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レポート2025.12.03
障がいがあってもダイビングは楽しめる!第3回すくすくプロジェクト開催レポート
こんにちは、マリンダイビングウェブライターの田中あきこです。海の中を浮かびながら水中世界を観察できるダイビングは最高のアクティビティ! しかし、障がいがあると「自分には難しい」と感じてしまうかもしれません。そんな意識を変えようとしている素敵な取り組みがあります。今回は、障がいがある方々が体験ダイビングを楽しんだ、第3回すくすくプロジェクトのレポートです!
開催日は2025年9月20日(土)、21日(日)。これまでの回と同様、伊東ビーチでのダイビングです。過去の開催の参加者の感想に背中を押された方も多かったようで、参加者が倍増となり史上初の2日間に渡る実施となりました。今回はすくすくハウスの施設ゲストに加え、「障がい者チェアスキー」からのゲストも参加し、障がい者ダイビングの輪がより大きく広がりました。
今年の開催では、新たに《全日本潜水連盟(JUDF)》が趣旨に賛同し、理事長含む理事メンバーがサポートに参加。また、水中写真家の佐野誠一郎さんもこの趣旨に賛同し、撮影に協力しました。
初日は「すくすくハウス」の利用者の方々が、2日目は障がい者チェアスキーの子どもたちとその家族、そしてすくすくハウス利用者のきょうだい児および家族が参加し、ゲストは総勢26人。「きょうだい児」とは、障がいのある兄弟姉妹を持つ健常児のことで、家庭内で親の関心や支援が障がいを持つ兄弟姉妹に集中しがちなため、心理的な孤独感や我慢を強いられることが多いとされます。今回の企画では、そうしたきょうだい児にもダイビング体験の機会を提供し、家族全体の理解と絆を深めることも目的のひとつでした。
スタッフには昨年の参加メンバーの他、趣旨に賛同したインストラクターやボランティアダイバーの有志が新たに加わり、48人が集結! 3回目の開催となった今回は、ゲストが多くなることから、スタッフそれぞれの役割を明確にして、より効率の良いオペレーションを確立。障がい者ゲスト全員に1日中マンツーマンでサポートするゲスト担当を配置し、ダイビング時は、1人のゲストに対してインストラクター2人体制で実施しました。まずは浅瀬でゲストに少しずつ海に慣れてもらい、その後フルフェイスマスクを着用して体験タイビングに挑戦! マスク着用やエントリー・エキジットの支援を行う専門スタッフも配備しました。
ダイビングの後は海辺でのBBQランチやスイカ割りなどを開催し、子どもたちの笑顔が絶えることがなかったようです。
参加者の感想
「これまで学校でプールに行ったことはあったけれど、海に行くことはなかった。水中を見るのは初めてで来年も行きたい」(初参加ゲスト)
「去年より遠くにそして深く、長く潜れたのが良かった。来年はもっと潜りたい」(3回目参加ゲスト)
「海に入れると思っていなかったので、こんな体験ができて感動している。スイカ割りも、自分がしたことはなかったので、楽しかった」(初参加ゲスト)
「チェアスキーではお父さんの手伝いでボランティアをしていた。今回ゲストとしてお父さんと一緒にダイビングできたのが楽しかった」(お父さんが車椅子で家族参加の娘さんから)
運営スタッフの感想
「参加された方々の当日の様子と、水中写真の笑顔をみて、自分が初めて海に潜った日の嬉しさが蘇りました!」
「初めての参加でしたが、いろいろなことを考え、感じる本当に素晴らしい時間でした。たくさんのエネルギーを頂きました」
「私が担当した方は、新しいことに挑戦しようとする強い気持ちと、人に感謝を伝えようとする優しい心を持った青年でした。ご両親が丁寧に準備された持ち物からも深い愛情を感じました。私自身、担当の範囲内で、彼が『やりたい』と感じた水遊びやスイミングを中心にサポートできたことを誇りに思います」
「今年のイベントに向けて、よりスキルアップのため障がい者サポートライセンスのダイブバディやインストラクターの資格を取って備えてきました。これからもダイバーとして機会を続けて作れるようにしたいです」
「3回目を迎えられて嬉しいです。障がいがあってもチャレンジできる環境をこれからも続けて作っていきたいです」
「海中でゲスト二人が向き合う写真や親御さんと潜る写真は、心に響きました。やっててよかった」
「来年は、沖縄での開催要望もあるので、実現したいと思っています。この輪がもっと広まることが楽しみです」
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すくすくプロジェクトのテーマは、「障がいがあってもチャレンジしたらできることがいっぱいある。海の中はみんな自由になれる」です。この企画を通して、自分の新たな可能性を見つけて自信を持つことができたり、海の楽しさを知ることができた参加者のみなさんの感想は、読んでいるこちらも嬉しくなりますね。そして同時に、運営スタッフにとってもかけがえのない時間であったことがこの活動の素晴らしさではないでしょうか。これから先、ハンディキャップダイビングがもっともっと普及していくといいですね!
■第3回すくすくプロジェクト
主催:障害福祉施設すくすくハウス
共催:HSA(Handicaped Scuba Association)、KAKO-MARINE Project、全日本潜水連盟(JUDF)
協力:水中写真家・佐野誠一郎、グロービス・スキューバダイビング・クラブ(グロービス経営大学院公認サークル)
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≫第2回すくすくプロジェクト開催レポート
(ライター/田中あきこ)
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