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環境保護2023.06.13

タラ号太平洋プロジェクト
サンゴ礁における微生物の圧倒的な多様性が明らかに

ダイバーにはとても身近なサンゴ礁ですが、実はその生態はまだまだ解明されていないことばかり。今回、海洋研究や海洋保全に取り組むTara Ocean財団が行った「タラ号太平洋プロジェクト」において、サンゴ礁に関する非常に貴重な研究成果が明らかにされました。

「タラ号太平洋プロジェクト」では、2016年から2018年にかけて太平洋の32の島々にある99の異なるサンゴ礁から、3種のサンゴと2種の魚およびプランクトンのサンプル、計5,392個を採集。サンゴ礁のマイクロバイオーム(微生物)の組成を決定するための遺伝子解析を行いました。その結果、太平洋のサンゴ礁におけるマイクロバイオームの多様性が非常に高いといということがわかりました。これは、地球上の微生物の推定総多様性に近い可能性があるそうです。

サンゴ礁は、地球上で最も多様な生態系の一つであり、数百万の多細胞生物と関連微生物を含む海洋生物多様性の30%を支えています。これらの微生物は、サンゴ礁の健全性を示す重要な指標ですが、サンゴ礁の生物多様性は、海洋レベルでは未開拓でした。

気候変動等の影響によりサンゴ礁の減少が懸念されている中、こうした研究が行われサンゴの生態が解明されることによって、美しい海がいつまでも続くことを願わずにはいられません。

タラ号太平洋プロジェクト
タラ オセアンと、CNRS、パリ科学・文字学院、CEA、モナコ科学センターなどの国際科学パートナーによって始められた、太平洋にある数千のサンゴ礁の生物多様性を探る学際的プロジェクト。8カ国、23の研究所から100人以上の科学者が参加し、科学探査船「タラ号」は、2年半の探査(2016年~2018)を行い、30以上の島々からサンプルを収集。

■タラ オセアン ジャパン
2003年に「アニエスベー」創設者のアニエス・トゥルブレとその息子のエチエンヌ・ブルゴワが立ち上げた海に特化した公益財団法人、タラ オセアンの日本支部。タラ オセアンでは、世界中の海を「科学探査船 タラ号」で科学者とアーティストと航海し、地球温暖化やマイクロプラスチックをはじめとする、さまざまな環境的脅威が海洋に与える影響の研究を進めている。

ライター/三浦エリカ

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