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第23回 ナビゲーション Part 2

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第23回 ナビゲーション Part 2

前回に引き続き、コンパスナビゲーションの基本をおさらい。
ガイドさんについていくだけのダイビングではなくて自立したダイバーになるためには、セルフダイビングができることが絶対条件。
耳ぬきや中性浮力など基本スキルを身につけるのはもちろんだが、最初から最後までバディとともに安全に行って帰ってこられることが大事。
そのためにも、最低限のナビゲーションは覚えておかなくちゃ!

スクエア(正方形)に動いてみよう

コンパスの読み方、基本用語は前回を参照してほしいのだが、コンパスを使う上で大事なことは、スタート地点でインデックスで磁針(北を向いているほう)を挟むこと。

ちなみに、コンパスの円盤状には磁針が描かれていて
北(N)は180°
南(S)は0°
東(E)は270°
西(W)は90°
となっている。

だが、回転ベゼルはインデックスのある箇所が0°。
ここをN極に合わせるので円盤と回転ベゼルの数値は180°ずつ異なる点に注意しよう。

【地点A】

ということで、スタート。
まず進行方向(沖)にまっすぐに向かってコンパスを持つ。
その後、回転ベゼルを回して磁針をインデックスで挟む。

元来た場所がわからなくならないよう、この回転ベゼルはスタート時で固定したらそれ以降は回さないようにすること!

このときラバーラインの先にある数値を読んでみると、写真の場合は円盤の数値は270°よりやや多い280°(ほぼ東)。

ラバーラインの向こう側が示しているのは約100°になっている。
N極に対して100°の方向に進むことを意味している。

回転ベゼルの数値と同じく、約100°となっている。

この数値は覚えておきたいものだが、いろいろやっているうちに忘れかねないので、水中ノートやスレートに記しておくと便利だ。

ところで、話はそれるが、直線距離で泳げるようになることもコンパスナビでは重要なポイント。 前回の連載で書き忘れてしまったのだが、往復する際に、直線に泳ぐスキルを身につけておこう。

ダイビング用のコンパスには手前に窓=サイドリーディングがあって、 ここから角度を見ることもできる。

ダイビング用のコンパスには手前に窓=サイドリーディングがあって、 ここから角度を見ることもできる。

さらに、正方形に泳ぐということは、4辺を同じ距離にすることが大事。 例えば20mのロープに沿って何キック(両足をそれぞれキックしたときは1キックサイクルという)で泳げるか、自分が1キックサイクルでどれぐらい泳げるのかをあらかじめ確認しておくことがポイントとなる。 より正確に知るには、やはりナビゲーションのスペシャルティを受けておくといいと思う。 筆者も水中にスケールを持って行ってもらって測ったことがあるが、ある程度のキック距離がわかって役立っている。 ただ、海況によって逆流になったり、横から流れがかかったりしていると、キックする距離が短くなったり、まっすぐに泳げなくなるなど自然の中ではいつも同じように泳げるわけではないのだが……。

さて、コンパスナビで正方形に泳ぐことに戻る。

例えば一辺を20mとすると、たぶん筆者は12キックサイクルぐらいで行けると思うのだが、そこでいったん止まる。 時計回りに曲がるとして、進行方向から直角、つまり90°プラスするように体とコンパスを少しターン。

回転ベゼルは回さずそのままなので、ここでは円盤の数値で考える。 もともと約280°だったので、プラス90は370=約10°となる。

【地点B】

サイドリーディングで見ると、先ほど約100°だったので、プラス90は約190°。

両方を見ると、こんがらかるかもしれないので、どちらか見やすいほうで見ていくことをオススメする。
この状態を保ちながらまた20m進んでみる。
そして、再び90°ターン。

【地点C】

円盤は先ほどの10°にプラス90なので100°になるはず。
写真はちょっと誤差があるのだが、なったと思ってください(汗)。
また、理論的には、ここではスタート地点とは南北が逆になるはず。
磁針を見ると……、インデックスのところにS極が!
大体OKということだ。

サイドリーディングのほうも順調にプラス90で約280°だ。

サイドリーディングのほうも順調にプラス90で約280°だ。

ここでさらに90度時計回りにターン。
この状態で再び20mを泳ぐと、理論上では、スタート地点から90°右へ20m行った所にいるはずである。

【地点D】

先ほど100°ぐらいだったので90を足すと190°。ふむふむイイ感じだ。

サイドリーディングの場合はさっき280°だったので90を足して約10°。
理論どおりである。

ということで、この後、まっすぐ20m行ったところ、しっかり元に戻ってこられた。 正方形ダイビング、大成功!となる。

応用として、移動距離を、平行する2辺を同じ距離にすれば、長方形のコンパスナビも同様にできる。
四角形で移動する場合は90°で曲がるというのがポイントだ。

三角形パターンに挑戦!

では三角形に移動するならどうすればいいだろう。
正三角形なら180°÷3=60°で、実際にターンするのは外角の120°だから、120°ずつターンしていけばいい。

ということで、今度は1辺30mの正三角形パターンで泳ぐ計画を立ててみる。

スタート地点でコンパスを設定。

【地点E】

N極に対して約250°、西南西に移動することに。
Nにインデックスを合わせ、ラバーラインの先の数値を確認すると、約70°だ。

サイドリーディングのほうは、回転ベゼルと同じ数値が来るはずというのは正方形のときと同じ。

約250°ということにする。

この状態を保ちながら、まずはまっすぐ30m。
筆者の場合は17キックサイクルぐらい。たぶん男性で脚力がある人ならもっと少ないはずだ。

到着したら、今度は120°右にターン。

【地点F】

スタート地点から120°分がプラスされるはずなので……
70°プラス120で190°。よしよし。

サイドリーディングの場合は250°だったので、120を足すと370=10°。
こちらもまずまず。
いずれにしても、数値が異なるので、実際には円盤を見るか、サイドリーディングを見るか、コンパスを見るときはどちらかに統一したほうがいい。

さて、話は続く。
まっすぐ30m泳いで到達するのは「地点G」。
ここでまた時計回りに120°ターンして、元いた地点Eを目指す。

【地点G】

先ほど「地点F」で設定したときは円盤の数値は190°だったので、120°を足すと310°。
※若干ぶれていますが、お許しを!

先ほどは10°だったのでプラス120で130°。
あれ、ぶれてる!? 直してスタート!!

ということでまっすぐ30m進めばスタート地点に到達。

三角形パターンは、ターンするところの合計の角度が180°になれば正三角形ではなくても動きはとれるのだが、距離がなかなか出しにくいので、プランニングするには単純なパターンにすることをオススメする。

ということで、コンパスだけを使ったナビゲーションの話は一応おしまい。

でも、実際のダイビングは、コンパスも併用しつつ自然の中にある岩や根などを使って「ナチュラルナビゲーション」をするパターンがほとんど。
ナビゲーションは奥が深い。
だから、ダイビングガイドという職業が立派に成立するのだなぁということがわかってくる。

次回はそのナチュラルナビゲーションについての基本をご紹介!

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