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レポート2019.11.12

日頃の適度な運動が安全ダイビングの第一歩!
「第21回 安全潜水を考える会 研究集会」
開催レポート

今年も多くのダイバーが参加

今年も多くのダイバーが参加

毎年恒例の「安全潜水を考える会 研究集会」(主催:DAN JAPAN)が、去る119日に東京海洋大学の品川キャンパス白鷹館にて開催されました。

21回となった今回もダイビングの安全に高い意識を持ったダイバーが大勢集まり、話を聞く姿勢は真剣そのもの。内容もダイバーとして興味深いものが多く、充実した時間となったようです。

東京海洋大学・海洋政策文化学部教授の千足耕一先生

東京海洋大学・海洋政策文化学部教授の千足耕一先生

まずお話されたのが、東京海洋大学・海洋政策文化学部教授の千足耕一先生。「スノーケリング安全手帳の作成および安全潜水の課題」というテーマで、先生が日頃取り組んでいるスノーケリング実習をはじめとするマリンスポーツ実習における安全管理と安全教育(学習)の例が示され、「自分の命は自分で守る」という主体性を生徒に持たせる重要性などが話されました。

後半は、千足先生が監修し、《日本スノーケリング協会(一般財団法人社会スポーツセンター)》によって発行された「スノーケリング安全手帳」を紹介。今後、多言語への翻訳も検討されており、より安全にスノーケリングを楽しむための一助となることが期待されます。

海上保安庁・警備救難部救難課の大濱譲係長

海上保安庁・警備救難部救難課の大濱譲係長

続いては、海上保安庁・警備救難部救難課の大濱譲係長による「スクーバダイビング関連事故の現状と対策について」。まずはレジャーダイビング事故の現況が話され、
・平成30年(昨年)のダイビング事故死亡者は過去5年で最多
・事故者の年齢で最も多いのが50代。過去5年で見ても50代が最も多い。
・経験年数別では、どの層にも事故が発生している→ベテランも油断は禁物
・溺水事故の割合が多い
などがデータとして示されました。

後半は、実際の事故事例3例と対策が紹介され、「呼吸を整えてパニックにならない」、「体調が悪いのに自分を過信して無理に潜らない」、「単独潜水は漂流の危険」、なによりバディと共にお互いをケアしながら潜ることの重要性が確認されました。船乗りのことわざには「板子一枚下は地獄」というものがあるそうで、「息ができない」という海の怖さと、油断をせずに気を引き締めて潜ることの大切さを改めて感じさせられました。

日本医科大学・循環器内科准教授の高木元先生

日本医科大学・循環器内科准教授の高木元先生

最後にお話されたのは、日本医科大学・循環器内科准教授の高木元先生。「安全なダイビングのために知っておきたい循環器知識」というテーマで、ダイビングを長く安全に続けるための健康管理を循環器の観点から話されました。

重要なのは、日頃から適切な運動をし、健康な心肺機能を維持すること。心血管リスクの高まる肥満を避けるためには、無理なダイエットをするのではなく、適切な食事+適切な運動が大切なことや、水中という特殊な環境でのスポーツであるダイビングならではのリスク、安全にダイビングを楽しむための活動強度(METs)、ダイビング中のさまざまな循環器系のリスクなど、多岐にわたって解説されました。また最後にまとめとして、「ダイビングを安全に楽しむためには、事前のチェックが重要。運動負荷検査を受けることで、自分の心肺機能がダイビングに必要な活動強度(METs)を満たしているか確認しておきましょう」との言葉も。皆さんもぜひ一度、運動負荷検査を受けて、ご自身の心肺機能を確認してみてはいかがでしょうか。

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3人の先生による講演の後は、お楽しみ抽選会もあり、参加者全員に素敵なプレゼントが。『マリンダイビング』も年間購読券を提供し、当選された方にはとても喜んでいただけました♪

皆さんも常にダイビングの安全について意識を高く持ち、楽しく続けていってくださいね。

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