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スキューバダイビングのスキルアップ術Q&A
ベテランイントラ・かっしーが教えます
第28回 おうちでできるダイビングスキル練習
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スキューバダイビングでは安全に潜るためのスキルを身に着けておく必要があります。でも、耳ぬき・中性浮力・潜降など、なかなかできない!という方の声が多いのも事実です。
これまでたくさんのダイバーを輩出し、スキルアップの手助けをしてきたベテランイントラ・かっしーこと柏崎洋介さん(スキューバプロショップ大井町店店長)に、読者の皆さんの質問や悩みに答えていただきます!
今回は自分の家でできるダイビングスキルアップを教えていただきました♪
柏崎洋介さん率いる《スキューバプロショップ》はダイビングスキルに悩みのある方やブランクダイバーにも優しいお店です。大井町、渋谷、東伊豆・富戸にお店があるので『マリンダイビングWebを見て』と直接相談してみましょう!
エア消費の速さを遅くするための普段のトレーニングは?
Q
呼吸が浅く回数が多いため、エアの減りが早いのが悩みです。普段の生活やトレーニングで改善できるのであれば、ぜひその方法を教えていただけたら、と思います。
(匿名希望)
A
エアが早いのを克服する陸上のトレーニングですか。うーん。なかなか難しいですが、呼吸が浅く速くなる原因は、ストレスや焦りです。どんな状況でも、呼吸を安定した通常のゆっくりした呼吸に戻せるかがポイントです。
ちょっとだけ難しい話をしますが、自立神経は、交換神経と副交感神経に分けられてます。交感神経はストレスや緊張時に、体を興奮させ、活発に活動させる態勢を整えます。一方、副交感神経は、眠っているときやリラックスしたときに、人間の活力を蓄えるように働きます。ストレスを感じているときは交感神経が優位となり、呼吸は自ずと速くなっています。深呼吸すると副交感神経が活性化し、心身がほぐれます。深呼吸をするときに、吐く時間を吸う時間の何倍にも延ばしてやることで、副交感神経優位にすることができます。
胸式呼吸は交感神経を刺激し、交感神経が優位に働くと、緊張感が高まり活動的になります。逆に、ゆっくり深い「腹式呼吸」をすると副交感神経が優位に働き、心身をリラックスさせることができます。
陸上でできる練習は、ゆっくり深い腹式呼吸を身につけることです。腹式呼吸に慣れてきたら、焦ったり、ストレスがかかってるときにゆっくり深い腹式呼吸でリラックスする練習をしましょう。ちょっと荒っぽい練習になりますが、ちょっとハードな運動をして呼吸が乱れたときにゆっくり深い腹式呼吸でなるべく早くリカバリーする練習もいいかもしれないです。
地面でタンクを背負うための筋トレは?
Q
ひとりで地面に置いたBCDタンクが背負えない。毎回段差があるわけではないのでどうにか地面に置いた状態からひとりでも背負えるようになるには筋トレでしょうか。
(たまにバルブも開けられない/10年/150本)
A
タンクをひとりで背負うには、ある程度の筋力はいりますが、実際、筋力があまりない方でも背負ってたりします。コツを掴めば、意外と楽に背負えます。
ポイントは、体にタンクを密着させながら背負うことです。まず、利き腕をBCDに通して肩の後側にBCDを密着させます。次に利き腕の手をタンクの下に伸ばして少し持ち上げてタンクを自分側に押すようにして肩から背中に密着するようにします。そのまま立ち上がり、やや前傾になりながら、もう片方の腕を通します。最後に前傾のまま、バックル類を止めればOKです。
文章だと伝わりにくいので動画をアップしておきます。見てみてください。
→スキューバシリンダー/タンクを1人で背負う方法
事前にマッサージしても耳ぬきに苦労
Q
耳ぬきに苦労しています。耳や首のマッサージや補助具を使ってみたりしています。慣れしかないのかなとも思いますが、良い方法がありましたら、教えてください。
(Kazu/8年/49本)
A
耳ぬきは、ほとんどの方がコツを押さえると楽になると言います。
僕のブログで超詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
→耳抜きが苦手な方へ 耳抜き克服!
簡単に解説すると
◆実際に潜るときのコツ
潜るときのコツを紹介しますね。
①早めにこまめに。
②しっかりふさぐ。
③しっかり吹き込む。
④力を抜く
この4つのコツで大分、耳ぬきは楽になります。
◆潜る前の準備
いくつか耳が抜けやすくなる準備をしておくと楽になります。
①ガムを多めに噛んで耳管のストレッチ
②タイガーバームを耳周り、首に塗って耳管周りの筋肉を消炎しておく。
③点鼻薬などで、耳管の鼻側も消炎しておく。
どれか一つでもやると少しは楽になるのでためしてみてください。
◆普段からできる練習
耳や耳管も筋肉なので普段から動かして、ストレッチしておけば抜けやすくなります。逆に何もしないと、硬くなって抜けにくくなります。
①1日50回〜100回くらい耳ぬきを練習する。
②オトベント(耳ぬき練習用の鼻風船)を使って毎日練習する。
③耳ぬきしたあと、逆に息を吸って、鼓膜を押したり引いたりして動かす練習をする。
④いろんな角度に首を傾けて(お辞儀するようにしたり、左右に傾けたり)耳ぬきを練習する。
普段から練習できることも多いので、やってみてください。
細かいやり方は、ブログ(上述)で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
日常生活でダイバーが心がけておくこと
Q
ダイビングのために日常生活で何か心がけておくと良いことはありますか? コロナ禍直前にCカードを取ったもののその後も不安で体験ダイビングしか潜っていない初心者です。
(匿名希望)
A
ブランクが空くと不安ですよね。でも慣れるには、潜らないとです。
一番は、海での体験ダイビングより、プールでリフレッシュ講習などを受講するのがいいと思います。
体験ダイビングは、不安を解消するってより、不安にさせないようにしたり誤魔化すって感じなので、根本的な解決にはならないです。
プールや簡単な海でリフレッシュ講習を受ければ、不安を1つ1つ解消できるので安心に繋がります。
一度リフレッシュ講習を受けるのを強くオススメします。当店でもやってますので、お声がけください。
日常生活で心がけておくことは、今のところないかもですね。一度リフレッシュダイビングやファンダイビングをしたあと、不安や苦手なことが何なのか、わかってからですかね。
加齢で衰えた体力を鍛えるためにできること
Q
68歳、年齢を重ねるにつれドリフト時において大物や群れを発見したときのダッシュ力や長い時間にわたり弱い逆流を泳ぐ体力や筋力の衰えを切実に感じています。初心者も含めて、泳ぐための足の筋力を鍛えるために適した家庭でもできるエクササイズを紹介していただけると助かります。
(ながさん/13年/2080本)
A
ながさん、お元気ですね!
普段のエクササイズですね?
ドリフトでダッシュや長く泳ぐのに必要なことは、足の筋力と足の柔軟さと心肺機能です。
足の筋力は、一番大きな大腿筋が大事なので、スクワットをするのがいいですね。あとは、自転車もいいトレーニングになります。足からお尻にかけて全体的に強化できます。電動じゃダメですよ。
足の柔軟性も大事です。筋トレと同時にストレッチもしましょう。基本的な伸脚屈伸でいいので、毎日やりましょう。あとは、足首と足の裏のストレッチも大事です。足首は、グルグル回してスムーズに回るようにしておきましょう。足の裏は、麺棒みたいな棒を足の裏で踏んで片足ずつゴロゴロしたり、両足で足踏みするといいですね。
心肺機能も大事なのでランニングや自転車、もしくはウォーキングなどの有酸素運動を取り入れましょう。
プロフィール紹介
かっしーこと柏崎洋介さん
東京農業大学に入学後、ダイビングクラブに入り、すっかり海とダイビングの虜になる。在学中に《スキューバプロショップ》でアルバイトを始め、卒業後はもれなく同社へ。東伊豆の富戸でダイビングガイドを担当した後、同社の代表兼大井町店の店長に。ダイビング歴25年、インストラクター歴21年。現在はPADIコースディレクターとして、ノンダイバーからプロを目指すダイバーまで指導。
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東京に2店舗、東伊豆に1店舗あるから
スキルアップやステップアップに超便利!
スキューバプロショップ
大井町店 TEL:03-6712-0920
ダイビングを始めたい!という方から、ファンダイバーや、もっとうまくなりたいという方にはステップアップコースを意欲的に開催。
話題の渋谷・宮下パークから徒歩1分のオシャレな渋谷店、交通至便な大井町店、そして東伊豆で海が目の前に立つ富戸店(写真)と3つの拠点で講習&サービスを展開。『マリンダイビング』主催のランキング企画で8年連続No.1を樹立した富戸店には、1位に何度も選ばれているダイビングガイドの山口敬大さんも常駐。のんびり、あったかな雰囲気にきっとリラックスできるはずです。
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