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スキューバダイビングのスキルアップ術Q&A
ベテランイントラ・かっしーが教えます
第23回 フィンワークを上達したい!

苦手スキルやダイビングの悩み Q&A

スキューバダイビングでは安全に潜るためのスキルを身に着けておく必要があります。でも、耳ぬき・中性浮力・潜降など、なかなかできない!という方の声が多いのも事実です。
これまでたくさんのダイバーを輩出し、スキルアップの手助けをしてきたベテランイントラ・かっしーこと柏崎洋介さん(スキューバプロショップ大井町店店長)に、読者の皆さんの質問や悩みに答えていただきます!

柏崎洋介さん率いる《スキューバプロショップ》はダイビングスキルに悩みのある方やブランクダイバーにも優しいお店です。大井町、渋谷、東伊豆・富戸にお店があるので『マリンダイビングWebを見て』と直接相談してみましょう!

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フィンキックの種類とTPOが知りたい!

Q
フィンキックの種類、詳しいやり方と適した状況、使い分けを詳しく教えて!
(ばばヤン)

A
フィンキックは、大きく分けると2パターンあります。「フラッターキック」と「フロッグキック」です。
フラッターキックは、最初に習う上下にキックするフィンキックです。フィン全面を使うので効率が良く、ダッシュするとき速く進みます。その分、抵抗も大きいので足の負担が大きくなります。泳ぎ始めが進みやすいです。また、フィンキックで強めの水流が起き、フィンの動き幅は大きいです。
フロッグキックは、あおり足とも呼ばれ、左右にフィンを動かすフィンキックです。フィンのしなりを上手く利用して推進力を得るキックなので、足の抵抗が少なくなり楽に泳げます。ただ、コツを掴むまでなかなか上手く進まないものです。ダッシュには向かず、速く泳ごうとすると足首に負担がかかります。また、フィンキック時に起こる水流は比較的少なく、フィンの動き幅が比較的小さいです。

基本的なフィンキックのメリット、デメリットをまとめると、こんな感じです。

◆フラッターキック

メリット

・ダッシュができる。
・泳ぎ始めが進みやすい。
・シンプルで簡単に誰でもできる。

× デメリット

・足の抵抗が大きい。
・フィンキックによって起きる水流が強い。
・フィンキック幅が大きい。

◆フロッグキック(あおり足)

メリット

・足の抵抗が少ない。
・比較的、楽に泳げる。
・フィンキックによって起きる水流が比較的弱い。
・フィンキック幅が比較的小さい。

× デメリット

・ダッシュがしにくい。
・泳ぎ始めの加速が遅い。
・コツを掴むまで進みにくい。

状況別に見ていくと
・群れや大物を追いかけてダッシュするとき
→大きめのフラッターキック

・流れに逆らって泳ぐとき
→フラッターキック

・普段のんびり泳ぐとき
→フロッグキック(あおり足)

・遅れをとって追いつかないといけないとき
→強めのフロッグキックorフラッターキック

・砂地の水底ギリギリを泳ぐとき
→フロッグキック(あおり足)

・洞窟、沈船など狭い所を泳ぐとき
→小さめのフロッグキック(あおり足)

・水面で急いでボートに上がらないといけないとき
→フラッターキック

・水面を集合場所までゆっくり泳ぐとき
→フロッグキック(あおり足)

・ビーチダイブの波が強めの泳ぎ始め
→フラッターキック

・安全停止中やホバリング中の位置の調整
→小さめのフロッグキック(あおり足)

以上、ざっと思い浮かぶ状況を挙げてみました。ほかにも、こんな状況の時はどうするの?という疑問がありましたら、また、質問してください。

あおり足がどうしてもできない

Q
どうしてもあおり足が苦手です。安全停止中などにこっそり練習したりしてますが、股関節が痛くなったりします……(笑)。どうすれば上達しますか?
(サッチー /200本)

A
あおり足、感覚をつかむまで難しいですよね。インストラクターも無意識にできてるけど、教えるとなったら意外と難しいスキルなんですよ。昔は、慣れればいつの間にかできるようになってるって言ってたんですけどね(笑)。最近ではそう言ってもいられず(笑)、教え方を研究したのでコツをお教えしましょう。以前も似た質問があったので掲載しているのですが……。
あおり足は、3つのパートに分かれています。
①足を引いて体に引き付ける。
②足を伸ばしながらキック。
③最後に足首を伸ばしフィン先を揃える。
この3つのパートに分けてアドバイスしますね。
手順は以下のとおりです。
①足を引くときは、まずフィン先を真っすぐ後ろに伸ばして、抵抗がないようにかかとを水平にそーっと引きます。かかとを上下にも左右にもブレないように真っすぐ引くイメージです。
②引いた後に足首を縮めてフィンの先が真下に向くようにして、かかとを水平に後ろにキックする。フィン全体で水を押してるイメージで。注意点は、カエルのように足が開きすぎないように、ほぼ真っすぐ後ろに押すようにしましょう。
③最後が大事です。後ろまでキックしたら、真下を向いてるフィン先を後ろに伸ばします。その時にただ後ろに伸ばすのではなく、巻き足のようにフィンの裏と裏を合わせるようにします。そのあと①に戻り繰り返しです。
文章で説明するのは難しいですね。イメージできました? もう少しわかりやすくなるようにYouTube動画を参考にしてみてください。ファンダイブ中に練習だとついていけなくなるので、水中での待ち時間や、プールなどで練習するといいですよ。

フラッターキック、家でできる練習はある?

Q
フラッターキックの角度や踵、足の甲の使い方がよくわからないので、家でできる練習を教えてください。とにかく進まないです。
(うったん/7本 今AOW講習受けてる途中です)

A
フラッターキックについて、ちょっと考えすぎかもしれないですね。
フラッターキックは、シンプルです。
膝も足首も踵も足の甲も動かさなくていいんです。
まずは、足を真っすぐ、フィンの先端までモモから一直線になるようにしましょう。
それから、動かすのはモモだけでOKです。モモを動かせば、自動的にフィン先がしなるように動きます。足首と膝は動かさないようにしましょう。
それでも、進まない人は、もう少しだけ大きく下にキックしてみてください。フィンを上から下に下ろすとき、足の甲に抵抗を感じますが、その抵抗があることが一番進むときなので、抵抗を感じたときにフィンを上に上げるともったいないです。もう少しだけでいいので下に下ろしましょう。なかなか下に下ろせない人もいますが、下に下ろせないんじゃなくて、上に上げてないから下ろす可動域がないんです。モモを片方ずつ上下同じくらい広げて両足を閉じるようなイメージでキックしてみてください。
膝は少し柔らかくしておくと(突っ張らせずに)、クッションになって少し抵抗が少なくなります。膝を曲げると楽になりますが、フィンの可動域が小さくなるので進まなくなってきます。完全に伸ばすと足の負担が大きくなるので、ほんの少しだけ膝を曲げるくらいがいいと思います。

家でできることは、足首を柔らかくするためのストレッチですかね。足首が真っすぐ伸びるようなストレッチをやっとくといいです。

フィンキックが下手です

Q
フィンキックが下手です。特に水面移動のとき、水面から上に足が出てしまいます。あと、あおり足も苦手です。どうしたらいいですか? コツがありますか?
(あら子/?本)

A
水面のフィンキックは意外と難しいですよね。
水面のキックは、姿勢が大事です。足が出ちゃう人は、下を向いてたり、腰が曲がって、下半身が浮き気味になってる人が多いです。
ポイントは、
・胸を張る
・前を向く
・お尻を締める
そうすると、足が沈みやすくなるので進みやすくなりますよ。
あとは、水面では大きくキックし過ぎないのもポイントです。大きくキックしようとすると、体が左右にブレたり、足が水面に出やすくなるので、軽めのキックをしてみましょう。モモの上下を小さめにすれば大丈夫です。

あおり足のコツについては、上の質問の回答を見てください。

砂地でのフィンワークが苦手

Q
砂地でのフィンワークがとても苦手です。
(ajari)

A
砂地では、砂を巻き上げないようにと思うとドキドキしますよね。でも砂地のフィンワークって特に、いつもと変える必要はありません。砂を巻き上げてしまう人は、泳ぎ始め方に問題があるか、そもそも中性浮力が取れてないかです。あおり足かフラッターキックどちらでも大丈夫です。若干ですが、あおり足のほうが巻き上がりにくいかもですね。
泳ぎ始めにすぐフィンキックすると砂が巻き上げるのは確実です。まずは、大きく息を吸って体を浮かせてからフィンを始めましょう。
中性浮力が取れてれば、キックによる水流が水底に行かないので砂は巻き上がらないです。
砂が巻き上がっちゃう人は、マイナス浮力になってるので、もう少しBCDに空気を入れてみてください。
砂地のフィンキックに慣れていくには、まずは少し高め、水底から1.5mくらい上を泳いで砂が巻き上がらないか後ろを見てチェックして、徐々に水底からの距離を短くして低くしていくようにしてみてください。1.5m→1m→30cmっ感じで。30cmで砂が巻き上がらなければOKでしょう。

プロフィール紹介
かっしーこと柏崎洋介さん

東京農業大学に入学後、ダイビングクラブに入り、すっかり海とダイビングの虜になる。在学中に《スキューバプロショップ》でアルバイトを始め、卒業後はもれなく同社へ。東伊豆の富戸でダイビングガイドを担当した後、同社の代表兼大井町店の店長に。ダイビング歴25年、インストラクター歴21年。現在はPADIコースディレクターとして、ノンダイバーからプロを目指すダイバーまで指導。

かっしーのダイビングスキル中心のYouTube

柏崎洋介さん

東京に2店舗、東伊豆に1店舗あるから
スキルアップやステップアップに超便利!

スキューバプロショップ
大井町店 TEL:03-6712-0920

ダイビングを始めたい!という方から、ファンダイバーや、もっとうまくなりたいという方にはステップアップコースを意欲的に開催。
話題の渋谷・宮下パークから徒歩1分のオシャレな渋谷店、交通至便な大井町店、そして東伊豆で海が目の前に立つ富戸店(写真)と3つの拠点で講習&サービスを展開。『マリンダイビング』主催のランキング企画で8年連続No.1を樹立した富戸店には、1位に何度も選ばれているダイビングガイドの山口敬大さんも常駐。のんびり、あったかな雰囲気にきっとリラックスできるはずです。

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