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ニュース2024.02.16
久米島で発見され謎の生物として一般的に話題になったガイコツパンダホヤが新種と判明!
久米島の「トンバラ」で2012年《DIVE ESTIVANT》により発見されたガイコツパンダホヤ
写真/川本剛志
皆さんはガイコツパンダホヤをご存じでしょうか? 2012年に久米島のDIVE ESTIVANTのスタッフが発見して同社のブログやSNSに掲載され、『マリンダイビング』でも久米島特集の時になると度々DIVE ESTIVANTの川本剛志さんにお写真をお借りして掲載していました。
ホヤは人間の目から見るととてもユニークな容姿をさているものが多く、ウルトラマンボヤやカールおじさんホヤなど、ダイバーが名付けた呼び名で話題になったりしています。いずれも別に和名があったり、まだ名前がわからなかったりと、「種の同定」という意味ではまだまだわからないことが多い世界です。
ガイコツバンダホヤもそうで、スケルトンな姿が骸骨のようでいて、開口部にある黒色の模様はパンダの顔のようなことから、そう呼ばれ始めました。が、種類が何なのか、今まではわかりませんでした。
ただ、生息域は久米島以外ではまだ見つかっていないようです。
そんななか、2017年頃になってSNSで「まるでガイコツみたいな謎の生物」としてバズります。ガイコツバンダホヤが何なのかを極めたい!と、現在、北海道大学理学院博士後期課程3年の長谷川尚弘さんは研究を開始します。久米島のトンバラに潜り、研究のための採集に成功。解剖と系統解析の結果、ガイコツパンダホヤはツツボヤ属に属する未知の種であることが判明。新種のホヤであることを発見した長谷川さんは指導教員である北海道大学大学院理学研究院の柁原(かじはら)宏教授との共著論文の中で、ガイコツバンダホヤについてClavelina(クラベリナ)ossipandae(オシパンダエ)という学名を提唱しました。ラテン語の「骨」を表す「ossis」と「パンダの」を意味する「pandae」を組み合わせたものです。この研究結果が2024年2月1日に日本動物分類学会が発行する国際英文誌『Species Diversity』にオンライン掲載され、世界的にも生物学的にも新種であることが認められたということです。
”青パンダ”と呼ばれる、日本で見つかっているパンダツツボヤ
写真/山崎英治(ブルーライン田後)
こちらの久米島で撮影された青パンダはClavelina moluccensisかとも違って、長谷川さんによると未記載種のようです。明らかに右のパンダツツボヤと違います
写真/川本剛志(DIVE ESTIVANT)
ちなみに、ガイコツバンダホヤにそっくりでパンダみたいな黒色ではなく、青い模様のホヤについて長谷川さんにお伺いしたところ、フィリピンやインドネシア、マリアナ諸島などに生息しているものは同じツツボヤの仲間で学名がClavelina molccensis、日本海の田後や太平洋側の串本、柏島、沖縄などから撮影報告のある“青パンダ”はパンダツツボヤなどがあるそうです。
なお、長谷川さんは「SNSやメディアを通じて生物の情報が研究者のもとに届けられた結果、新種につながった点は特筆すべきことです。今回の事例は、日本中の誰しもがホヤに限らず新種の発見者になる可能性を示唆しています。変なホヤ、珍しいホヤを見つけた場合、長谷川(Xアカウント:@hoyahoy11532152)までご連絡いただけますとありがたいです。新種のホヤは国内にもっとたくさんいるはずで、その情報を収集しています」と、熱いメッセージをいただきました。
あなたも新種の発見者になれる日が来るかも!
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≫久米島ダイビングガイド
ライター/後藤ゆかり(マリンダイビングWebデスク)
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