「マリンダイビング」2019年5月号
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地球の海 フォトコンテスト2019
新設 ショップ部門入賞作品発表!
今年新しく設けられた「ショップ部門」は、5つのダイビング指導団体の協力のもと、北海道から沖縄まで100余りのダイビングショップと175のチームに参加していただき、大盛り上がり! グランプリ、準グランプリ各1チーム、入選18チーム、各指導団体3チームずつ計35チームの入賞が決定した。
※指導団体賞と入選作品の掲載は指導団体、ダイビングショップともに五十音順です。
審査員長
高砂淳二先生
組み写真は「地球の海フォトコンテスト」では初の試みですね。大変見応えがありました。1点ものにはないおもしろさ、物語性が強く感じられ、審査するのも楽しかったです。しかも撮影者は1人ではなく3人ですから、1枚1枚に個性が出て、それがうまく組み合わさっているチームはテーマもはっきりし、全体の質も高かったと思います。
今回、いろいろな指導団体のショップからたくさんの応募があり、皆さんの気合いが伝わってきました。ショップ部門ということで、フィールドとする海の特徴もよく出ていました。偶然にもグランプリと準グランプリが北海道と沖縄ということになりましたが、それぞれに雰囲気があります。
この部門はテーマに沿った良い写真が3点あればOKというわけではなく、組み合わせをよく考える必要があります。仲間と写真を見せ合い、意見を交換していくと全体のレベルも上がると思いますよ。また来年、大いに期待しています。
審査には本誌編集長・後藤ゆかりも参加しています。
グランプリ
PADI CROSSWAY(北海道)
チーム名:CROSSWAY
タイトル:HOKKAIDO!!!
中村将徳
ニコン D610 Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8D ノーティカム NA D610 Z-240 f8 1/80秒 ISO640
北海道 羅臼 水深3m
古谷久樹
OLYMPUS OM-D EM5Ⅱ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ ノーティカム NA EM5II
S-2000 f6 1/250秒 ISO200 北海道 積丹美国 水深9m
高木宏子
OLYMPUS TG-5 ノーティカム NA TG5 f8 1/500秒 ISO100 北海道 積丹美国 水深5m
準グランプリ
BSAC ダイブエスティバン
(沖縄県)
チーム名:球美見守り隊
タイトル:久米島の命を繋ぐ魚たち
岸谷千恵子
ニコンD7000 105mm f8 1/125秒 ISO200 S-2000 水深3m 久米島
横田有香子
ニコンD500 105mm f6 1/250秒 ISO200 YS-D2 水深30m 久米島
中島悠希
OLYMPUS TG-5 f6.3 1/200秒 ISO200 水深10m 久米島
審査員長コメント
サンゴ礁の美しい魚たち、その組み合わせが華やかですし、タイトル通りビシッとテーマが1本通っているところが素晴らしいです。「警戒中!」という感じのモンツキカエルウオの表情がいい。被写界深度を浅くして眼と卵にピントを合わせています。スミレナガハナダイは求愛でしょうか、美しい中に迫力を感じます。卵を守るセジロクマノミは、イソギンチャクとの色の対比もきれいですね。
指導団体賞
総評(BSAC)
今回選考させていただくにあたり、テーマに合ったものを重視しました。そして、色が出ているものが特に目に付きやすく強く印象に残りました。バディが必要なダイビング。チームでエントリーし、テーマを合わせて応募するこの企画は、仲間と協力するとても良いイベントでした。
Diving Shop KANOA(東京都)
チーム名:チームカノア
タイトル:あたしの心地よい住処
BSACからのコメント
「住処」を題材にまとまったグループ写真で、忠実にテーマに沿っている画像だなと感じました。天敵の攻撃を避け、各個体が生きるためにどこに住むべきか?と考えていることがわかりやすく伝わりました。泳いで逃げるだけでなく、住処に身を潜めて自らを守りながらも、本当に居心地良さそうに見えます。
小松志帆
千房弘明
古橋裕子
潜水屋Ti-Da名古屋店(愛知県)
チーム名:カメさんチーム
タイトル:ABこえてCDやんけ!!!
BSACからのコメント
初め、タイトルを見て意味がわかりませんでしたが、写真を見て理解することができました。エビという個体をよく観察されており、触覚や眼、模様や生息地などの違いも感じられました。透き通った体や、カラフルな模様など、とても不思議な生き物だと画像を通じて改めて感じさせてくれます。
仁科貴彦
濱口侑奈
後藤修平
ナップスダイブファクトリー
(茨城県)
チーム名:チーム西表
タイトル:光
BSACからのコメント
こちらの画像はテーマどおりすべて差し込む光で統一されていて素晴らしいと感じました。ダイビングの醍醐味の一つでもある、「ケーブ」の隙間より差し込む放射線状の光がとても幻想的で、水底を照らす光の揺らめきの美しさを感じました。
伊勢篤志
神澤啓
清水伸之
総評(NAUI)
NAUI賞にたくさんのお店からのご応募ありがとうございます。それぞれの作品に写真の撮り方や、海中の様子などのストーリーがあり、お店・撮影者の個性が反映されていたと思います。どの作品もとても楽しみながら趣向を凝らして撮影された感覚が伝わってきて、ダイビングの楽しさや奥深さを改めて感じさせてくれました。
DEJAVU(大阪府)
チーム名:Fチーム
タイトル:中性浮力
NAUIからのコメント
それぞれ海中に浮かんでいる様子がとても伝わりやすく、またインパクトがあり、まさに「中性浮力」というテーマにピッタリの作品でした。カメと潜水艦という異色のマッチングの中にも、中性浮力というテーマが盛り込まれており、撮影者の感動や遊び心も伝わってくる作品で、チームの雰囲気の良さを伝えてくれるものでした。
福川雅之
岩瀬朱夏
吉田佳世
ダイビングハウス トラウムスクーバ
(東京都)
チーム名:チームライト
タイトル:イルミネーション
NAUIからのコメント
写真の撮り方次第で別世界を見ることができることを伝えてくれる作品でした。レンズ越しにマクロの世界へ目を向けると、今まで気付かなかった海の世界の素晴らしさに出会えることを教えてくれる興味深い作品でした。ライティングとさまざまな技法により、たおやかなイルミネーションを演出した、とても神秘的な作品でした。
川澄環
三森仁之
丸山里奈
タムタムダイビングスクール
(大分県)
チーム名:タムタム写真部
タイトル:大分の海を紹介したい!
NAUIからのコメント
その主題通り、大分の海の素晴らしさを存分に伝えてくれる作品でした。大分の海は九州と本州、四国に囲まれた内海ですが、生物の多様性、生態の躍動する様子は外海に劣らず、そこにダイバーを楽しませてくれる「海」が存在するということを教えてくれる、私たちダイバーの興味をかき立ててくれる貴重な写真であると思います。
中野祐司
曽根崎泉
高倉元
総評(PADI)
多くのPADI登録店からユニークな作品が集まってきて、非常に見ごたえがあり、入賞作品を選ぶのがとても難しかったです。国内外のさまざまな海の特徴が出ており、「この海に潜ってみたい」と思う作品もたくさんありました。これからも水中写真を通して、ダイビングの魅力、海の魅力を発信していただければと思います。
1位
ネイチャー石垣島ダイビングサービス
(沖縄県)
チーム名:ネイチャーが好き
タイトル:Goby in ishigaki
PADIからのコメント
写真の芸術性という点でとても優れた作品です。単にハゼ単体を撮るのではなく、共生関係や生息環境もわかるなど、3種のハゼのそれぞれの特徴を生かしながら、とてもアーティスティックな作品に仕上げているのが素晴らしいと思います。水中撮影の楽しみの奥深さを感じさせられました。
Kinder Cai
K.Zhang
Tianhong Wang
2位
伊豆海ダイビングリゾート(静岡県)
チーム名:Team ダンゴ伊豆海
タイトル:川奈のダンゴウオに癒されて^^)
PADIからのコメント
とてもかわいいダンゴウオの写真ですね。単にダンゴウオをアップで撮影するだけでなく、背景や生息環境を生かした構図によってダンゴウオのかわいらしさが伝わってきます。ふわっとした色合いもよく、ミニチュアの世界に入り込んでしまったかのように感じさせる、とても雰囲気のある作品です。
早津光将
小田巻
杉本典子
3位
THE DIVE FACTORY(東京都)
チーム名:TDFフォトサークル3
タイトル:ワイド
PADIからのコメント
3作品とも水中世界のワイドな気持ち良さを感じさせる、美しい作品です。「海の色=青」というイメージですが、差し込む光などにより、いろいろな青を見られることがわかります。その中を泳ぐクラゲ、ウミガメ、ダイバーそれぞれの爽快感のようなものも伝わり、一般の方にも「ダイビングを始めてみたい!」と感じさせる、海の魅力がストレートに伝わる良い作品だと思います。
大山幸恵
坂爪正人
平岡良子
総評(SNSI)
今回、ショップ部門の設立に「SNSI賞」を授与できること、そして著名な先生と一緒に審査させていただいたことを誇りに思います。3名1組のチームとショップが一体になった応募作品は、撮影者のダイビングへの熱意が感じられる力作ばかりでした。受賞された3チームとも、三者三様の素晴らしい作品でした。
最優秀
TOKYO DIVING CENTER
(東京都)
チーム名:チームM
タイトル:御蔵島
SNSIからのコメント
イルカへの愛があふれる素敵な作品だと感じました。3作品とも撮影対象がイルカで、ダイバーならば見たいイルカの水中の姿が、幾度となく御蔵島に通って撮影したであろう、楽しそうな撮影の様子と共に伝わります。スコンと抜けた爽やかさと、イルカへの愛情を感じる素敵な作品です。
角田紀子
福田武史
鈴木稔明
優秀
ネオダイビング(東京都)
チーム名:伊豆の愉快な仲間達
タイトル:憧れ
SNSIからのコメント
ダイバー、水中生物それぞれの気持ちを表現したユニークな作品です。クマノミ、ダイバー、そしてウミウシの「何かに憧れる気持ち」が表現された、伊豆でのダイビング愛が感じられて素敵でした。いつも見る水中風景が、映画のシーンのように感じられ、ちょっとノスタルジックで不思議な作品です。
渡部哲男
髙橋裕子
安久隼人
優秀
ブルー&スノーダイビングスクール
(東京都)
チーム名:ブルー&スノー
タイトル:ジンベエ!!
SNSIからのコメント
これはジンベエザメに出会った興奮が伝わる感動の作品です。3作品とも、「これこそジンベエザメだ」と一瞬でわかるような、ダイバーが誰でも遭遇したい憧れのシチュエーションで、羨ましいダイビングなのが伝わる作品なのは間違いありません。ジンベエザメに遭遇した時の興奮した気持ちが伝わる、素晴らしい作品です。
太田佳忠
大和清隆
吉田英伸
総評(SSI)
SSIでは一昨年からエコロジースペシャルティのプロモーションに力を入れております。また今年は世界規模の環境への取り組みとしてミッションディープブルーを立ち上げます。水中の生き物を好きになってそれを伝えていくことは、ダイバーがすぐにできる環境への取り組みです。第一回SSI賞は環境目線で選ばせていただきました。
アリストダイバーズ(三重県)
チーム名:チームアリスト水中写真部(男性チーム)
タイトル:エンジェルカラー
SSIからのコメント
水中の愛らしい生き物を好きになって、その保護を発信していくことはダイバーとして今すぐにできる環境への取り組みです。こんなにも愛らしいダンゴウオは、水中環境の変化にとても敏感と聞きます。次世代の子供たちも素敵な写真が撮れるよう環境を守っていきたいですね!
倉本博久
波多野真介
川下修司
串本マリンセンター(和歌山県)
チーム名:K・M・C
タイトル:相互関係
SSIからのコメント
魚の生態の不思議やおもしろさを表現した3枚です。魚の名前を覚えるだけでなくその不思議な生態に興味を持つとダイビングがより楽しくなります。相互に深い関係を持って生きる水中生物、我々人間がその関係を壊さないよう、ダイビングはもちろんですが、日々の生活も考えていきたいですね。
白木真代
中村洋
白木孝佳
ブルーピーター(京都府)
チーム名:チーム女川
タイトル:復興の足跡
SSIからのコメント
この8年間復興に携わった多くの方々、そしてやはり自然の強さによって、復興の兆しが見えてきたといわれています。3枚の写真の被写体全員がとても力強い目をしているように見えます。こうやって被災地に出向いて潜るだけでも素晴らしい活動です。さらに心を打つ写真を撮り伝えていく、大きな活動は常に小さな一歩からですね。
掛川和彦
北川香織
林栄一
入選
BSAC ARK Diving Shop
(大阪府)
チーム名:金太郎
タイトル:かくれんぼ
- 細谷昇
- 樽井里紗
- 加治佐圭介
チーム名:ドルフィン
タイトル:御蔵島の野生イルカ(ドルフィンスイム)
- 阿内栄
- 新家子裕子
- 不破正史
SSI Peace Dolphin(神奈川県)
チーム名:カメラ女子
タイトル:海の感動シーン
- 今野詩織
- 新井美香
- 三井絵美
BSAC アクアギフト(東京都)
チーム名:アクアギフトF
タイトル:遊
- 崎山楓
- 小林徹
- 星野貴正
PADI 井田ダイビングセンター
(静岡県)
チーム名:EGGS MEN
タイトル:次世代の存在
- 佐藤研二
- 山田克樹
- 岡本憲
PADI 井田ダイビングセンター
(静岡県)
チーム名:シルエット
タイトル:光を操る
- 山田育美
- 北川晋
- 出竃祐亮
柏島ダイビングサービスSEAZOO(高知県)
チーム名:チーム BOSS
タイトル:愛が産まれた日
- 宮本沙緒子
- 松本和久
- 目黒次生
PADI クラブ・キッズ(北海道)
チーム名:神風クラブキッズ写真部
タイトル:積丹ブルーの生命力
- 黒岩秀文
- 富樫康弘
- 堀川里恵
SSI クラブドゥダイビングセンター
(大阪府)
チーム名:クラブドゥBチーム
タイトル:豪快な水中風景
- 竹中有唯奈
- 志方知子
- 村山衣絵
PADI クレセント日立(茨城県)
チーム名:クレセントのゆかいな仲間たち
タイトル:楽しい水中写真
- 横山康祐
- 井上信三
- 吉田由香
埼玉ダイビングセンター海族
(埼玉県)
チーム名:バブリー知世とアッシー&メッシー
タイトル:宇宙
- 田代仁
- 石崎世紀子
- 上田一範
BSAC ダイビングサービス ジャミング(沖縄県)
チーム名:ジャミング
タイトル:自由
- 仲程伸成
- 川上潤
- 市原愛美
PADI ダイビングショップNANA(神奈川県)
チーム名:NANA生態解き明かしたいteam
タイトル:キヌバリの生態行動
- 永橋麗良
- 橋本雅美
- 倉島大輔
ダイビングショップSB(鹿児島県)
チーム名:薩摩三人衆
タイトル:花舞う桜島
- 松田康司
- 西村拓真
- 桧作和子
BSAC ダイブエスティバン
(沖縄県)
チーム名:エスティバン夜蝶組
タイトル:夜の海の宝石
- 志賀愛美
- 長谷川栄子
- 吉田健太朗
BSAC ダイブエスティバン
(沖縄県)
チーム名:クジラ船隊ザトレンジャー
タイトル:鯨と見る夢
- 菊井景子
- 石原千恵子
- 石原実
てぃーだマリン(沖縄県)
チーム名:てぃーだマリン・Bチーム
タイトル:愛すべきクマノミたち
- 七戸奈津美
- 中村拓生
- 宮崎俊孝
PADI ひょうたん島(岐阜県)
チーム名:ひょうたん島 Aチーム
タイトル:紀伊半島の海
- 伊藤 治
- 伊藤 誠
- 塩谷菜月
たくさんのご応募
ありがとうございました!
来年度もお待ちしております!!
審査員長コメント
遡上するサケとアイナメの卵、そして海藻……どれも北の海を連想させる生き物のうえ、色や構図でも変化をつけている。組み合わせが秀逸です。撮影者も別々であるはずなのに、1点ずつのクオリティが高い。絵的にきちんとまとめながら、三者三様に北の海をよく表現しています。この作品は最初から頭ひとつ抜けていた印象です。最終選考で、あまり迷いがなくグランプリに選びました。