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レポート2025.12.22
シャチに魅せられて西オーストラリアへ移住した写真家 吉田真智さんの物語レポート:映像家・中川西宏之さん
こんにちは、マリンダイビングウェブライターの田中あきこです。今回はシャチに魅せられ、オーストラリアへと渡り、驚きの生態系の撮影に成功したひとりの女性の話題です。西オーストラリアの小さな町に移住し、地元の方々に愛されている彼女の名前は吉田真智さん。ここからは、吉田さんを取材した、映像家・中川西宏之さんによるレポートをお届けします。
シャチがシロナガスクジラを襲ってる!
※以下、中川西さんのレポートです
シャチがシロナガスクジラを襲ってる!——この写真を撮影したのは吉田真智(ヨシダマチ)さん。2019年3月、西オーストラリア・ブリマーベイ沖での衝撃的なシーンでした。 私は映像制作を中心に活動しています。鯨類にも関心があり、ザトウクジラの撮影によく出掛けます。ある時シャチの撮影候補地を探していたところ、西オーストラリア在住のシャチ研究者を紹介され運良く調査船に乗船できました。シャチが集団でクジラを襲うことは世界各地で確認されていますが、詳細な映像や写真で記録されたのは今回が世界初、真っ先に地元の新聞に取り上げられ、この海域はNHKの特集番組にもなりました。 その時の調査船で出会った真智さん。西オーストラリアのブリマーベイ。スーパーが1軒だけの小さな田舎町です。こんなところに日本人が!シャチに魅せられてこの地に根を下ろしたと聞き、シャチと共に真智さんの人生にも興味を持ちましたので、ご紹介させていただきます。
真智さんとの出会い
吉田真智さん
2019年3月、西オーストラリア・ブリーマーベイ沖での出来事は世界に衝撃が走りました。シャチの集団がシロナガスクジラを襲っていたのです。この発見は世界で2例目、しかも写真や映像で詳細に記録されたのは世界で初めて。地元新聞に掲載され、その後NHKのスペシャル番組でもこの海域が取り上げられました。真智はその後も目撃して合計4回も遭遇しています。
「地球上で4回見たのはたぶん私だけなので誇らしく思うのと、めちゃくちゃラッキーだとなと思います」
この時に乗船していたのは研究者の他に大学生や記録ボランティア、その中に真智さんがいました。下船後はシェアハウスでの生活。その時のオーストラリア人はみなベジタリアンで、野菜生活が続きました。途中から真智さんがシェアハウスに来ることになり、「米と肉を持ってきたよ〜、一緒に食べよう!」とご飯を炊いて肉を焼いてくれて日常の食生活が戻りました。近くにスーパーやコンビニがない場所でしたので、天使が舞い降りました。毎日8時間以上かけて船上でのシャチ探しは体力を使います。
十鯱十色(じゅっしゃちといろ)
2歳の吉田真智さん
真智さんお気に入りの一枚
真智さんは大阪岸和田生まれ、5歳の時にアドベンチャーワールドで初めてシャチを見てその魅力に取り憑かれたそうだが、彼女の記憶にない2歳の時のこの写真。
「いつでも呑気な顔してる。そしてこの頃シャチ柄のシャツ着てる。この時からの運命だったんですね」
シャチに魅了され、専門学校、水族園を経て、ワーキングホリデーでカナダ、ニュージーランド、そしてオーストラリアへ。英語ができるようになり2017年からレストランで働き生活費を稼ぎながら、休みの日にホエールウオッチング船に乗り写真を撮り、日本のシャチシーズンには北海道羅臼で働く2拠点生活がスタート。
「観察しているとシャチの個性が見えてきます。家族、リーダー、シャチ友関係、違う群れの子供を子守をしたり、船は遊び道具なのかなと思います。会うたびに違う表情を見せてくれます」
「彼らの楽しいという感情が伝わってきます。この日は、私の水中カメラに向かって声を出し、口を開けて、舌を回してみたり、泡をだしてみたり・・・船上の私はそれを見てメロメロでした。シャチは鯨を襲う怖い生き物というイメージがありますが、実はとっても好奇心旺盛で、海藻、ボートのエンジン振動やプロペラの作る泡、水中カメラ、マンボウやフグなのどのゆったりとしている魚、ぷかぷか浮いてる海鳥など、海で見つけられるものを遊び道具として彼らは楽しんでいると思います」
ここに住むワケ
「2022年に永住権を取得した翌年、これから西オーストラリア・ブリマーベイか北海道・羅臼のどちらかに住むかを迷っていました。ある日、ブリマーベイ・ブルワリーで食事をしていると、初対面の方に『あなたのインスタのシャチの投稿が大好き!応援してるね!』と声を掛けられました」
この言葉がブリマーベイに住み続けるひとつのきっかけになったそうです。
「広大なオーストラリアの小さな町で日本人がシャチの写真を撮っていることを応援してくれている、受け入れられてもらえた実感があった。『Machi ! Machi ! Come here !』と声をかけてくれる素敵な人々が集まるアットホームなこの町で暮らしていこうと決めました」
真智さんは直感を信じ、完全移住。地元の方々に受け入れられていると感じたタイミングがありました。真智さんと最初に出会ってから毎年のようにブリマーベイを訪ねていました。2025年に会った時は偶然にも真智の誕生日。ブルワリーにはさまざまな国籍、職業の真智ファンがお祝いのために集いました。町のブルワリーやカフェには真智が撮影したシャチの写真が数多く飾られています。真智さんの屈託のない明るさは人を惹きつける魅力があります。
これからのこと
「今年はアメリカ、カナダのシャチを勉強しに行きました。Monterey Bay in California、Hoonah Alaska、Cowichan bay Canada、Telegraphcove Canada、San Juan Island Americaと2ヶ月間のシャチツアーです。シャチ友達と、たくさんのシャチに出会い、とっても幸せでした。もちろん、貯金を使い果たしました! でも、たくさん学びましたし、大満足なので、またシャチを見に行くためにたくさん働きます! 私はTypeAと呼ばれるシャチしか観察したことがないので、いつか南極に行って他の3種類を見たいと思っています」
「いつか写真スライド・トークショーを出身地の大阪でできたらいいなと思っています。シャチ本も自費出版してみたいです」
「真智と行くシャチファンツアーを開催すること、今は北海道羅臼でのみ開催ですが、オーストラリア・カナダ・アメリカ・アフリカへも皆さんをお連れできたらいいなと思っています。ガラパゴスやパタゴニアのシャチも見に行きたいですね」
西オーストラリア・ブリマーベイについて
「自然が多く、ゆったりとしている州です。海がすごく綺麗です。ビーチは白砂で、海の色は水色。海を見ているだけで本当に癒されます。場所によってはザトウクジラやジンベイザメ、オーストラリアアシカと泳ぐことができます。水陸両方でたくさんの野生動物に出会えます。大人気のクォッカワラビーもいます。私が西オーストラリアに来た理由は、ビーチから鯨が見れるからです。鯨シーズンになると、多くの鯨好きがビーチやプラットフォームで観察をします。見られるのはザトウクジラ、ミナミセミクジラ、シロナガスクジラ、ミンククジラなどです」
「ブリマーベイは、メインロードから60km離れた場所に位置するので、 シャチシーズン以外は観光客があまり来ませんし、信号はなく、スーパーが1軒あるだけです。ローカルみんなが友達の小さな町です。タウンから5分も車で走れば、白浜の透明な海。夏でも海水温が低く、海に入るとスッと浄化される気がするので毎日仕事終わりに泳ぎに行きます。シュノーケルをすると、たくさんの魚や西オーストラリアにしかいないリーフィーシードラゴンに出会えることもあります。シャチも鯨もいない時期には、ワイルドフラワーを探しに行きます。オーストラリアはたくさんの野生保護地域や国立公園があり、草木、お花、動物達が守られています。徒歩で簡単に入っていけるので、私は固有種の小さな蘭を探しにいきます」
ブリマーベイへ行くには、世界一住みやすい街といわれる西オーストラリアの首都パースが玄関口。ANAの成田〜パースの週3便の直行便(約10時間)が便利で、12月1日から4月19日まで毎日運航します。パースからはレンタカーを借りましょう。右ハンドル左側通行で交通ルールも日本と似ています。パースからブリマーベイへの距離は約500km。移動中は西オーストラリアの大自然を味わえます。日程に余裕を持って他の街へも寄ることもおすすめします。この周辺海域にはリーフィーシードラゴンやウィディーシードラゴンなどの固有種が生息していてスクーバダイビングも楽しみです。隣街の200km離れたアルバニーや400km離れたエスペランスは人気の観光地です。
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写真:吉田真智
取材・文:映像家 中川西宏之
吉田真智プロフィール
1988/02/27 生まれ。大阪府岸和田市出身。5 才の頃に水族館でみたシャチに一目惚れ。いつかシャチと友達にると夢を抱く。20才で水族館飼育員に。野生動物を飼育•調教することに疑問を抱き、25才で退職。 その後野生のシャチを見るためにカナダのバンクーバーアイランドへ。初めてカヤックでみた野生のシャチに大感動。野生のシャチと働くことを決心。2 年後、知床羅臼のホエールウォッチング会社に就職。これが私の天職となる。シャチとみんなと幸せに過ごす。シャチが見られないシーズンは世界の他のシャチたちを調査しに旅に出る。2018年、オーストラリアのシャチを知ることになり、そこのシャチと南オーストラリアに心を奪われ、日本からオーストラリアへ移住。ブレマーベイに来るほぼ全てのシャチを認知し、シャチ個体識別カタログを制作。オーストラリアでシャチに一番近い町に住みながら、カフェで働きながらフォトグラファーとし活躍中。5月に開催されるMACHI’s International Orca tour では世界各国のシャチ好きを連れて日本知床のシャチに会いに行く。
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中川西宏之プロフィール
1965年、東京都生まれ。海のない山梨県育ち。高校卒業後NHK(日本放送協会)へ入局。技術職としてさまざまな番組制作に携わる中で、「撮影」という仕事で生きていくことを心に決める。伊豆大島での厳しい潜水撮影トレーニングを受け、自然番組などの撮影に関わる。勤務地は甲府、東京、沖縄。2008年、NHKを依願退職。オーストラリア、東京などを経て現在の拠点は沖縄。サンゴの海から南極の湖まで縦横無尽に活動。海外企業との共同制作や8K高解像度の映像制作に取り組んでいる。
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