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お知らせ2023.04.05
水面下で日本を支える、SDI渋谷潜水グループがマリンダイビングフェア2023に登場!
洋上風力発電の今を会場で「見える化」
「マリンダイビングWeb」で好評連載中のスペシャル企画~海の環境を考える~「脱炭素時代のダイバーの役割」で紹介させていただいている渋谷正信氏率いるSDI渋谷潜水グループが「マリンダイビングフェア2023」に出展! 藻場の調査や注目の洋上風力発電について、会場でどんな情報を発信してくれるのでしょうか。渋谷さんに直撃インタビューしました。
ウィンドエキスポ会場内でも大忙しの渋谷正信さん
編集部(以下、編):3月15〜17日に東京ビッグサイトで開催されたWIND EXPO[春]会場にお邪魔しました。お忙しい中ありがとうございます。今回、こちらの会場ではどんな出展をされているのでしょうか?
渋谷正信さん(以下、渋谷): ウィンドエキスポは5回目の出展になりますが、うちは「洋上風力と共に漁業の未来を創る」をテーマにしています。つい先程北海道の室蘭市の方が来て、7月に札幌で洋上風力フォーラムがあり、その講演の依頼が決まりました。北海道はこれから洋上風力の開発が進むのですが、その時に漁業者さんの合意が必要になり、洋上風力の共生デザインを手掛けている私に声がかかったのだと思います。また、北九州では1000人規模の洋上風力のシンポジウムがあり、講演の依頼がきました。洋上風力関係でたくさんの出展社がいても、漁業との共生、協調を目指して活動してきた会社がないこともあり、声をかけてくれるのだと思います。それからウィンドエキスポではうちの展示を真似た模型や内容の出展社も出てきているようです。真似をされるのはむしろ良いことだと思って、できるだけいい見本を作っていきたいと思っています。
洋上風車の種類をわかりやすく紹介した模型
編:海底の様子まで見事に再現した模型で、かわいい魚まで作ってありますね。
渋谷:実は今後、洋上風力の基地周辺をリクリエーションとして利用できないかという計画をたてています。私自身プロの潜水士だけでなく、レジャーダイビングもやってきましたし、水中塾を主催して女性やお子さんに泳ぎや潜水を教えたり、イルカと泳ぐツアーなどを行ったりしてきました。そういう多方面のダイビングの経験からか、いろいろと発想が広がっていくようです。
編:漁場や藻場調査・再生の現場を紹介する展示もありますね(詳細はマリンダイビングフェア会場で)。
渋谷:はい、この漁場藻場再生の地図に今年はさらに10カ所が加わる予定です。また、洋上風力を導入する際の調査や施工だけでなく、漁業共生センターを立ち上げた実績から、各地で共生センターの設立に関するサポートや相談依頼も受けています。
編:そしてこちらは何やらすごい装置ですが?
渋谷:今回の目玉でマリンダイビングフェアでも紹介する予定の「海洋・海中マルチ観測ブイ」です。私の出身地である北海道の白糠町でホタテの養殖を行うという組合から相談を受けて考案したものです。これをベースに洋上風力の調査用に開発しました。今までは、潮流計測や波高計測、そして水中音の計測など、別々に観測されていたものを全て一括管理できるよう考えられています。
渋谷さんが考案した海洋・海中マルチ観測ブイ
編:O&M(オペレーション&メンテナンス)への活用が期待できますね!
渋谷:この装置は、一年半かけて開発しました。このシステムが導入されれば、漁師さんが海のコンディションをスマホでリアルタイムに知ることができるんです。もともと漁業支援用でしたが洋上風力にも応用できるのです。その海域では、年間どれくらいの波浪があるか、これまでは経験や勘に頼ってきた海域で、データで解析できるようになるので、保守・メンテナンス船の出航の有無の判断などができるようになり、若い人材も育っていくのではないかと思います。
編:お忙しい中でどうやってこんな開発をされたんでしょうか?
渋谷:海や潜水・漁業での多くの経験と情報を持てたことと、その中で何が必要かとニーズを持てたことだと思います。今回の開発では2月の一番寒い時期、水温がぎりぎりマイナスになるかどうかという頃にテストしたりしていたんですよ。水面の基地となるブイ(ダイバーが3、4人乗れるサイズ)に乗っかろうにも、ブイの表面に氷が張っているからつるつる滑ってなかなか乗れない、そんな状況でした(笑)。こうしたシステムは、海を見てきたダイバーだから発想できたのかもしれません。
編:漁業関係者の皆さんや海中を知らない研究者にも理解しやすいよう、海の中を撮影して「見える化」してきた渋谷さんですが、会場の展示でも「見える化」を実践されているんですね。マリンダイビングフェアで拝見できるのを楽しみにしています。
海の環境に興味のあるダイバーは数多く、そういった方にとって洋上風力や藻場再生が環境によい影響を与えるように長年力を注いできた渋谷さんの話は非常に聞きごたえのあるものです。今でも日本はもちろん、海外各地の海を潜り続けている渋谷さんもマリンダイビングフェア会場にいらっしゃいますので、ぜひ〈SDI渋谷潜水グループ〉のブースを訪れて海の環境に対する同社の姿勢を体感してみてください。
(インタビュー:西川重子)
◎お問い合わせ:SDI渋谷潜水グループ
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