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ニュース2022.12.04

PADI&PADI AWARE(日本)によるSDGs活動
「廃漁網の回収とリサイクルプロジェクト」スタート!

稲取マリンスポーツセンターのスタッフと活動に参加された皆さん

稲取マリンスポーツセンターのスタッフと活動に参加された皆さん

 

世界的にも関心が高まっている海洋プラスチックごみの問題。景観を損なう、海洋生物を傷つけるといった目に見える事象だけでなく、マイクロプラスチックによる水質汚染や生態系、ひいては人体への影響も懸念されるなど、多くの問題をはらんでいることはダイバーの皆さんならもうご存じですよね。
今回ご紹介するのは、海洋プラスチックごみの中でも、海洋生物に大きなダメージを与える釣り糸や漁網などの漁具(「ゴーストギア」とも呼ばれ、ほとんどがプラスチックでできています)の問題に取り組む、一歩進んだプロジェクトです。
SDGs(持続可能な開発目標)の中でも特に14番目の「海の豊かさを守ろう」の達成に向けて、以前から積極的に活動しているPADIPADI AWARE財団による「廃漁網の回収とリサイクルプロジェクト」がそれです。
伊豆・稲取を拠点に、三井物産ケミカル(株)や伊豆漁協、稲取マリンスポーツセンター、地元ダイバーの皆さんなどの協力のもと、202211月本格的に活動を開始しました。
 伊豆近辺の海ではキンメダイ漁が盛んですが、その仕掛けに使われる漁網の多くが海に廃棄されていることに着目。それを回収、リサイクル、アップサイクルするまでのシステムを作っていくことを目標に、2020年から構想を練ってきました。
まず漁網を回収することからスタートしますが、回収した後がやっかいなのです。漁網といっても、ナイロン製、ポリエチレン製、ポリエステル製など素材もさまざまですし、釣り針やサルカンなどの金属も付いています。汚れがひどいものも。リサイクルやアップサイクルするためには、その中からリサイクルに適しているナイロン製のものを選び、金属製のものは全て取らなくてはいけません。1つ1つ手作業で金具を取りはずしていくのですが、網はからまっていますし……大変!
伊豆漁協や「稲取マリンスポーツセンター」の皆さんを中心に、何度もトライアルを重ねて、こうした作業に取り組み、本格的に活動を開始することになりました。

今後は定期的に漁網を回収、リサイクルし、より付加価値の高い製品へのアップサイクルを進めるとともに、漁網が海に投棄されない適正な回収方法の提案や発生予防策、漁具の管理に至るまで、幅広い面からのシステム構築を目指していきます。

これからは、こうした活動を見守り応援するとともに、機会をみつけて実際の活動にも参加していきたいですね。11人の小さな行動が積み重なってこそ、海の豊かさも守れると信じて。

◎詳しくはこちら≫PADI

網に付いている金具を取り外します

網に付いている金具を取り外します

大変な作業も皆でやればまた楽し!?

大変な作業も皆でやればまた楽し!?

 

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(ライター/島 みや)

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