年間125万人が訪れるダイビング情報サイト

Marine Diving web

環境保護2025.10.21

自然写真家 高砂淳二さんが副代表理事を務めるOWSが
クラウドファンディングを実施!
締切11/10(月)

層をなして堆積したプラスチックごみ(撮影:対馬佐保地区/OWS)

層をなして堆積したプラスチックごみ(撮影:対馬佐保地区/OWS)

 
こんにちは、マリンダイビングウェブライターの田中あきこです。海にお世話になっている私たちダイバー注目のクラウドファンディングが今まさに進行中です!
長崎県の対馬は九州と朝鮮半島の中央に位置する「国境の島」と呼ばれ、ツシマヤマネコを代表に貴重な生態系を誇り、観光地としても人気! そんな対馬の海は、海流の影響で東アジアの国々から大量のゴミが漂着してしまっています。実は対馬は世界最北のサンゴ礁。サンゴや海の生態系を守るため、現在クラウドファンディングが行われています。

塊になって漂流する漁具、漁網。漂流中も魚類をはじめ、ウミガメ、海鳥などに深刻な被害を与え続けます。(撮影:対馬志多浦地区/OWS)

塊になって漂流する漁具、漁網。漂流中も魚類をはじめ、ウミガメ、海鳥などに深刻な被害を与え続けます。(撮影:対馬志多浦地区/OWS)

 
漂着ごみは、発泡スチロールやプラスチック製のフロート、漁網やロープ類などのプラスチックごみがほとんど。分解されることなく半永久的に海洋環境に留まります。堆積したプラスチックごみは、放置すると紫外線や風、波の影響で砕け、マイクロプラスチックとなって回収が難しくなるばかりか、海洋全域に広がり、さまざまな影響を及ぼします。
日本を含むアジア諸国から流出したプラスチックごみは、海流に乗ってその後遠くハワイ諸島の先まで漂流し、北太平洋上にごみベルト(集積帯)を形成し、長期間北太平洋上を循環します。今、ここで回収しなければ再び海に流出してしまう。海洋生物へのさらなる被害を防ぐためにも、漂着したときが回収のチャンスなのです。

アクセス道路が無い海岸での回収に挑むプロジェクト

回収した漁網やロープ類はクレーン(3tユニック)で引き揚げる(撮影:志多浦地区/OWS)

回収した漁網やロープ類はクレーン(3tユニック)で引き揚げる(撮影:志多浦地区/OWS)

 
対馬の各地区の住民のみなさんによって漂着ごみの回収活動は行われていますが、アクセス道路が無く人が近づけない海岸についてはほとんど手がつけられていません。今回のクラウドファンディングでは、アクセス道路が無い海岸での回収に挑みます!

対馬市豊玉町の佐保地区、志多浦地区ほかの協力を得て、地元漁業者と連携、クレーン船1艇と小型船2艇を駆使し、海岸に打ち上げられた大量の漂着ごみを回収しようという計画です。小型船を磯に近づけて上陸し、軽量の発泡スチロールやフロート類などは手作業で回収して小型船で運搬するほか、塊となって漂着した漁網などは、深場に投錨したクレーン船からロープを出して牽引して引き揚げます。
今回の対象海岸は佐保地区の海岸ですが、対馬の長い海岸線にはほかにも大量のごみが集まる場所がたくさんあります。この試験的な取り組みが成功すれば、アクセス道路が無い海岸でのごみ回収のモデルケースとして、継続的な活動につなげることができます。

参加メンバーからのメッセージ

高砂淳二さん
自然写真家・OWS副代表理事

高砂淳二さん
自然写真家・OWS副代表理事

アクセス道路のない対馬の海岸に、海流に乗って東アジアのプラごみがどんどん漂着しています。言ってみれば、プラごみ集積のホットスポットの一つ。ぜひここで、これまでのプラごみ回収のノウハウを活かして、再び海に出てしまう前に一気に回収したいと思っています。僕ら人間が作り出してしまった自然に還らないごみは、人間が回収しなければ、地球を永遠に汚し続け、世界の生き物に被害を与え続けます。よろしければぜひ、ご協力ください。

山野博哉 博士(理学)
国立環境研究所 生物多様性領域 上級主席研究員
東京大学大学院 理学系研究科地球惑星科学専攻 教授

山野博哉 博士(理学)
国立環境研究所 生物多様性領域 上級主席研究員
東京大学大学院 理学系研究科地球惑星科学専攻 教授

対馬の海は、世界最北のサンゴ礁をはじめ貴重な生き物の生息場ですが、さまざまな環境の変化の影響を大きく受けています。私たちが生き物に影響を与えると、それは巡り巡って私たちに返ってきます。自然と私たちの社会、両方が持続的であるために何をすれば良いのか。海水温の上昇をすぐに止めることは難しいですが、ごみは私たちの努力で回収し、減らすことができます。眼の前のことから始めることはとても大事です。ぜひ、ご協力をお願いいたします。

支援募集は11月10日(月)の23時まで!

このクラウドファンディングは、目標金額を達成した場合のみ実行者は集まった支援金を受け取ることができる、All-or-Nothing方式。対馬の海のため、世界の海洋生態系を守るため、アクセス道路が無い海岸でのごみ回収のモデルケースを誕生させるため、ぜひ私たちダイバーも協力したいですね!

☆今回のクラファンについての詳細、支援はこちら≫
☆プロジェクト実行責任者、海の環境NPO法人OWSについてはこちら≫

(ライター/田中あきこ)

  

【公式・年間125万人ユーザー】
 マリンダイビングWebトップページ

≫「マリンダイビング大賞2025」に投票する

≫ 「ダイビングの始め方」はこちら
≫ ライセンス取得・スクール選びはこちら

  • Facebook
  • Twitter
  • Line

※クリックすると、そのカテゴリーの一覧が表示されます