レックダイブで冒険気分
熱海の巨大沈船を潜る
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観光地として人気が高い熱海。トロピカルなヤシの木が並ぶビーチのすぐ先、海の底に、ロマンあふれる沈船が眠っているって知ってた? 日本で、さらに都心のすぐ近くでできるレックダイブを徹底解説!
熱海でレックダイブ!
「日本でレックダイブをするならどこ?」
海底に沈んだ難破船や、飛行機などの周囲を潜るレックダイブ。長い年月を経てすっかり海の一部となったレックは、ダイビングスポットとして大人気!
日本でレックダイブを体験できる場所は実はたくさんあるのだが、都心から一番近く、思い立ったらすぐに行けるのが、観光地として有名な熱海。海水浴客でにぎわうビーチのすぐ先に、国内最大級の沈船が沈んでいるのだ!
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街並みを一望できる近さに、ワクワクできるダイビングスポットが!
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マップ/鈴木伸
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沈船は港からボートで約10分
360°動画で熱海の沈船を見てみよう!
そこかしこに群れるネンブツダイ。沈船はいまや大きな魚礁だ
海の底に眠る「旭16号」
沈船の名前は「旭16号」。昭和61年(1986年)1月30日に沈んだ砂利運搬タンカー船だ。もともとは汚水処理場の埋め立てに来ていたのだが、土砂を運搬するペースが速すぎたのと船体の老朽化が相まって、横付けのまま船体が折れてしまったそう。そのため、現在沈んでいる辺りまで曳航し事後の検討をしていたところ、中央で真二つに折れて沈んでしまったという。
全長81m、幅18mもあり、レジャーダイビングで見られる沈船としては国内最大級!
エントリーは基本船首部分から。ロープを伝って潜降すると広い甲板が見えてくる。そこから船尾までぐるっと回って、再度船首部分からエグジットするというのが一般的な流れ。
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マップ/鈴木伸
甲板に到着
360°動画で熱海の沈船を見てみよう! 巨大な甲板
船首・甲板部分 撮影箇所は下の地図の★①をチェック!
まず見えてくるのがこちらの甲板。船らしい見た目にワクワク! ネンブツダイのぎゅうぎゅうな群れやカマスに囲まれる。船体ににょきにょきと生えるソフトコーラルやヤギも見事! さあ、ここから出発だ。
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マップ/鈴木伸
★=撮影箇所 ★=360°動画撮影箇所
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甲板のウインチは迫力満点
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左下に見えるのが船の先端部分。群れ群れ!
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大きな錨も落ちている
中をのぞいてみる
甲板から水深をさらに落として側面に移動すると、壁が崩れている部分から船の中をのぞくことができる。水中ライトで照らしてみると、ここでもネンブツダイがキラキラと反射。サクラダイやハナダイたちも隠れている。ハシゴにウツボが巻き付いていたりするのもおもしろい。
※安全上、船内を散策することはできないのでご了承を。リピーターでガイドさんがスキルに問題ないと判断した場合、海況がよければスイムスルーすることもある。
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マップ/鈴木伸
★=撮影箇所 ★=360°動画撮影箇所
360°動画で熱海の沈船を見てみよう!
沈船への入り口部分
船の前半分の後ろあたり。迫力満点
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柱の間に群れる魚たち
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思わずのぞきたくなる天井の穴。なんだか神秘的
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いろいろなものが崩れている……
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ネンブツダイはどこにでも群れ群れ
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アジの群れ。イサキ、タカベもよく見られる
船体後部を散策
船の前部分から少し離れたところに沈む後部。柵のようなものや、そのほかの造形物がポツポツと点在。海の中で見る階段は、なんだか不思議な気分にさせられる……。
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マップ/鈴木伸
★=撮影箇所 ★=360°動画撮影箇所
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階段の上をホバリング
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船の一番後ろまで回ってみよう
360°動画で熱海の沈船を見てみよう! 船尾部分
船尾のあたり。船を覆うように魚がぎっしり
熱海のダイビングスタイル
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キンギョハナダイが群れ群れ。熱海ではキンギョハナダイの群れの中に、東伊豆ではレアキャラなアカオビハナダイが混ざることも。「ソーダイ根」
熱海は、「沈船」以外にも、地形が楽しい「ソーダイ根」や「ビタガ根」、冬季限定スポット「小曽我洞窟」など、楽しいダイビングスポットが盛りだくさん。100%ボートダイビングなのが特徴的だ。
どのスポットも水深は少し深めなので、中性浮力をマスターしてから潜りに行ってみよう!
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熱海では、他のダイビングエリアと比べて比較的浅い水深でサクラダイを観察できる。「ビタガ根」
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冬季限定スポットの「小曽我洞窟」
熱海のアクセスやスポット情報など
「熱海ダイビング基本情報」はこちら ≫
ステップアップして行きたい!
熱海を潜る時の注意
近くて行きやすい熱海だが、ダイビングスポットは平均して水深が深め。アドバンス以上の講習を受けた、自己管理のできるダイバーにオススメだ。
無減圧潜水時間(NDL)の管理、中性浮力、残圧の管理は必須。ロープを使った潜降・安全停止・浮上が可能なので、流れがあるときは必ずロープを使用して! 透明度が写真のようにいい時ばかりではないので、ガイドと自分の距離を知らせるためにも、水中ライトを持って潜ったほうが安全だ。