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- 和歌山県の南紀 串本でテーブルサンゴのクシハダミドリイシが大産卵!

現地の海から2025.07.18
和歌山県の南紀 串本でテーブルサンゴのクシハダミドリイシが大産卵!本州最南端の串本町は世界最大級の大暖流 黒潮の影響を受け、サンゴ群落が形成されていることで知られています。今年は黒潮の大蛇行が終了するのでは!?と話題になっていますが、大蛇行していた間もサンゴ群落は生存し続けています。
なかでも串本を象徴するテーブルサンゴを形成するクシハダミドリイシが先日7月13日の夜に一斉産卵したのです。報告してくれたのは串本の老舗人気ダイビングサービス《南紀シーマンズクラブ》。
「7月10日の夜にナイトダイビングでクシハダミドリイシの産卵が確認されました。まだ小規模だったので、一斉産卵は翌日あたりどうだろうと思ってチェックしていたのですが、やはり小規模。場所は『串本海中公園』の船着き場です。そろそろどうだろうと7月13日(日)に出かけてみたところ、エントリーしてすぐにクシハダミドリイシの枝状のポリプからダダダダダッとピンク色の卵が! 気づけば辺り一面ピンクの卵だらけです。うねりがちょっとあって卵も右へ左へと動きますが、どんどん卵が増えていくんです。たぶんクシハダミドリイシの群落が100あったら過半数の50群落ぐらいが放卵していたのではないでしょうか」とベテランガイド「いわくん」こと岩﨑俊哉さん。
データによると、その日は月齢17.7(満月の2日後)、大潮。満潮は20:37で、放卵が始まったのは21:08だったとのこと。放卵は21:45まで続き、水深も浅いのでダイバーの皆さまもたっぷりと一斉産卵を観察できたそうです。一生に一度見られるかどうかわからない、貴重なサンゴの一斉産卵を目撃できるとは! 皆さま素晴らしい体験をされましたね。おめでとうございます!
ちなみに、串本町はクシハダミドリイシなど貴重なサンゴ群落が生息していることから、保全が必要とされる「ラムサール条約」に登録しています。こんなサンゴの大産卵があったら、本当に次世代に残していくようにしなければいけませんね。
◎画像・情報提供≫南紀シーマンズクラブ
マリンダイビングWebの串本特集やサンゴ連載も併せてご覧ください
≫南紀シーマンズクラブで潜る! サンゴ天国串本
≫ダイバーなら知っておきたいサンゴのこと 第4回:サンゴ礁のある海
文/後藤ゆかり(マリンダイビングWeb)
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