍵井靖章
巣穴の上にホバリングしているヒレナガネジリンボウを正面から撮っています。この魚の画面への入れ方が構図的にすごく良くて、黒く長い背ビレも効いています。しかも素晴らしいことに縦位置で撮っている！　そのせいか、もちろん魚なんだけれど、本当は魚ではなくて身近な何か別の存在、例えば人によって女性に見えたりしてくるのでは……と惑わせる素敵な作品です。

Cheers!
原奈穂美／東京都

キヤノンEOSKissX7　EF S60mm F2.8マクロ USM　RDX-100D　YS-D1　f2.8　1/50秒　ISO100　高知県・柏島　水深10㍍　水中写真歴4年　ポレポレダイ

審査員作品評

鍵井靖章
このワイングラスのようなもの、貝の卵なんですね。これだけをクローズアップしても絵になるきれいな被写体なんですが、近くにいたウミシダをぼかしつつ入れることで、この「ワイングラス」とウミシダに関係を持たせたという視点がにくい！　機転の利いた、観察力に優れた作品です。

肖像画
福岡琴野／大阪府

オリンパスTG-3　UFL-M150 ZM80　PT-056　YS-D1　f5.6　1/125秒　ISO200　メキシコ・ラパス　水深10㍍　水中写真歴2年　ファンバハ

審査員作品評

鍵井靖章
僕はもう十数年にわたってアシカを撮影していますから、こんな感じで間近に寄ってきたシーンも撮ったことはあります。が、ヒゲの質感をここまで出せたことはありません。こんなに透明だったのかとか、ちょっとプラスティックみたいだなと驚いたんですけれど、なんとこれがコンパクトデジタルカメラでの撮影とのこと。大きな機材で撮っている自分が恥ずかしく……（小声）。

フグ玉出現！！
西村和美／福岡県

オリンパスTG-4　屋久島　水中写真歴0.5年　屋久島ダイビングライフ

審査員作品評

鍵井靖章
これはもう「面白い！」の一言です。まずこのフグ玉というものに会える幸運、ラッキーな人でうらやましい（笑）。そしてフグ玉だけではなく、ガイド（あるいはバディ）さんも一緒に画面内に入れたところがいいです。「海の中にはこんな不思議がつまっているんですよ」と言っているみたいで、とても楽しい写真だと思います。

しなる
岩谷小百合／東京都

キヤノンPowerShotS120　WP-DC51　自然光　f2.8　1/50秒　ISO80　オーストラリア・グレートバリアリーフ　水深4㍍　水中写真歴3年　ディープシーダイバーズDEN

審査員作品評

鍵井靖章
いやー、このナポレオンの艶めかしさがヤバイです。ナポレオンはいろいろな人たちがさまざまな写真を撮っていますけれど、こういった上からの角度は意外と珍しい。海底が砂地なので俯瞰で撮っても背景がすっきりしているんですね。だからナポレオンの体の美しさが十分に表れているのだと思います。色っぽい！