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現地の海から2020.11.28
世界遺産・小笠原の海での事故ゼロへの取り組み
BSN(NPO法人バリアフリー・スポーツ・ネットワーク)日本スノーケリング連盟の平川大輔氏によるスノーケリングインストラクターの認定講習
東京から南に1,000kmに位置する、ダイバー憧れの地である小笠原。2011年に世界自然遺産に登録されたことで、さらに注目度が高まり、1年を通して多くの来島者が訪れています。
ただ、来島者の増加と共に問題となってきたのが、スノーケリングなどのマリンレジャーにおける事故の増加。小笠原では、万が一重大事故が発生した場合、村の医療体制では限界があり、本土まで自衛隊の飛行艇を使って搬送しなければいけないことも。「重大事故を発生させない」ということが村の大きな命題となっています。
それまでも小笠原では「小笠原スキューバダイビング安全対策協議会」が中心となり、BSN(NPO法人バリアフリー・スポーツ・ネットワーク)日本スノーケリング連盟の講師を招いてインストラクター講習などを実施していましたが、そのコストを軽減すべく、6年前から小笠原村観光協会なども加盟している小笠原エコツーリズム協議会がサポートするようになり、現在では村全体で事故ゼロに取り組む体制となっています。
2020年はBSN(NPO法人バリアフリー・スポーツ・ネットワーク)日本スノーケリング連盟より平川大輔氏が派遣され、10月24~26日の3日間でスノーケリングインストラクターの認定講習を実施。高い泳力などが求められるこの講習には3名がチャレンジし、全員が合格しました。
いざというときに適切な行動がとれるよう、様々な知識・スキルを習得。今回は3名全員が合格しました
続いて10月27日には、エコツーリズム協議会主催による「溺者救助講習」も実施されました。溺者救助講習は、スノーケリングインストラクター認定講習のエッセンスをまとめたもので、ドルフィンスイムや南島スノーケリングなどを手掛ける観光事業者にも非常に役立つ内容に。事故を防ぐための心構えや、CPR&AEDなどいざというときに事故者を適切にケアするための知識、スキルを身に着けた事業者が着実に増えており、利用者にとって安全に海を楽しむ体制が整っているのはうれしい限りです(講習を受講した事業者のリストは小笠原村のウェブサイトに掲載予定)。
スノーケリングインストラクター認定講習のダイジェスト版ともいえる「溺者救助講習」も実施
世界遺産・小笠原の海での事故ゼロへの取り組み、今後も要注目です。
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