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第6回 イカ・タコの仲間

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おさかな図鑑

第6回 イカ・タコの仲間Cuttlefish,Squids&Octopus

 イカ・タコの仲間は奇妙な身体の構造が特徴で頭の部分から腕(足)が生えているため頭足類と呼ばれる。頭と思われている部分は実際には胴体であり、足と呼ばれている部分は、正確には腕のことを意味する。口は胴体と腕の付け根部分にあり、強靭なアゴを持っている。

 一般にイカは腕が10本、タコは8本と言われているので、その本数から見分けられ、ほかにも吸盤の構造や生息場所によって、イカとタコを見分けることができる。

イカ・タコの仲間

イカ・タコの仲間

種類と生息場所

イカの仲間

コブシメ

<コブシメ>

 甲の長さが50cmにもなる大型のコウイカの仲間。沖縄や奄美大島では、冬から初夏にかけて繁殖のため浅瀬の枝サンゴ群落にやってくる。オス同士の威嚇 や激しい争い、ペアによる交接、産卵などさまざまな行動を見ることができる。オスはヒレの背面や腕などに独特の縞模様を出し、メスは背面に白と黒の斑点が あることで区別できる。

【見られる海】
奄美諸島以南のインド洋~西太平洋のサンゴ礁域に広く生息

ヤリイカ

<ヤリイカ>

 交接や産卵行動はナイトダイビングでないと見られないが、集団産卵によって産みつけられた大量の卵塊を見ることができる。メスの胴長は25cm程度と小 さくややずんぐりした体形であるのに対し、オスは40cm以上にもなる。ヒレが伸び、槍のように見えることから和名がついた。

【見られる海】
北海道から東シナ海にかけての太平洋側と日本海側の沿岸に生息

アオリイカ

<アオリイカ>

 日本沿岸のアオリイカは、白いか、赤いか、くぁいかの種に分けられることが知られている。それぞれ大きさや、卵嚢(卵が入った袋状のもの)内の卵数などに特徴がある。生息域もそれぞれ異なる。

【見られる海】
白いか:北海道以南からインド洋~太平洋全域
赤いか:伊豆諸島、沖縄、奄美大島、フィリピンなど
くぁいか:奄美大島、沖縄、小笠原諸島

タコの仲間

マダコ

<マダコ>

 近場のダイビングでおなじみのマダコ。砂泥や岩礁などいろいろな環境で遭遇する。春から秋にかけては繁殖期にあたり、母ダコは岩の亀裂や岩だなの天井に長い房状の卵塊を産みつける。

【見られる海】
世界中の温帯域に分布し、日本では三陸以南に生息

スナダコ

<スナダコ>

 砂地や砂泥で貝殻などを巣にして生活している。体の表面は細かい顆粒に覆われ、目の両側に白で縁取られる四角い暗色斑があることが特徴だが、よくわからないことが多い。胴体を三角形に絞り、腕を丸めた姿はヤドカリにそっくりだ。

【見られる海】
伊豆半島以南の南日本、台湾、インドネシア北部など

ヒョウモンダコ

<ヒョウモンダコ>

 体色をよく変えるが、蛍光ブルーの青いリングなどがあるので見分けがつく。咬まれると命の危険に関わる場合もあるので、見ても触らないようにしよう。また、普段は特徴的な体色が見られないこともあるので注意が必要。

【見られる海】
房総半島以南の日本海沿岸

おさかなコラム

イカスミとタコスミの役割

イカスミとタコスミの役割

 イカとタコは墨を吐くことがよく知られているが、その役割をご存じだろうか。同じ墨でもイカとタコでは使い方が違うのだ。

 タコ墨はサラサラとしていて、吐き出されると海中で広がり外敵の視界を遮る効果がある。一方、イカ墨はタコ墨と比べ粘性があり、吐き出してもあまり広がら ずもやもやとある程度の塊になる。この塊をイカ本体と外敵に思い込ませ、その間に逃げるのがイカのパターンだ。タコは“煙幕”、イカは“変わり身”と言え るだろう。

水中撮影のポイント

被写体に近づくなら産卵シーズンがおすすめ

被写体に近づくなら産卵シーズンがおすすめ

 体の色が変化したり、なんだかかわいい目をしていたりと、被写体としての魅力十分のイカの仲間。簡単に近づくことができそうだが、これが意外と難しい。産 卵をしているときや、交接をしているときは通常よりかなり近寄って撮影ができるのでおすすめだ。産卵シーズンはある程度決まっているので、時期を狙えばか なりの高確率で撮影ができるだろう。

生態行動や体色の変化はシャッターチャンス!

生態行動や体色の変化はシャッターチャンス!

 イカの仲間をさらに躍動的に撮影するなら、生態行動や体色の変化を狙ってみるのもいい。ポイントは腕(第一腕)を持ち上げるポーズ。動きがありインパクトがある写真になる。

生態行動や体色の変化はシャッターチャンス!

大型のイカ・タコの仲間を撮影する場合には、ワイドレンズやフィッシュアイレンズで狙い、さらに背景にダイバーを入れて比較できるようにするとわかりやすい。
また、小型種は空き瓶や空き缶などに隠れていることが多い。しっかりと目を狙って撮影し、被写体が埋もれないように注意しよう。

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