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ニュース2021.01.18

世の中に勇気とエールを!
フリーダイバーHANAKO×テクニカルダイバーSUZUKI SISTERSが水深50mに挑戦

新型コロナウイルス感染症の拡大により、なかなか明るいニュースが少ない昨今。そんな世の中に勇気とエールを与えるべく、昨年11月に西伊豆・雲見でフリーダイバー・HANAKO(廣瀬花子さん)とテクニカルダイバーSUZUKI SISTERS(鈴木雅子さん、鈴木智子さん)のコラボレーションによる、レジャーダイビングの限界を超えた水深50mに挑戦するという企画が実施されました。

HANAKO(廣瀬花子さん)は、フリーダイビング女子日本代表として世界的に活躍するフリーダイバー。SUZUKI SISTERS(鈴木雅子さん、鈴木智子さん)は、神奈川県平塚市のダイビングショップ《スティングレイ・ジャパン》で活動する、おそらく日本で唯一の姉妹テクニカルダイビングインストラクター。それぞれの分野で第一線で活躍する女性ダイバーによるコラボ企画とあって、フリーダイビングチーム、テクニカルダイビングチーム、それぞれに各地からサポートメンバーが集い、万全の態勢で実施されました。

左からHANAKO(廣瀬花子さん)、SUZUKI SISTERSの鈴木智子さん、鈴木雅子さん

左からHANAKO(廣瀬花子さん)、SUZUKI SISTERSの鈴木智子さん、鈴木雅子さん

サポートメンバーも交えて、入念に打ち合わせ

サポートメンバーも交えて、入念に打ち合わせ

テクニカルダイビングの器材を準備するSUZUKI SISTERS

テクニカルダイビングの器材を準備するSUZUKI SISTERS

当日の朝はあいにくの雨模様でしたが、次第に天候が回復し、潜る頃には遠くに富士山も見える絶好のコンディションに。フリーダイビングでは水深106mという記録を持つHANAKO(廣瀬花子さん)ですが、海底で待つダイバーとコラボするのは初めての経験とあって、やや緊張の様子。一方のSUZUKI SISTERS(鈴木雅子さん、鈴木智子さん)も、水中で出会えるわずかな時間を無駄にしないために、入念な計画と準備を済ませ、ひと足先に水深50mへと向かいました。

ボートにカウンターバランスを設置するHANAKO(廣瀬花子さん)

ボートにカウンターバランスを設置するHANAKO(廣瀬花子さん)

テクニカルダイビングチームは、器材の最後のチェックSISTERS

テクニカルダイビングチームは、器材の最後のチェック

まずはSUZUKI SISTERS(鈴木雅子さん、鈴木智子さん)がエントリー

まずはSUZUKI SISTERS(鈴木雅子さん、鈴木智子さん)がエントリー

水面で潜るタイミングを待つHANAKO(廣瀬花子さん) SISTERS

水面で潜るタイミングを待つHANAKO(廣瀬花子さん)

水底での準備が整うタイミングを見計らって、HANAKO(廣瀬花子さん)がエントリー。そして、水深50m地点で待つSUZUKI SISTERS(鈴木雅子さん、鈴木智子さん)と無事に出会うことができ、フリーダイバー×テクニカルダイバーのランデブーというユニークな写真を撮影し、今回の挑戦は見事成功しました。

水深50mでフリーダイバーとテクニカルダイバーが共演!

水深50mでフリーダイバーとテクニカルダイバーが共演!

フリーダイビングとテクニカルダイビング、それぞれの魅力が感じられる時間となりました

フリーダイビングとテクニカルダイビング、それぞれの魅力が感じられる時間となりました

SUZUKI SISTERS(鈴木雅子さん、鈴木智子さん)が浮上する際は、HANAKO(廣瀬花子さん)がお出迎え

SUZUKI SISTERS(鈴木雅子さん、鈴木智子さん)が浮上する際は、HANAKO(廣瀬花子さん)がお出迎え

挑戦に成功した直後に3名に感想をうかがったところ、
HANAKO(廣瀬花子さん)


この企画の話を聞いたときから、とてもおもしろそうだなと思っていましたが、実際にやってみて想像以上でした。でも最初はとても緊張しましたね。フリーダイビングの大会での団体戦のような緊張感で、心臓の高鳴りを感じました。普段はひとりで水底に行って、タグをとってすぐに戻ってくるという一連の流れで、ずっと集中しているのですが、今回の挑戦では水底で止まらないといけないし、カメラも見ないといけないし(笑)。でも悪い緊張ではなく、ドキドキ&ワクワクで心拍数が上昇していたんだと思います。
潜ると、水深20mあたりから、下から泡がきて、それがだんだん濃くなり、その中を潜っていく感じでした。水底で周囲を見まわすと人がいっぱいいて、それを「うれしい!」と感じました。いつもは帰ってきて水面でみんなで喜ぶというのが、今回は水底で喜んで「ここでゴール」のような感じで楽しくなり、つい長居をしてしまったんですね。そこから「あ、水面に帰んなきゃいけないんだ」と気づくという(笑)。水面へ帰るときも名残り惜しかったです。楽しかったし、とても感動しました。今回うまくいったので、次はさらに深く、それこそ自分たちのベストに近い水深100mとか、目指していきたいですね。今回の企画によって、フリーダイビングとテクニカルダイビングの共通のマインドがあるということにも気づけたので、今後も一緒に挑戦していきたいです。



SUZUKI SISTERS 鈴木雅子さん


今回は初めての企画だったので、想像がつかなかったのですが、予想をはるかに超えてスゴイのひと言。フリーダイバーの華麗で人魚のような姿と、私たちテクニカルダイバーのコラボというのが、すごく不思議な光景で、それが実現できたことにとても感動しました。水深50mでHANAKOさんと落ち合ったときは、涙すら出るんじゃないかというくらいでした。「人間ってここまで来られるんだな」というフリーダイバーとしてのすごさも感じたし、限界を超えた水深にチャレンジしている私たちが一緒にこの瞬間を味わえたというのが何よりもうれしかったです。みんなの息が合って今回の企画が成功につながったことが素晴らしいなと思いました。いずれ水深100mでコラボするなど、新たな企画なども考えたいですね。私たちにしかできないこと、HANAKOさんにしかできないこと、お互いが同じフィールドで出し合えたら素敵だなと思っています。



SUZUKI SISTERS 鈴木智子さん


50mというレクリエーションの限界を超えた領域で、フリーダイビングとテクニカルダイビングのそれぞれの装備で出会えたというのが、すごく楽しかったですね。水中で見るフリーダイバーの皆さんはとても美しかったです。フリーダイビングもテクニカルダイビングもスタイルは全然違いますが、おそらく大事にしているところは一緒で、自分たちがダイバーとして目指している場所など似ているところがあると思います。それをもっと楽しく表現し、特に私たちは女性なので、女性の皆さんにフリーダイビングもテクニカルダイビングもチャレンジしていただきたいですね。そしてこの企画をもっと大きなものにしていき、楽しい場所が増えるといいなと思います。


という感想が。

また、今回の企画を主催した《ステングレイ・ジャパン》代表の野村昌司さんは、


昨今の新型コロナの影響によりダイビング業界も少し元気がなく、なんとか元気を出したいと思っていたところ、たまたまフリーダイバーのHANAKOと、うちのSUZUKI SISTERSに接点があり、両者が一般のダイビングの限界を超えるダイビングに挑戦しているところを紹介できたら、ダイビングの可能性や楽しさを広げることにつなげられるのではないかと思って企画しました。
私は水底で待っていて映像を撮っていたのですが、一般的な限界を超えた水深でフリーダイバーとテクニカルダイバーが絡んでいるというシーンは、ただダイバーを見ているだけなのですが感動があり、ダイビングの楽しみのひとつとしてこういうのがあってもいいのではないかと感じました。
せっかくこういうことができたので、今後は例えばもう少し深いところに挑戦するとか、レック(沈船)などの分野を絡めるとか、当然リスクにもしっかりと配慮しながら、少しずつでも挑戦して継続できたらいいなと思います。


とのこと。

ダイビング業界を明るく盛り上げ、日本人女性に未知の水中世界を紹介することも目的とした今回の挑戦。これをスタートとして、さらに挑戦を続けていくとのことなので、今後も要注目です!

今回の企画に参加した皆さん

今回の企画に参加した皆さん

◆主催:Stingray Japan
◆協力ショップ:LAUTDayDream PalauTrueNorth

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