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ニュース2022.12.05

オーストラリア初! フィッツロイ島サンゴ再生プロジェクトで産卵を確認

オーストラリアのクイーンズランド州よりうれしいニュースが届きました。
ケアンズ沖のフィッツロイ島にあるオーストラリア初の海洋サンゴ育成場で11月12日、養殖サンゴの産卵が確認されたというもの。フィッツロイ島はグレートバリアリーフにある島の一つ。非営利団体「Reef Restoration Foundation(リーフ・リストレーション・ファウンデーション。以下RRFと表記)」のチームは10月初め、フィッツロイ島のウェツカムベイに4年前に植えたアクロポラサンゴの枝から産卵の兆候を確認。ピンク色の小さな卵と精子の束が噴き出すのを10月中旬に期待したものの、満月が過ぎても何も起こらなかったため、11月の満月を待っていたといいます。

フィッツロイ島で移植されたサンゴは、2017年にグレートバリアリーフ海洋公園庁がフィッツロイ島での試験的な研究用海洋苗床設置の許可が出した後に、水中フレームで育てられてきたものです。

「私たちはサンゴの挿し木をサンゴ礁の劣化したパッチに植えつけ、現在これらのパイオニア種は直径約1mにも成長し、様々なサンゴや海洋生物のための健康で複雑な生息環境をつくるのに役立っています」とRRFのチームの一人で、グレートバリアリーフ公式マスター・リーフ・ガイドのアズリ・サパルワンさんは言います。サンゴの養殖において25年のキャリアを持つ、グレートバリアリーフレガシーのサンゴの多様性を守るための生きたサンゴ・バイオバンク・プロジェクトのキャメロン・ピーさんも、「私たちは、攪乱の頻度が高く、環境的にも厳しい時代にサンゴ礁の回復促進に取り組んでいます。サンゴを育てて生息環境を整えることも重要ですが、さらに産卵までもっていくことは、生物多様性を維持するうえで本当に画期的なことなのです」と述べています。

RRFの最高責任者であるライアン・ドネリーさんは、「今回サンゴの産卵を成功させたことは、5年前にゼロからパートナーシップと支援者を募って設立したRRFにとっても、重要な意味を持つことになります。グレートバリアリーフの海水温は今後も上昇するといわれており、健康なグレートバリアリーフを取り戻す挑戦はまだ終わっていません。気候が変化する中、サンゴの衰退を少しでも長く防いでいくためにも、このサンゴ育成の取り組みは地元観光産業にとっても大いに重要です」と語っています。

2022年12月1日よりカンタス航空がブリスベン線を再開。羽田からも直行便が週3便就航。クイーンズランド州への旅がまた便利になりますね!

情報・写真提供/クイーンズランド州政府観光局

 

(デスク/後藤ゆかり)

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