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Marine Diving  連動企画 Vol.6
水中VR映像を360˚カメラで楽しもう!

北島清隆カメラマンの作例で学ぶ
VR動画撮り方のコツ

北島清隆カメラマンの作例で学ぶVR動画撮り方のコツ

海の中の感動を丸ごと記録し、後からVRで楽しめる360°カメラは、今注目の水中撮影機材。今回は沖縄・石垣島を拠点に活躍中の北島清隆カメラマンの作例をお手本に、360°カメラでのVR動画の撮り方のコツを紹介。

協力:リコーイメージング

※2019年4月現在の情報です。

沖縄の海は360°VR動画の
被写体になる風景や生物がいっぱい

北島氏はTHETAの発売当初から、さまざまな作例を撮影してきている。今回は沖縄・石垣島、西表島、宮古島、与那国島などで撮影されたさまざまな作例を紹介していくが、まずは、宮古島の気持ちいいサンゴ礁の風景、そして与那国島の「海底遺跡」の動画をVRで楽しんでみよう!

※モバイル端末の場合は、最新バージョンのYouTubeアプリをご使用ください。パソコン上でYouTubeの360度動画を視聴するには、パソコン用のChrome、Opera、Firefox、Internet Explorerの最新バージョンが必要です。

浅瀬にある元気なサンゴ礁をスノーケリングで撮影。

浅瀬にある元気なサンゴ礁をスノーケリングで撮影
(撮影:北島清隆/宮古島・八重干瀬/協力:marine jungle)

★VRゴーグルを使用して360˚動画を見る方法 ≫

世界中のダイバーが注目する海底遺跡をVRダイブ! 巨大なメインテラスは神殿のようにも見える。

世界中のダイバーが注目する海底遺跡をVRダイブ! 巨大なメインテラスは神殿のようにも見える
(撮影:北島清隆/与那国島・海底遺跡/協力:Diving service MARLIN)

360°動画の撮影時は、上下左右
すべてに被写体がある状況が理想

360°カメラは、自分が潜ったダイビングスポットを丸ごと記録し、残すことができる。そして後からVRゴーグルで見れば、まるで自分がそのスポットに潜っているかのような感覚が味わえる。被写体となる生物、ダイナミックな地形や美しいサンゴ礁などがあり、透明度が高く、明るい沖縄の海は360°カメラでの撮影に向いているが、ただ何となく撮るのではなかなかいい動画は撮れない。

「360°カメラは超広角なので、カメラの上下左右に被写体があることが、おもしろい映像を撮るためには欠かせません。自分自身は動き回らず、周りにいつも何かがある状態というのがポイントになります」と北島氏。
既存のデジカメでは、被写体を探して近づき、撮影するのが鉄則。しかし360°カメラでは、被写体が近づいてくるのを待つほうが、よりおもしろい映像が撮れるという。では作例を見ながら、撮影のポイントをチェックしよう!

魚の群れは、カメラを固定して撮るといい

VRカメラで置き撮りすれば、群れの真ん中から間近に魚たちを見ることもできる

VRカメラで置き撮りすれば、群れの真ん中から間近に魚たちを見ることもできる
(撮影:北島清隆/西表島・網取 与那曽根/協力:西表島WATERMAN)

360°カメラは、自撮り棒をつけて自分で持って撮影するのがポピュラーな撮影方法。しかし魚群を撮るときは気をつけないと、近づくと群れがばらけてしまう。
そこで北島氏がよく行なっているのが、水中ハウジングケースに重りをつけて、海底に固定して撮影する方法。この作例もその方法で撮影されている。
「群れを撮るときは、カメラを固定するのがおすすめです。1kgのウエイトをハウジングケースに付けて、サンゴなどがない場所に置き、撮影開始のボタンを押して、自分は離れます。すると人間が写り込まず、群れが近づいたり離れたりする様子が自然に撮れて、リアルな水族館のような感じになります。ただしカメラを設置した場所を、見失わないように気をつけましょう」。
魚たち本来の姿が撮影できるこの方法、ぜひ試してみよう!

マンタは、超接近したときが狙い目

2枚のマンタが頭上を優雅に泳ぐ様子をVRでウオッチング!

2枚のマンタが頭上を優雅に泳ぐ様子をVRでウオッチング!
(撮影:北島清隆/石垣島・川平マンタシティポイント/協力:ちぃむどんどんダイビング)

沖縄には石垣島を筆頭に、マンタと会えるスポットがある。マンタもぜひトライしてみたい被写体のひとつだ。
「マンタスポットはマンタを根で待つパターンが多いので、かなり近くに来るまで待って、シャッターチャンスを逃さないようにしたいですね」。
マンタが出てきたからといって、急に近づいていくのはルール違反。タイミングを見計らって、自分のほうに近寄ってくるところを撮影できるとよい。

またマンタを待っているときにも、おもしろい画が撮れることもある。
「マンタの群れを狙って待っていたとき、最初は姿を見せてくれませんでした。そのとき、ダイバーが次々エントリーしてきました。360°カメラで撮影したら、ダイバーたちがスカイダイビングで空から降りてくるように見えて、これはこれでおもしろい動画になりました」。
マンタスポットでは、マンタそのものを撮ることはもちろん、マンタスポットで潜っているダイバーたちも被写体になる。いろんな撮り方を楽しんでみよう。

地形スポットはビギナーから撮りやすい

冒頭でも紹介したが、今回の北島氏の作例の中には、地形スポットとして人気の与那国島「海底遺跡」で撮られた作品も。VRゴーグルで見ると、自分が「海底遺跡」を探検している気分になれる!

人工物か自然によるものか、水路のような巨大な岩の裂け目に入ってみよう

人工物か自然によるものか、水路のような巨大な岩の裂け目に入ってみよう
(撮影:北島清隆/与那国島・海底遺跡/協力:Diving service MARLIN)

不思議な四角いトンネルを抜けたら、目の前には重なった状態で立つ「二枚岩」が現れる

不思議な四角いトンネルを抜けたら、目の前には重なった状態で立つ「二枚岩」が現れる
(撮影:北島清隆/与那国島・海底遺跡/協力:Diving service MARLIN)

「地形スポットは、360°カメラに向いていると思います。洞窟はダイビング中にずっと撮っているだけで、探検気分が味わえる動画が撮れます。また与那国島の『海底遺跡』では、広々したメインテラスはダイバーを入れて撮れば雄大さがよくわかりますし、二枚岩の穴をくぐっていくところもおもしろいですよ」。
地形スポットを撮る場合は、自撮り棒にハウジングを取り付けて、ダイビング中に持ちながら撮影するだけでOK。なるべく画面があちこち行かないようにカメラを動かさずに撮ったほうが、見やすい動画が撮れる。
「地形スポットは360°カメラのビギナーでも撮りやすいですよ」と北島氏。ぜひチャレンジしてみよう。

不思議な四角いトンネルを抜けたら、目の前には重なった状態で立つ「二枚岩」が現れる

キラキラと光が差し込む地形スポットでダイバー達と洞窟探検
(撮影:北島清隆/鳩間島・ロリータポイント/協力:西表島WATERMAN)

ダイビングスポットを丸ごと記録できる360°カメラの動画は、自分が潜ったスポットの記録を、水中写真よりリアルに残せる。
「ダイビングガイドの方が持って撮影すれば、ダイビングスポットのブリーフィングなどでも活用できますし、ログ付けでも活用できるのではないかと思いました」と北島氏。360°カメラで撮影した水中動画は、さまざまな場面で役立ちそうだ。

北島カメラマンが伝授する
360°カメラ 使いこなしのコツ

1. 上下左右に被写体が入るようにする

超広角な360°カメラ。カメラの上下左右に何かしら被写体が入るようにすると、おもしろい画が撮れる。また魚の群れなどでは、被写体のど真ん中にカメラが入るようにするといい。

2. セルフタイマーをうまく使う

THETA Vは動画撮影もセルフタイマーが使えるようになった。セルフタイマーを使うことで、自分の手の写り込みもなくなる。
(プラグインストアからSelf-timer Lockedプラグインのインストールが必要)

3. 動画撮影ではなるべくカメラを動かさない

撮り始めたらまずは30秒、カメラを動かさずにそのまま撮影。けっこう長く感じるけれど、そこは我慢。動きが激しい動画は、見ていて疲れる。カメラを動かすときも、ゆっくりと。

人物が主役の
スノーケリングシーンもおもしろい

ダイビング中だけでなく、スノーケリングでも楽しくてきれいな映像が撮れる。北島氏の香港で行なわれた写真展で人気だったというこの作品は、2人の女性スノーケラーが気持ちよさそうに泳いでいて、見ているだけで癒される。

浅瀬の明るい水中で二人の女性スノーケラーが上下左右を優雅に泳ぐ様子を撮影。

浅瀬の明るい水中で二人の女性スノーケラーが上下左右を優雅に泳ぐ様子を撮影
(撮影:北島清隆/黒島・黒島テラピー/協力:FLOWFISH)

この作品では、2人の女性スノーケラーが左右から泳いでくるが、人物を入れるときは、カメラの左右に配置すると、迫力ある動画が撮れる。また360°カメラでは上下左右すべてが写るので、上に下に深度を変えながら泳いでもらうと、この作例のように臨場感あふれる動画になる。VRで見ると、自分も泳いでいるような気分になれるので、ぜひ試してみて!

ボートの上、マリンスポーツ中、
ビーチとさまざまな場面を撮ってみよう

美しい景色が広がる沖縄では、陸上でも360°カメラをフル活用したい。

スポットへの移動中にボートの上から海を撮る

「ボートの上から撮影すると360°海が広がる気持ちいい風景が撮れます。2階がある船なら、上に上がって撮るとさらにいいです。ベタ凪ぎだったら、最高ですね」。

SUPやカヤック、カイトサーフィンなどでも
撮影にチャレンジ

「THETA Vでの作例を依頼され、どういうふうに撮るのがおもしろいのだろう?と考えました。360°カメラの特性として、上下左右どこにでも何かがあることを意識しようと思いました。そこでSUPのボードの先端にカメラを設置して、愛犬の顔を入れて撮影してみたり、片手でカメラを持ってカイトサーフィンで海の上を滑走してみたり、いろいろチャレンジしました」。
これらの北島氏の撮影した映像は、RICOH THETAのホームページで見られる。ぜひチェックしてみよう。

ビーチは、ある程度狭いほうがいい

「ビーチをうまく撮りたいと思ったら、ある程度狭いビーチのほうがいいですね。自分が入らないように、すぐ後ろにアダンの木があるとか、隠れる場所があるといいですよね。またビーチから海へ入って、スノーケリングするなんていうのもおもしろい動画になるかもしれませんね。石垣島では潮が引いているときに、歩いて探すと撮影にいいビーチが見つけられます。動画で撮るなら音も入るので、バラス(サンゴの破片)があるといい音が録れますよ」。

ダイビング中はもちろん、自分が体感したシーンを撮影して残し、後からVRで楽しめる360°カメラ。北島氏の作例を参考に、あなたも360°カメラでの撮影にチャレンジしてみよう!

Photographer
北島清隆 Kiyotaka Kitajima

北島清隆

Profile

1966年生まれ、東京都出身。1986年にマリンスポーツのインストラクターとして小浜島を訪れた際、その美しい自然に魅せられ東京から移住。石垣島在住31年。沖縄の島々を中心に南の島々、海と島と空の彩りをテーマに風景や水中、空撮などの写真や映像を撮影。最近ではドローンや360°VRを使った撮影にも力を注いでいる。主な著書に『秘密の沖縄スポットガイド』(エクスナレッジ刊/2016年)がある。APA日本広告写真家協会正会員。 

今回北島カメラマンが撮影に
使用したのはこの機材

今回北島カメラマンが使った機材は、4K動画が撮れるハイスペックな360°カメラ「THETA V」と「水中ハウジングケース TW-1」のセット。音声も記録できるので、ダイビング中のレギュレーターでの呼吸音、陸では波の音などもリアルに残せる。

RICOH THETA V

コンパクト&スリム、かつ高品質な360°画像の撮影と、使いやすさが両立した360°カメラで、「THETA(シータ)」のハイエンドモデル。高精度なつなぎ処理(スティッチング)で、自然な360°映像が撮影できる。また4K動画対応、360°空間音声記録のできる4chマイク搭載で、その場にいるような臨場感あふれる映像が記録できる。
幅45.2mm×高さ130.6mm×奥行き22.9mm(レンズ部を除くと17.9mm)、質量/約121g

RICOH THETA V

水中ハウジングケースTW-1

水中での360°撮影を実現する水深30mまでの防水性能(IPX8、JIS保護等級8級相当)を備えた水中ハウジング。THETA Vの他にTHETA SCや製造終了モデルTHETA Sにも対応している。電源ON/OFF、静止画/動画の撮影モード切り替え、レリーズボタンの操作をケースに入れたまま行なえる。三脚座を備えているので、さまざまなカメラアクセサリーに取り付け可能。

対応機種:RICOH THETA V, S, SC

水中ハウジングケースTW-1

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VR動画まとめページ
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最新の動画をはじめ、各地の海で撮影されたVR動画のまとめページを新たに公開中! 大物、魚群、地形、サンゴ礁etc……。迫力のVR動画で、いろんな海を楽しめる!! ぜひ見て、楽しんで!!

360˚VRまとめページはこちら ≫

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