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GULLの最先端技術が集結した
「Gシリーズ」を紐解く

GULLの最先端技術が集結した「Gシリーズ」を紐解く

ダイビング老舗ブランドGULLの最先端技術が詰め込まれたプロフェッショナルダイバー向けのハイスペック器材「Gシリーズ」。現在はマスク・フィン・スノーケルが展開されている。開発秘話、そしてこだわりに迫る。

GULLの技術を集結した「Gシリーズ」とは?

1980年代初頭に巻き起こったダイビングブーム。本格的なダイビング器材を求める声に応えて誕生したのが、ダイバーなら一度は耳にしたことがあるブランド「GULL」(ガル)。製作は《株式会社キヌガワ》という日本でも有名なゴムメーカーの傘下にある子会社だ。

2006年、「もう一度モノづくりの原点に立ち返り、妥協なき製品を作りたい!」という思いから誕生したブランドがGULLの中のハイスペックモデル「Gシリーズ」だ。「本物を求める人たちに最高品質を届ける」をコンセプトに、現在ではフラッグシップモデルのマスク・フィン・スノーケルが発売されており、これらを「Gシリーズ」と呼ぶ。

「Gシリーズ」に込められた
技術・プライド・思いを掘り下げる!

「Gシリーズ」には開発・販売当時の最先端の技術が注ぎ込まれている。ということで「Gシリーズ」の企画者&開発者にインタビュー! 今回取材に応じていただいたのは以下のお三方。

藤田尚隆さん

藤田尚隆さん(以下

中井口蔵さん

中井口蔵さん(以下

星野一英さん

星野一英さん(以下

開発着手のきっかけは
GULLブランドのイメージ改革!?

――まず「Gシリーズ」を開発しようとしたきっかけは何だったのですか?

中井口蔵さん当時「マンティス」や「ミュー」を発売していた「GULL」ブランドは、カラフルでビギナー向けというイメージがあり、GULLがビギナー向けであればプロ向けのブランドがあってもいいのではないかというのがきっかけで「Gシリーズ」が立ち上がりました。

GULLと言えば2眼マスクの「マンティス」、ラバーフィンの「ミュー」など聞いたことのないダイバーのほうが少ないだろう
GULLと言えば2眼マスクの「マンティス」、ラバーフィンの「ミュー」など聞いたことのないダイバーのほうが少ないだろう

GULLと言えば2眼マスクの「マンティス」、ラバーフィンの「ミュー」など聞いたことのないダイバーのほうが少ないだろう

星野一英さん素材のすべてにおいて徹底的にこだわり抜き、ハイエンドダイバーを満足させるクオリティの高さがコンセプトで、皆、いまだ世の中にないモノ、最高峰のモノを作ろうと考えていましたね。

藤田尚隆さん値段はとりあえず考えないでいいモノを作るって感じでしたね!

星野一英さんそう、だから「いくらですか?」と値段を聞かれるのは正直嫌です。「どんなに高くてもこれが欲しい!」と思えるモノを作っている自信があります。また、値段に負けないぐらいのクオリティと満足度がきっと得られるはずです。

最初はフィン。ゴムメーカーとしてなくてはならない商品開発

――最初に作られた「Gシリーズ」製品はなんだったのですか?

中井口蔵さん《キヌガワ》はゴムメーカーでしょ? それならまず、ラインアップ・バリエーションとしてプロフェッショナル向けのラバーフィンがないのはダメだと開発されたのが「バラクーダ」です。これまで挑戦したことのない超ロングなラバーフィンを作りたいというチャレンジ精神とメーカーとしてのプライドで完成しました。

BARRACUDA(バラクーダ)

BARRACUDA(バラクーダ)

バラクーダ(プロフェッショナル)数量限定
¥38,000+税
■カラー全4色
専用ケース付き
■サイズ
S・M・L
※ローズピンク(Rosepink)は、S、Mのみ。
※ナチュラルトープ(NTR Taupe)はM、Lのみ。

バラクーダ(スタンダード)数量限定
¥38,000+税
■カラー全4色
専用ケース付き
■サイズ
S・M・L
※ローズピンク(Rosepink)は、S、Mのみ。
※ナチュラルトープ(NTR Taupe)はM、Lのみ。

星野一英さんこのバラクーダは素材が限られているので、2年に1度の販売です。初年度は500本の販売でしたがあっという間に売り切れました。正直ここまで売れるとは思いませんでしたね(笑)。

  販売年前の2005年に、ダイビング業界の関係各所に「バラクーダ」というロゴだけ告知したところ、「いったい何の商品だ!?」と問い合わせがすごかったのを覚えています。

藤田尚隆さん実はバラクーダからフットポケットも新しくなり、よりフィット感が向上しています。それまでの2D構造から縦横高さで足を支える3D構造へ変化しました。当時の最新技術です。毎日、海やプールで泳いでテストしましたね(笑)。フィンが長いので足を痛めないように何度も何度も硬さ、長さを調整しました。レギュレーションを決めるのに一番苦労しましたね~! 

星野一英さん2017年にはSサイズを追加し、女性の方でもより扱いやすくなったと思います。カラーバリエーションも増やしました。ひと昔前だと、サイズが小さくなればブレードも短くするという考えでしたが、最近では足の大きさだけでは測りきれないという考えが主流です。使用目的、使い方なども考慮に入れてSサイズのレギュレーションを決定しました。

わずか1年で改良に踏み切ったスノーケル。

――次に世に送り出された「Gシリーズ」製品はなんだったのですか?

星野一英さん「バラクーダ」と同じ2006年にスノーケル「スーパーブリット」を発売しました。実は、開発に取り掛かったのはスノーケルが最初なんです。2005年に一度発売したのですが、さらなる改良を加えて2006年に「Gシリーズ」として販売しました。それまで1つだった排水弁を2つにして、スノーケルクリアのしやすさを格段に向上させました。

Super Bullet(スーパーブリット)

Super Bullet(スーパーブリット)

スーパーブリット
¥8,000+税
■カラー全8色
■サイズ
全長(length):405mm
内容量(volume):180cc
重量(weight):186g
パイプ内径(inside diameter):21φ

このように筒の先端をふさいだ状態で息を吐くと、下の弁が開きそちらから水が排水される

このように筒の先端をふさいだ状態で息を吐くと、下の弁が開きそちらから水が排水される

中井口蔵さん普通はドライアッパーを付けるんだけれど、プロフェッショナル向けということで付けずに排水機能をしっかり確保しました。また、スノーケルの形状は○ではなく涙のような形をしています。このおかげで、どんなにスピードを付けて泳いでもブレることがありません。
さらに、プロになればなるほど、排水弁から水を抜くので、スノーケルのパイプの断面は、ちょうどグローブを着けた指の形にフィットするような設計にしました。

星野一英さんマウスピースにも注目してみてください。人間の口の形、上あごが前に出る構造に合わせてマウスピースも微妙に噛む部分がずれています。また、女性用にマウスピースを改良した「スーパーブリットミニ」もありますので、口の大きさに合わせて、快適に使うことができます。

Super Bullet Mini(スーパーブリットミニ)

Super Bullet Mini(スーパーブリットミニ)

スーパーブリットミニ
¥8,000+税
■カラー全7色
■サイズ
全長(length):405mm
内容量(volume):180cc
重量(weight):184g
パイプ内径(inside diameter):21φ

伝統と最新技術が融合したマスクの誕生

――ここまでフィン、スノーケルとお話を伺ってきました。
マスクについて教えていただけますか?

星野一英さんGULLの代名詞でもあった「マンティス」を改良して作られたのが「マンティスLV」です。設計者としてどうですか、藤田さん!

藤田尚隆さんまず、元となった「マンティス」は私が入社する前から販売されていたもので、すでに大人気商品。それに手を加えて改良するというのは正直プレッシャーがありました(笑)。「伝説のフォルムに羨望の機能を搭載したハイエンドモデル。ロングセラー商品に最新技術のすべてを注ぐ。」をテーマに掲げ制作に取り組みました。

MANTIS LV(マンティス エルブイ)

MANTIS LV(マンティス エルブイ)

マンティスLV
¥19,000+税(アクアレンズUV420CUT)
¥18,000+税(スーパークリアレンズ)
■カラー全14色
※ブラック・ホワイトシリコン:アクアレンズ対応
 シリコンスーパークリア:スーパークリアレンズ対応

■サイズ
内容量(volume):110cc
重量(weight):220g

藤田尚隆さん「マンティスLV」の「LV」は「Low Volume」の意味なんです。内容積を減らすことで目とレンズの距離が近くなり、「マンティス」の1.5倍の視界を確保することに成功しました。レンズも前に傾いており、下方視界も十分に確保されています。内容積を小さくすると起きる、スクイーズによるチーク部分の痛みは、ダンパー(クッション)機能を搭載することで解決しました。
「マンティス」を超える視界、そして潜っている時の快適さを追求するためにこのような様々な改良を重ね「マンティスLV」が完成しました。

フレームとスカートの間にラバーのクッションを設けることで、スクイーズによりフレームが顔に近づいても痛みが生じない

フレームとスカートの間にラバーのクッションを設けることで、スクイーズによりフレームが顔に近づいても痛みが生じない

星野一英さん今となっては主流になってきたUVカットレンズを標準装備にしたのも《キヌガワ》の「マンティスLV」が最初です。プロフェッショナルに使っていただくというコンセプトなので、機能や使い勝手はもちろん、ヘルスケアもカバーするべきだと考えて、レンズメーカーと共同開発しました。
一般販売前に厳しい条件をクリアしたインストラクターにプレ販売をしたところ、最終的に予想の3倍以上の注文が来て、うれしい悲鳴でした(笑)!

眉間の幅にこだわった1眼マスクの登場

――当時大人気だった「マンティス」に最新技術のすべてを注ぎ込んで完成した「マンティスLV」は、当初のターゲットであったインストラクターたちに大人気商品となったわけですね!
ちなみに1眼マスクなどはあるのでしょうか?

星野一英さんもちろんあります。2010年に「VADER」を発売しました。2眼マスクのフレームやスッキリとしたフォルムを残しつつも、1眼のよいところである視界の広さを損なわない設計にしてあります。

VADER(ヴェイダー)

VADER(ヴェイダー)

ヴェイダー
¥19,000+税(アクアレンズUV420CUT)
¥18,000+税(スーパークリアレンズ)
■カラー全14色
※ブラック・ホワイトシリコン:アクアレンズ対応
 シリコンスーパークリア:スーパークリアレンズ対応

■サイズ
内容量(volume):140cc
重量(weight):246g

藤田尚隆さん「2眼マスクのようなスタイリッシュなフォルム」を目指し、眉間のレンズの幅の調整には本当に苦労しました。細くしすぎると強度が損なわれますし、見切りも悪くなる。でもシャープに見せたいという葛藤がものすごくありました。

  当時の1眼マスクは外国人に合わせて眉間部分が幅広で、スクイーズによりフレームが鼻に当たり、痛みを感じる日本人が多かったので内容積が大きいマスクが好まれる傾向がありました。しかし内容量が大きくなればマスククリアなどが大変になります。「Made in Tokyo.」にこだわっているからこそ、日本人に合うマスクを作らねばと奮闘しました。

星野一英さん「ヴェイダー」はフレームの留め方もすごいんです! 普通1眼マスクのフレームを自分で分解しようとするとものすごく大変なんです。しかし、「ヴェイダー」はビスも使っておらず、ガチャンと上と下からはめるだけなので、分解もとても楽です。《キヌガワ》の器材のコンセプトの1つが「使った後は自分でお手入れ」です。簡単に分解できるのに落としたりしても外れることはありません。これは本当に技術の賜物です。

中井口蔵さん2017年には女性向けに小さく改良した「VADER fanette」を発売しました。

VADER fanette(ヴェイダー ファネット)

VADER fanette(ヴェイダー ファネット)

ヴェイダー ファネット
¥19,000+税(アクアレンズUV420CUT)
¥18,000+税(スーパークリアレンズ)
■カラー全14色
※ブラック・ホワイトシリコン:アクアレンズ対応
 シリコンスーパークリア:スーパークリアレンズ対応

■サイズ
内容量(volume):140cc
重量(weight):246g

中井口蔵さん「ヴェイダーファネット」を作ったのは、すでに発売されているマスクでは合わないという人の声に応えるためでした。そこで、フォルムはスタイリッシュなままで、スカート部分に「カールリップ」を採用し、顔当たりをよくしました。フィット感を向上させて、シールの性能がよくなり、さらに顔には跡が残りづらいという、いいとこだらけの構造です。それぞれのマスクによさがあるので、きっと自分に合うマスクが見つかるはずです。

右が「ヴェイダーファネット」。スカートの形状が丸みを帯び、大きさも小さく設計されていることが一目瞭然

右が「ヴェイダーファネット」。スカートの形状が丸みを帯び、大きさも小さく設計されていることが一目瞭然

「Gシリーズ」の挑戦はこれからも続く

――ありがとうございます。その時々の最先端技術を惜しみなく搭載した「Gシリーズ」。最初に伺った「欲しいから買ってもらえる製品」というのがよくわかりました!
最後に、今後の「Gシリーズ」の展望を可能な範囲で教えていただけますか?

星野一英さんう~ん、To be continued.でお願いします(笑)。ただ、「値段にかかわらず欲しくなる高品質」なモノを、GULLの最新技術を注ぎ込んで作り上げることに変わりはありません。今となっては当たり前となった「UVカットレンズ」や「スノーケルの形状」など、世界で我々が初めてのモノがたくさんあります。

  これからもそういった姿勢でモノづくりしていきますよ! 日本人の日本人による日本人のためのダイビング器材を作るべく、これまで培ってきたGULLの技術をさらにパワーアップさせて注ぎ込みます!

藤田尚隆さん製品を作ったら終わりでなく、改良を繰り返し、よりよいモノを作るのがモノづくりの原点です。これからもGULLの技術を駆使して、そして、ユーザーの皆さまの声を拾い上げ、感動、満足を与えられるような製品を作っていきます。いち早くユーザーの声を拾い上げられるようにGULLでは企画から製造までのすべてを東京に集約した「Made in Tokyo.」にこだわっています。だからこそ「スーパーブリット」のように1年という驚異的スピードで改良、開発、発売まで行なうことができます。

GULLの製品のすべてにモノづくりの精神が込められていて、3人とも「モノづくりは作ったら終わりじゃない」と口をそろえる

GULLの製品のすべてにモノづくりの精神が込められていて、3人とも「モノづくりは作ったら終わりじゃない」と口をそろえる

中井口蔵さん今回の取材で「あぁそういえば」と自分自身が当たり前になっていたように、生み出された製品や技術はいつの日か「当たり前」になります。その当たり前を常に塗り替えられるような製品を作っていきたいですね。GULLには長年の技術と経験とノウハウがあります。その技術のすべてを注ぎ込んで作られる「Gシリーズ」の今後にご期待ください。

――製品の改良から発売までのスムーズな工程は、企画から製造のすべてを東京に集約されているからだと思います。これから発売される「Gシリーズ」はどんなスゴイものが出てくるのか、今からとてもワクワクしますね! ありがとうございました♪

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