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第21回 魚や生物のウオッチング術 Part 2 回遊魚の群れ編

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第21回 魚や生物のウオッチング術 Part 2 回遊魚の群れ編

 伊豆や房総でもキビナゴの大群などを狙って大物や大型回遊魚がガンガンやってきているが、
何度見てもたまらないエキサイティングっぷりに
ダイバーになって良かった……と感じている人も多いのでは?
今回は意外にスキルを要する回遊魚の群れのウオッチング術をお伝えしたい。

追いかけないのが絶対ルール

たいていの魚たちは追われたら逃げる。あれほど大きなジンベエザメやマンタだって
人間が追いかけたら逃げるのに、それより小さな魚たちが逃げないわけがない。
恋と同じで、追いかけ過ぎは引かれるのだ。

ってことで、バラクーダやギンガメアジなど海の中ではいろいろな回遊魚の群れに会えるが、
彼らは逃げ出したら俊足。追いかけても無駄だ。

でも、じっと待っていると、意外にダイバーは眼中にないらしくガンガン近づいてきてくれる回遊魚も少なくない。
時々カメラマンが魚群を撮影しようと泳ぎ回っているところを見かけるが、
どう見ても追いかけているようにしか見えず、
やっぱり魚たちは遠くへ逃げていってしまった……なんてこともしばしば。

魚群を見ても、追いかけず、じっとガマンしよう!

体が安定するのでカレントフックはとっても便利。ロープの長さは2mぐらいが理想的だ

※写真のダイバーは魚群を追いかけているわけではありません。イメージです

根待ちではカレントフックを使おう

パラオでは一般的に利用されているが、潮がかかっているダイビングスポットで大物や魚群待ちをするときは、カレントフックを利用しよう。

カレントフックというのは、ロープの両端にフックがあって、岩などに片方のフックを引っかけて、もう片方は自分のBCなどに繋ぎ止めておくもの。
写真のように流れの下側に自分たちの体が来るので、潮に逆らってやってくる回遊魚は残念ながら後ろからやってきてしまうが、潮に乗ってやってくる魚たちはラク~に見える。

むやみに岩をつかんだりせずにすむので、環境にもやさしいといわれている。
が、フックをかける場所を間違えると環境破壊にもつながるので、要注意だ。

体が安定するのでカレントフックはとっても便利。ロープの長さは2mぐらいが理想的だ

体が安定するのでカレントフックはとっても便利。ロープの長さは2mぐらいが理想的だ

着底する場合のルール

着底して大物待ちをする場合は、手をつく場所に生物がいないかどうか、しっかり確認を。

よくサンゴを岩だと勘違いしてがっちりつかんでしまう人がいるが(ピリピリして、サンゴだと気づく人も)、サンゴも生き物。絶対に触らないようにしよう。

よくある大物スポットの場合、海底に石や岩などあまりないのでカレントフックを利用するのがベストなのだが、準備できない場合はできるだけ生物に影響を与えない場所を見つけて着底すること。
できれば手だけにして、膝や足先は着底させないか、もしくは限りなくソフトタッチで着底を。

「ブルーコーナー」の“展望台”で大物待ちをするダイバー。できるだけ生物に影響のない場所を選ぶこと

「ブルーコーナー」の“展望台”で大物待ちをするダイバー。できるだけ生物に影響のない場所を選ぶこと

中層では中性浮力がマスト!

ブルーウォーターを駆け巡る回遊魚たちを間近で見るには、中性浮力は必須スキル。
これができないとお話にならない。

また魚たちはかなり自由に水深を上げたり下げたりするので、それにつられて動くと、急浮上をして危ない目に遭うことも。

しっかりと水深を一定に保って、中性浮力をとるには、適正ウエイトであること、呼吸がしっかりできていることなどが大切だ。

また、流れがどういう方向に向かっているかも確かめなくてはならない。
ほかのダイバーが吐く泡をよく見て、流れの強さや、ダウンカレントになっていないかなどを確かめられるようにしよう。

流れが強い場合は、ほかのダイバーが吐く泡が本来はまっすぐ上に行くものが斜め~横になっている証拠。 さらに泡が下に向かっていたら確実にダウンカレントにはまっているしるし。4~5m先(横)は、流れが変わっていることが多いので、できるだけ斜め上に向かってダウンカレントから外れるようにすること。

中層で回遊魚をウオッチングする場合は、とにかく中性浮力をとって、魚たちの水深の上下に影響を受けないようにすること!

中層で回遊魚をウオッチングする場合は、とにかく中性浮力をとって、魚たちの水深の上下に影響を受けないようにすること!

群れに巻かれるワザ

回遊魚ウオッチングの究極のお楽しみは、360度魚群に囲まれること。
一歩引いたところから魚群が駆け巡るのを見てもアドレナリンは上昇するけれど、自分のことなど何も気にせず魚群が自分の周りを取り囲んでくれた日には、大興奮。
ジンベエやマンタとはまた違った感激に包まれるはずだ。

ダイバーが大勢いるときはひんしゅくを買うのでやめておいたほうがいいが、人数が少ない場合は、ガイドさんにあらかじめお願いしておいて、トルネード状になったギンガメアジやバラクーダのトルネードの中に入ってみてはどうだろう?

トルネードの最下部が水深20mぐらいまでが理想的なのだが、あまり深い場合はやめておくこと。

  • 1 まず群れからそう遠くないところで最下部と同じレベルまで潜降。
  • 2 息を止めながらトルネードの最下部の真ん中へ。
  • 3 息を少しずつ吐きながら、少し水深を上げる。
  • 4 ぐるりと見渡してみて、トルネードの中に上手く入ったことが確認したら息を吐いて、上にいる魚をどかす。

外から見ているバディは、きっとあなたがトルネードに入っているところを写真に収めておいてくれるはず!

魚たちはトルネードを崩して去っていくので、ほんの数秒間だけの出来事かもしれないが、きっといい思い出になるはずだ。

でも、くれぐれも周りの雰囲気を見て、まずそうであれば諦めること。

ブラックフィンバラクーダのトルネードに入ってみた!

カツオリバーに囲まれた!

では、幸運を祈る!

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