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基礎からわかる! ダイビングスタート&スキルアップ術
第12回 ダイビング中の呼吸
第12回 ダイビング中の呼吸

陸上とは違って、水中ではレギュレーターなしには呼吸ができない。
しかも鼻呼吸はNG、口呼吸をするしかない。
さらに、呼吸は肺だけでなく体内に酸素を送りこむために非常に必要な行動だ。
パニックになりそうなときにも呼吸は関係してくる。
安全に潜るためにも呼吸スキルを身につけておきたい。
口で呼吸し続けるということ
Cカード取得講習に同行取材することも年に何回かあるのだが、多くの方が、レギュレーターで呼吸することにときめきを感じたり、マウスピースをくわえることを躊躇したりする。自分(編集:後藤)もその昔、講習を受けているときは、マウスピースをくわえることに違和感を覚えたり、水中では「これを離したら死ぬ!」とマウスピースを強く噛み過ぎたりしたものだ。それにしても、初心者の頃はよくマウスピース(レギュレーターもスノーケルも)を噛みちぎっていたなぁ。緊張していたんだなぁ。
ということで、既にダイバーになって久しい方は、レギュレーターで呼吸することに慣れっこになっているかもしれないが、初心者、それもこれからダイビングを始めようとする方には、やっぱりレギュレーターをくわえて口で呼吸することは、ちょっぴりハードルが高いのだと思う。
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鼻呼吸はNG

陸上では普段、鼻で呼吸をしている人が多いはずだ。でも水中で鼻で呼吸をすると、マスクがすぐに曇ってしまうので、ダイビング中はレギュレーターをくわえた口でのみ呼吸をすることが要求される。言葉にすれば簡単だけれど、実際に口だけで呼吸しようとすると、意外に大変。どうしても鼻を使ってしまう。
ちなみに、初心者でよくマスクが曇る方は、マスクが新しくて油膜が取りきれていないということもあるが、ほとんどが鼻呼吸をしているからだと思ったほうがいい。しっかりと曇り止めをすることである程度は軽減されるが、鼻で呼吸をしないように意識をしたほうがいい。
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息を吐くことも忘れずに
レギュレーターで口だけの呼吸をすることに慣れていない人に"あるある"なのが、吸うことに一生懸命になって、吐くことを忘れてしまっている状況。身に覚えがある人も多いのでは?
呼吸は吸って、吐いてこそ意味がある。呼吸をすることによって肺に空気が取り込まれ、そのうち酸素が血液に採りこまれ、さらに循環する血液が各組織に酸素を運ぶ。そして二酸化炭素を息を吐くことで体内から排出する。だから、息を吐くことを忘れてしまうと、排出されるべき二酸化炭素が排出されず、具合は悪くなるわけだ。
海中でストレスがかかったときはもちろん、マンタなどの大物を見て興奮しているときも、呼吸を忘れたり、息を吐くのを忘れたりしがち。
くれぐれも吸った息は、しっかり吐くことを忘れずに!!
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「大きくゆっくりとした呼吸」は深呼吸に近い
インストラクターは皆、「大きくゆっくりとした呼吸をするように」と言う。
でも、"大きく"というのはどの程度なのか? "ゆっくりと"はどれぐらいの速さなのか? 人によってとらえ方はいろいろあるかもしれない。
一つの目安としてよくいわれるのは、「深呼吸をするように」。
泳ぎながらだとなかなかできないと思われるかもしれないが、そもそもダイビング中にダッシュすることはあまりないので、「大きくゆっくりとしたフィンキック」をするようにすれば、呼吸も大きくゆっくりと、深呼吸をするような感じで行なうことができる。
ダイビング中あまり意識していない方は、大きく吸って、大きく吐く、を心がければ、実はエア消費量もいつもよりも減るはずだ。
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落ち着かない、パニックになりそうなときほど深呼吸
ダイビング中に何かのストレスを抱えている人は、過呼吸になりがち。ましてやパニックになりそう!とかパニック!!という状態では、呼吸は浅く、速く、つまり過呼吸になっている可能性が大。
呼吸が浅くて速くなると、肺への酸素供給が非常に少なくなるため、非常に危険な状態になる。
気持ちが焦る、何か恐怖心を覚える、ザワザワした感じになるといった状況に陥ったら、いつもよりももっと大きく深呼吸をするようにしよう。その際、何かにつかまって行動をストップさせておくことで、より呼吸がしやすくなる。
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まとめ
以上、海中でしっかり呼吸するということは、とても大切なこと。
呼吸をすることでエア消費量が大きくなって、潜る時間が短くなってしまう!というのは錯覚であって、大きくゆっくりとした呼吸をすることで、エア消費量も安定して、普段より減る可能性は大。
鼻呼吸ではなく口呼吸のみというのは、慣れないかもしれないけれど、陸上で練習して、口呼吸に慣れるようにしよう!

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