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現地の海から2020.12.04

《大瀬館マリンサービス》発信
リュウグウノツカイなど深海生物が連日登場!
ヤシャハゼほか激レアな生き物も

11月の連休あたりから、静岡県沼津市のダイビングのメッカ大瀬崎がなにやらすごいことになっているらしい……!? 深海生物のリュウグウノツカイの幼魚が1日で4個体目撃されたこともあるほか、連日さまざまな深海生物が現れていたり、大瀬崎初登場かもしれない!?ヤシャハゼが見られていたりと、大フィーバー中! 
《大瀬館マリンサービス》ガイドの熊谷翔太さんと真木久美子さんに、詳しいお話と浮遊生物を探すコツなどをお伺いしました。

水面下で見つかったリュウグウノツカイの幼魚。水深200~1,000mの海に棲む大型の深海魚。成魚は10mを超えるものも!

水面下で見つかったリュウグウノツカイの幼魚。水深200~1,000mの海に棲む大型の深海魚。成魚は10mを超えるものも!

11月25日(金)、今シーズン最初のリュウグウノツカイが登場。それから立て続けに深海生物が出ていて、26日にフリソデウオ、28日にはナイトダイブでムラサキダコ(足と足の間の被膜をマントのように広げることができる不思議なタコ)、28~29日両日ともナイトダイブでアオイガイ(貝殻を持つタコ)が現れたり! 特に29日はたくさんいたとか……。

ムラサキダコのメス。足と足の間の被膜をマントのように広げることができるのはメスのみ

ムラサキダコのメス。足と足の間の被膜をマントのように広げることができるのはメスのみ

アオイガイ。アンモナイトのような生物に見えますが、殻を持つタコです

アオイガイ。アンモナイトのような生物に見えますが、殻を持つタコです

30日にも日中にリュウグウノツカイ、12月1日は今シーズン2個体目のフリソデウオと再びリュウグウノツカイ、12月2日はテンガイハタとまたまたリュウグウノツカイが! ナイトも日中も大盛り上がりです!

ウナギギンポの幼魚

トビウオ科の幼魚

さらに、12月4日(金)には、数えきれないほどのリュウグウノツカイに加え、なんとユキフリソデウオが2個体登場!

神々しい姿!

「体長は20cmほどの個体と40cmほどの個体が確認でき、どちらもヒレが欠けておらずとてもきれいな状態でした。背ビレの長さは20cmの個体が1.5m、40センチの個体は2mほどありました! リュウグウノツカイ、テンガイハタ、フリソデウオ、ユキフリソデウオの4種の中でユキフリは最も珍しく、1日で2個体確認できたのは僕自身も初めての事でした。」と熊谷さん。
毎日ビッグニュースのオンパレードで、ネタが尽きないどころか、むしろ記録を更新し続けていませんか……!? 改めてすごすぎる、大瀬崎。

背ビレの長さがよくわかります

また、今は普段と比べてカブトクラゲの数が非常に多く、「ミステリアスな景観を作り出していますよ」とのこと。溜まっているところだと、水面下から縦にぐちゃっと密集しているそうで、不思議な雰囲気。

カブトクラゲゾーン。この中に紛れている浮遊生物を見つけるなんて、筆者には到底無理な気しかしないので、ガイドさんは本当にすごいですよね

カブトクラゲゾーン。この中に紛れている浮遊生物を見つけるなんて、筆者には到底無理な気しかしないので、ガイドさんは本当にすごいですよね

大瀬崎では、ここ3年くらい毎年11月の連休あたりから深海魚が出ていますが、連日の登場や、クラゲ大量発生の原因は不明。「最近は水も青くクリアで、何か良い潮が来ているのかもしれませんね」と真木さん。

今のところ、浮遊系の深海生物が出ているのは「湾内」。それも、エントリーしてすぐのゴロタの上で見つかることが多いそうです。エントリーやエグジット時に発見されることも多く、エントリー時のフィンを履くタイミング見つかったリュウグウノツカイもいるのだとか! いつ何時も気を抜けませんね(笑)。
リュウグウノツカイはたくさん出ていますが、おそらく毎回違う個体が見られているのだろうとのこと。大きさは5cm~15cmほどで、細くて手のひらサイズ!

フリソデウオは今季見られたものだと体長3cm、ヒレを入れても4cmほどと大変小さく、「本当にカブトクラゲのひとつのように見えました。ヒレが、光の屈折の影響かピンクに見えるときがあって、ヴェールみたいですごくきれいなんですよ!」と発見者の真木さん。過去に見られたフリソデウオだと大きくて40cmほどの個体もいたそうですが、「今のは小さくてかわいいです!」とのこと。ヒラヒラと泳ぐ姿、見つけてみたいものですね!

フリソデウオは、もともとヒレで自分の姿を隠す生態がありますが、ばっちり姿が見えるショット!

フリソデウオは、もともとヒレで自分の姿を隠す生態がありますが、ばっちり姿が見えるショット!

大瀬崎に行ったら、ぜひ探してみたい深海生物、浮遊系! 
見つけるのに、何かコツはあるのでしょうか? 真木さんにお伺いしたところ……
「一番は回数を重ねることですが、やっぱり(生物が)いると思って見ること。タイミングとしては、潮と風が大事なのではないでしょうか。大瀬崎だと、浮遊系は潮が満ちているときに入りやすいので、風にもよりますが満潮時が狙い目だと思います。あとはクラゲがたくさんいるところ。クラゲが川のように連なっているゾーンはタルマワシなどが混ざっていたりします。今回見つかったテンガイハタも、クラゲの中にキラン!といました。時間帯は、ライトトラップで集まってくる生物を狙うならナイトダイブになるので夜になりますが、その他の生物を探すならば、個人的には朝が見つかりやすいと思っています。
浮遊系を探そうとすると、水面を探すことになるので気づくと沖の方に出てしまうことがあるので注意が必要です。エントリー口から近くのゴロタの上でも全然見つかっているので、ゴロタ上を隅々まで探してみるのがいいんじゃないかなと」

勉強になります!
これから遊びに行かれる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

体長15cmほどのテンガイハタ。傷もなく、きれいな個体だったそう

また、今は前述したとおり、なんとヤシャハゼが出ています。大瀬崎初登場かもしれない!?激レア生物です。真木さんも「出たと聞いたときはにわかに信じられなかった」というこちらのヤシャハゼは、「湾内」の水深15m付近で観察できるそう。南方種&通常深場で見られる生物なので、非常に珍しく大人気! 最初に現れた日やその翌日は非常に警戒していたそうですが、「今はかなり慣れてきて、ホバリングしている姿も見られます」と熊谷さん。サイズも7~8cmと大きめの個体で突然現れたそうです。

今や皆のアイドルになったヤシャハゼ

今や皆のアイドルになったヤシャハゼ

また、土日限定スポット「先端」ではアカボシハナゴイが登場! 水深20mの場所で見られたそうです。熊谷さんによると、「普通水深40~50m付近に生息しているので、レジャーダイビングで見られることは珍しいです!」とのこと。ちなみに「先端」はクダゴンベもフィーバー中なのだとか……。
さらに、ダイビング中ではありませんが、11月29日の夕方には「湾内」で陸からクジラのジャンプが見られたという情報も! 

アカボシハナゴイ

アカボシハナゴイ

熊谷さんも「激アツですね!」という今の大瀬崎、いつまでこのフィーバー状況が続くのがドキドキですが、ぜひ期待を胸に、遊びに行ってみてはいかがでしょうか? 深海生物もレアものも、いついなくなってしまうかわからない&会えるかどうかは運次第! これからはキアンコウなど、底物に会えるチャンスも高くなってくるので、楽しみですね♪

情報・写真提供:《大瀬館マリンサービス》
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