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レポート2023.07.26

伊東市長・小野達也氏インタビュー
「7つのダイビングエリアがある伊東市は世界でもレアなシティです!」

伊豆半島は日本が誇るダイビングエリアです。中でも伊東市には伊東、宇佐美、川奈、富戸、伊豆海洋公園、八幡野、赤沢と7つものダイビングエリアがある、日本でも、いや世界でもとても稀なダイビングシティ。その魅力を伊東市長の小野達也氏に伺いました。

静岡県伊東市長 小野達也さん
おの たつや 1963年2月23日
伊東市立西小学校卒、伊東市立北中学校卒、静岡県立焼津水産高校水産製造科卒
1987年株式会社丸達水産設立、代表取締役就任
2005年静岡県議会議員選挙に初出馬、初当選
2011年、2015年に静岡県議会議員選挙で再選
2017年第19代伊東市長就任
2021年2期連続で第20代伊東市長就任 現在に至る

 

Q
市長から見た伊東市の海の魅力は何でしょう?

伊東市というよりは全国に先駆けてダイビングエリアとして誕生した伊豆海洋公園(IOP)
Photo by Marine Photo Library

伊東市というよりは全国に先駆けてダイビングエリアとして誕生した伊豆海洋公園(IOP)
Photo by Marine Photo Library

 

小野達也市長(以下、市長と表記) 伊東の海は魅力的だなと常々思っています。

伊東の海は黒潮(暖流)と親潮(寒流)が混ざり合う海域ですので、いろいろな魚種がいます。それが大きな特徴だと思います。例えば定置網が伊東市には何カートンかありますが、見たことのある魚から名前もわからない魚まで100種類以上かかるんです。その種類の多さは全国でも稀に見る多さです。それは視点を変えると、ダイバーにとってもいろいろな魚を見られるということだと思います。それに加えて、年月をかけてつくられた、複雑に入り組んだ溶岩地形も特徴的だと思います。それらが魚の絶好のすみかとなっています。年間を通して皆さま方が魚を見ることができるのが伊東の海の特長だと思います。

Q
伊東市は世界でも珍しい7つものダイビングエリアがあるエリアです。ダイビングは観光産業にどのような効果を生んでいますか?

市長 伊豆半島全体でいうと、特に夏は海水浴のお客さまがどこに行っても非常に多いです。下田、白浜、西伊豆方面、特に大瀬崎が有名です。伊東でも8月の宿泊客数が圧倒的に多いことから、観光産業は夏が中心。その中でダイバーの方は夏だけではなく年間を通して来ていただいておりますので、観光産業にとってはダイバーの皆さまは非常にありがたいお客さまだと思います。

Q
特にダイバーが伊東市の観光に寄与しているのはどんなことですか?

市長 まずダイバーの皆さまがダイビングを楽しんでいただいていることは、現在までも大いに観光に貢献していただいています。例えば温泉や観光施設を利用してSNSなどを使って発信していただくことで、より多くの方に伊東の魅力を知っていただけているということがあります。また、宿泊した先や飲食店でも同じように発信していただくことが伊東の経済の活性化につながっていると感じています。

最近は全体の傾向ですけど、お土産を買わない文化がいつの間にかできてしまった。でもそこを工夫して、小さなパッケージ商品をつくって、自宅用にも少人数に配るのにも便利なように売る側も工夫してはいるんです。伊東は何でもあるけど、ものすごく大量に作っているものがない。柑橘系や、干物とか生の魚も、築地にドカーンと出荷するほどは獲れないので、こちらに来て食べていただいたり、自分に合ったスイーツを見つけて常連になっていただけるといいなと。伊東の人はすごく人懐っこい方が多いので知り合い感覚で買い物も楽しめます。

Q
伊東市として海の環境保護活動は何かしていらっしゃいますか?

市長 はい。美しい海岸、海の環境を守ることは重要ということで、毎年5月の「ごみゼロの日」、ご(5)み(3)ゼロ(0)と530日を中心に、たいてい日曜日に開催していますが、市内全域の清掃、伊東海岸についての清掃も1000人規模で行っています。それから伊東市の建設関連の組合があって、その方々を中心に伊東港の清掃活動も毎年実施しています。伊東市ダイバーズ協議会にも伊東港の目の前のオレンジビーチの海中清掃を実施していただいています。海の環境保全に関してはずっと前から取り組んでいて、今でこそ環境省がいろいろやっていますけど、とっくに伊東市は何十年も前から先駆けて実施しているのです。そういう意味で伊東は先進的な地域じゃないかと思います。

Q
今シーズンはダイバーが楽しめるような観光イベントを予定されていますか?

市長 はい。伊東市ではダイビングプロモーション事業を実施しています。昨年度は伊東観光協会に所属しているダイビング施設の皆さまにご協力いただきまして、今年211日~26日の期間、市内7つのダイビングエリアでダイビングをすると抽選で豪華賞品が当たるキャンペーンを実施。期間中に3273枚、抽選券を配布し、多くの方にチャレンジしていただきました。今年度の事業については未定ですが、キャンペーンについては実施する予定になっていますのでぜひ参加していただきたいと思います。

ダイビングをやる方はアクティブでレジャーが好きでしょうから、ゴルフ、グランピングはいかがでしょう? 秋にグランピングの大きい施設ができる予定です。食事もBBQ形式で自分たちで好きなようにできると聞いていますから、そういうところを利用して泊まっていただいて、翌日はゴルフをしていただいては。あとはご家族も一緒に来るようでしたら、古くからあるシャボテン公園やぐらんぱる公園などでお楽しみいただけます。秋から年をまたいで4~5月までは観光農園でみかん狩りがあるんですよ。すごくおもしろくてそんなに高くないですから、そういうところでもぎたてのみかんを食べるのもオススメです。

あと、夏は花火! 今年伊東市は伊豆で一番開催日が多く、722日~826日に17回開催されます。

ダイビングが終わって食事して、花火を見て、できれば泊まってもらって帰る。または前日に来て花火をみていただいて、翌日にダイビングというのができるといいですね。仮に泊まらなくても、夜であれば東京へ2時間ぐらいで帰れますし。

特に810日の按針祭(あんじんさい)が最大です。反響音がすごいので、海岸まで来てもらって見るのがベストです。

按針祭の花火大会にて
写真提供/伊東市役所 観光経済部 観光課

按針祭の花火大会にて
写真提供/伊東市役所 観光経済部 観光課

Q
ダイバーにとっての伊東の魅力をお聞かせください。

市長 伊東市には素晴らしいダイビングスポットが数多くあって、ダイバーの皆さんにとっては非常に魅力的な地域であると思います。アフターダイブにご利用いただきたいのが伊東の温泉。全国でも有数の湧出量の温泉地で、お湯の量でいえば全国で4番目に多いんです。また伊東市には伊豆半島ジオパークを代表する景勝地も点在しています。それと、海の幸、山の幸など食の魅力もかなり大きいのでは。ゆっくり温泉につかっておいしい料理を食べ、美しい自然を見て心も体も元気になれる魅力的な街といえます。

Q
最後に、ダイバーである読者に一言メッセージまたは伊東のPRをお願いします。

伊東市で今春撮った河津桜
Photo by Yukari Goto

伊東市で今春撮った河津桜
Photo by Yukari Goto

 

市長 伊東市はダイビング以外にも魅力が詰まった地域です。ぜひダイバーの皆さまにお越しいただいて伊東の魅力を味わっていただきたいです。前述の夏の花火大会はHPで日程は全部出ていますし、特に8月10日の按針祭は絶対見ごたえがありますから。翌日は山の日で祝日ですし。それと、私の趣味がお神輿なのですが、8月22日にある箸祭りにはお神輿が登場します。秋には四季のお祭りもあって結構観光の方も楽しんでいます。また、気候なのですが、年末年始や冬でも伊東市はとても暖かい。同じ1213℃であっても、感じ方がね、海に囲まれているせいか全然違うんです。北風も吹きますけど、かつて北海道や東北方面から来た方々が住み着いちゃって帰りたくないと移住したのです。最大の理由は雪が降らないから。旭川の方にいたっては「伊東に住み始めて寒いと思った日は一日もない」とおっしゃっているんです。それは来てみるとわかると思います。ぜひ体験してほしい。あと春は1月から梅が咲いたり椿が咲いたり、2月になった頃には河津桜、どこでも咲きますけどソメイヨシノ、それに伊東市には小室桜(こむろざくら)という新種の桜があります。年明けからお花のオンパレードですから、女性たちはそういうのを好まれる方も多いですので、そういう意味では伊豆半島は南国的な感じがするんじゃないかと思うんです。一年中楽しめる伊東市をぜひこれからもよろしくお願いいたします。

 

―ありがとうございました。

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